川崎病が発見されてから約50年。他科ではなく専門医である小児科医が患者を診る機会が増え、危険な合併症である冠動脈瘤が生じる頻度は年々減っています。しかし、頻度は減少したとはいえ、日本では年間400名を超える川崎病の患者さんが何らかの冠動脈病変を合併しているといわれています。本記事では1人でも多くの患者さんの合併症を防ぐために、東邦大学医療センター大森病院小児科教授の佐地勉先生を代表とする研究チームが取り組まれてきた試験“RAISE Study”についてお話しいただきました。
川崎病の主要症状である熱は、治療を開始すると2日程度で下がります。しかし、患者さんのおよそ3~4人に1人は、一旦解熱したあとに再び熱を出してしまいます。このようなケースを見過ごすと後遺症を残すことに直結するため、医師は患者さんの熱が一度下がったからといって気を抜いてはいけません。具体的な数値を挙げますと、川崎病の患者さんのうち約7割の方は免疫グロブリンにより熱を下げられるものの、約2~3割の方は再び熱を出すということ、そしてこのように再度発熱する患者さんに冠動脈瘤が残りやすいということがわかっています。
合併症の頻度は年々減ってはいますが、それでも日本では年間300~400名以上の患者さんが何らかの冠動脈の病変を合併していますし、先進国における後天性の心疾患の最大の原因も川崎病といわれています。合併症を患う方を一人でも減らすために、新たな治療法を開発が待たれています。
そこで私たちの研究組織は厚生労働省科学研究事業として、重症の川崎病患者さんに対する新たな治療デザイン「免疫グロブリン・プレドニゾロン初期併用療法」の効果を検討するために、“RAISE Study”(外部Webサイト http://raise.umin.jp/security.html)と呼ばれる大規模なランダム化比較試験を行いました。この試験により非常によい成績が出たため世界に向けて発表したところ、2012年に医学雑誌「ランセット」に認められ、掲載していただき、“RAISE Study”は世界的に認められることとなりました。同様の研究は現在進行形で行われていますので、数年後には新たな治療法もみえてくる可能性があると期待しています。ただ「使ってみたらよかった」という単純な結果だけでは本当の効果を正しく推測することはできません。
合併症の頻度は、2年ごとに行われる全国調査の度に減少しています。ですから、現在行われている免疫グロブリン療法などによる治療もうまくいっているといえるでしょう。しかし、川崎病の患者数は最近では毎年1万5000人を超えていますから、たとえば全患者さんのうち1%の方になんらかの問題が残ってしまっているとしたら、それは「非常に多い人数」であると私は捉えています。合併症の患者さんを一人減らすことができたとしても、パーセンテージでみると小数点以下の数値しか減らすことはできません。しかし、その一人の合併症を防ぐことは、その患者さんの人生を考えると非常に重要なことではないでしょうか。
私たちは常に「目指すは合併症患者0人」という想いを持って新たな治療法を探っていますし、今後“RAISE Study”のような正しくデザインされた大規模多施設共同研究を行う若手の医師の方などがどんどん増えていってほしいと強く願っています。
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眼球の裏側からその奥にかけて、頭痛がすることがあります。 痛くなるのは決まって右側で、冷たいものを一気に食べたときのこめかみに来るような痛みが、なんの拍子もなく起こります。 起こる頻度はまちまちで、1ヶ月に1度程度のこともあれば週に何度も起こる場合もあります。初めてこの症状が起こったのは20歳くらいの頃でした。 一度痛みが出てから引くまでは5~10分くらいです。 もともと緊張型頭痛も起こりやすいので、緊張型頭痛の場合はアスピリン系の頭痛薬を飲んで対処しているのですが、片頭痛や緊張型頭痛とは違った痛み方なので気になっています。長年痛み以外には特に何も起こっていないので、深くは心配していないのですが、原因がよくわからないのでずっと気になっています。 もし分かることがあれば教えて下さいませ。
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