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インタビュー

糖尿病腎症の基礎知識―透析になる可能性

糖尿病腎症の基礎知識―透析になる可能性
杉山 徹 先生

武蔵野赤十字病院内分泌代謝科部長

杉山 徹 先生

貴田岡 正史 先生

イムス三芳総合病院 内分泌内分泌(甲状腺)・代謝(糖尿病)センター長

貴田岡 正史 先生

菅野 一男 先生

医療法人社団桜一会かんの内科院長

菅野 一男 先生

糖尿病のために腎臓が悪くなった状態を糖尿病腎症といいます。糖尿病腎症は細小血管の障害であり、三大合併症のひとつです。

腎臓は血液をきれいにする臓器です。顕微鏡で見てみると毛細血管が糸の玉のように集まり、血液中の老廃物を尿に排出したり、体内環境の調節をしたりしています。そこに糖分の高い血液が流れてきてしまうと毛細血管が痛み、腎臓が障害されてしまいます。その結果、正常に老廃物を排出することができなくなったり、体内環境がおかしくなったりしてしまいます。

腎症の経過―尿蛋白が危険信号

腎症の経過―尿蛋白が危険信号

糖尿病腎症は尿たんぱく、尿中アルブミン、クレアチニンなどにより診断され、病期はその重症度により、1期から5期まで分類されます。2期程度の段階までであれば正常な状態に戻ることが出来ます。しかし、4期、5期となってしまうと正常な状態に戻ることは困難になります。

病期 尿アルブミン値あるいは尿蛋白値 GFR(eGFR)
第1期(腎症前期) 正常アルブミン値(30未満) 30以上
第2期(早期腎症期) 微量アルブミン値(30~299) 30以上
第3期(顕性腎症期) 顕性アルブミン尿(300以上)あるいは持続性蛋白尿(0.5以上) 30以上
第4期(腎不全期) 問わない 30未満
第5期(透析療法期) 透析療法中  

糖尿病性腎症病期分類。下に行くほど、病気が進行している=状態が悪いことを表します。

早期の腎症(2期〜初期の3期)であれば血糖と血圧のコントロールによって腎症が改善することもあります。したがって、早期発見がとても重要であり、それには定期的な尿アルブミン量の測定が大切です。

糖尿病腎症における治療は

  1. 血糖コントロール
  2. 血圧コントロール
  3. 食事療法(タンパク制限食)

の3つが基本となります。

糖尿病の基本療法である食事療法、運動療法、薬物療法を継続しながら、腎症の病期に合わせてこれらの治療を加えます。

糖尿病腎症は血液透析の原因第一位です。糖尿病が原因で年間1万3千人の方が血液透析療法の導入を受けています。血液透析療法は患者さん自身にとっても家族にとっても大変な負担や制約になる治療です。

末期の腎不全(腎臓がほとんど機能しなくなってしまう状態)に陥ってしまうと、透析療法が必要となります。透析装置の力を借りて老廃物の除去や体内環境を保たなければならなくなります。透析療法を始めると一生付き合っていかなくてはなりません。

透析には大きく分けて血液透析と腹膜透析があります。それぞれの特徴について見ておきましょう。

  • 患者さんの血液を体外の透析装置の中で透析を行い体内に戻す
  • 透析患者さんの95%が施行
  • 医療機関にて医療従事者により施行
  • 1回4時間を1週間に2-3回
  • 透析効率高い
  • 残存腎機能の低下が早い
  • 半永久的に持続
  • 食事管理必要
  • 腹腔内に透析液を注入し、腹膜を半透膜として用い体内で透析をする。
  • 透析患者さんの5%が施行
  • 在宅で患者さん自身が施行
  • 毎日数回の透析液交換
  • 透析効率低い
  • 残存腎機能も比較的長く保たれる
  • 5-8年が限界(腹膜劣化のため)
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  • 武蔵野赤十字病院 内分泌代謝科部長、NPO法人 西東京臨床糖尿病研究会 評議員

    杉山 徹 先生

  • 医療法人社団 明芳会 イムス三芳総合病院 内分泌(甲状腺)・代謝(糖尿病)センター センター長

    貴田岡 正史 先生

  • かんの内科 院長

    菅野 一男 先生

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