インタビュー

糖尿病とは?―原因・症状・治療・予防、糖尿病の基礎知識

糖尿病とは?―原因・症状・治療・予防、糖尿病の基礎知識
杉山 徹 先生

武蔵野赤十字病院 内分泌代謝科部長

杉山 徹 先生

菅野 一男 先生

かんの内科 院長

菅野 一男 先生

貴田岡 正史 先生

医療法人社団 明芳会 イムス三芳総合病院 内分泌(甲状腺)・代謝(糖尿病)センター センター長

貴田岡 正史 先生

この記事の最終更新は2014年03月09日です。

糖尿病とは血液中のブドウ糖(血糖)が増えすぎる、すなわち血糖値が高くなってしまう病気です。
糖尿病に大きく関係するのが、インスリンというホルモンです。インスリンは、ブドウ糖を血液中から細胞の中に取り込む(血糖を下げてくれる)働きをしています。インスリンの作用が弱くなったり、インスリン自体が不足してしまうことで起こる慢性的な高血糖が糖尿病です。

糖尿病自体は当初無症状で経過することが多い病気です。しかし、進行すると失明、腎不全、足壊疽、脳梗塞心筋梗塞など様々な合併症につながり、生活の質を著しく低下させます。

・世界の糖尿病人口は3億8200万人と言われています
・日本国内の糖尿病が強く疑われる方は950万人と言われています
・日本国内の糖尿病の可能性を否定できない方は1100万人いると言われています
・糖尿病と予備軍をあわせると、日本人の5人に1人にあたります

糖尿病の原因には、遺伝と生活習慣の両方が関わっているといわれています。糖尿病はその原因によって、以下の4つに分類されます。

  1. 1型糖尿病
    膵臓からインスリンが分泌されなくなることが原因です。免疫系の異常などが原因となり、生活習慣には関係なく引き起こされます。

  2. 2型糖尿病
    インスリンが分泌されても、量が不十分であったり、その効き目が悪くなったりすることが原因です。生活習慣病の一つで、一番多いのがこの2型糖尿病です。

  3. その他の糖尿病
    遺伝子異常や肝臓などほかの病気が原因で引き起こされるのが「その他の糖尿病」です。

  4. 妊娠糖尿病
    妊娠中に生じる糖尿病には至らない高血糖状態です。おなかの中の子どもに悪影響が及ぶことがあるので、きちんと管理することが大切です。インスリン治療が必要になることがあります。

当初糖尿病は無症状のことが大部分です。
血糖がある程度高くなると、のどがよくかわいて、水をたくさん飲むようになり、尿の回数が増えて行くことがあります。しかし、これも必ずしも典型的とは言えません。無症状のことすらあります。したがって、多くの患者さんが糖尿病の存在に気づかず放置してしまうようです。
高血糖に気付かないまま放置すると、合併症が出現して、視力が低下したり、足がしびれたりすることがあります。これらの合併症の症状が出たときにはすでに非常に治療が難しくなっていることもあります。
そのため、定期的な健診を受けてチェックしていくことが大切になります。

糖尿病の治療はその型や状態によってまったく異なっています。生活習慣病である2型糖尿病であれば、生活習慣を改めることから始め、薬物療法を用いながらコントロールをしていきます。ただ、これも状態次第によっては最初から薬を飲んだり、入院が必要なこともあります。また、1型糖尿病の場合、当初よりインスリン治療が必要になります。

2型糖尿病の予防は日常的に運動をすることや食べ物を過剰摂取しないことなどが大切になってきます。一方で、1型糖尿病の発症は予防ができません。きちんとした正しい生活習慣を送っていてもなってしまうことがあるのです。

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