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インタビュー

子どもの誤飲で注意すべき点と適切な対応とは?

子どもの誤飲で注意すべき点と適切な対応とは?
多賀谷 貴史 先生

国立成育医療研究センター 救急診療科

多賀谷 貴史 先生

誤飲とは、食べもの以外を誤って飲み込んでしまった状態で、生後7~8カ月から3~4歳の子どもに多くみられます。飲み込んだ異物や毒物の種類によっては、生命に関わる緊急事態となり、医療的処置が必要となる場合もあります。今回は、子どもが誤飲をした場合の注意点・必要となる対応について、国立成育医療研究センター救急診療科の多賀谷貴史先生にお話しいただきました。

生後7~8カ月以降から3~4歳頃までの小児は食べられるものと食べられないものの区別がはっきりとつかず、何でも口に入れてしまうため、誤飲が多発します。

誤飲は2種類のタイプに区別されます。ひとつは異物誤飲(いぶつごいん)といって、体内に吸収されない不溶性の固形物が飲み込まれる場合です。もうひとつは毒物誤飲(どくぶつごいん)で、医薬品・農薬・洗剤・化粧品・乾燥剤・殺虫剤・タバコなどの中毒を引き起こす物質を飲み込んだ場合を指します。

異物が食道を通過して胃以降に存在している場合、異物はほとんどのケースで無症状のまま小腸、大腸を経由し、消化管を傷つけずに自然排出が期待できます。しかし、食道や小腸以降の消化管に異物がはまり込み、停滞すると、閉塞や穿孔(穴が開くこと)が起こります。症状としては、嘔吐や唾液の増加、腹痛、吐血などがみられます。また食道異物の場合には、咳嗽、胸痛や呼吸困難などが生じる場合もあります。

受診の際は、誤飲した物質と同じものが自宅にあれば持参しましょう。

無理に嘔吐させたり、水分や食事を摂らせたりすることは、合併症を生じる危険があるため、避けてください。

症状は誤飲された毒物の成分によって異なりますが、消化管粘膜が損傷され、炎症を起こす直接的な障害や、消化管から血中に吸収された成分によって中毒症状を引き起こす間接的な障害が問題となります。薬品の成分によっては、意識障害、けいれん、呼吸障害などを生じる場合もあります。

基本的に自宅で嘔吐させる処置は推奨していません。また、ご家族の判断で水や牛乳を飲ませたりすることも避けてください。ご家族のみで判断せず、中毒情報センターや小児救急電話相談(#8000)などに相談するか、速やかに医療機関を受診するようにしてください。

異物誤飲では、嘔吐や唾液の増加、胸痛、吐血(血を吐いてしまう)、呼吸困難などがみられる場合、消化管の閉塞や穿孔が生じている可能性があります。このような場合は、緊急性を要しますので、救急車の要請を行ってください。

一方、毒物誤飲では、薬物の種類や量、またお子さんの症状によって、緊急性の判断が求められます。そのため、医薬品を誤飲した場合は一度病院や小児救急電話相談(#8000)、中毒情報センターなど、専門機関への連絡を行い、救急車を呼ぶべきかの判断を仰ぎましょう。

また、誤飲したものの成分が分かる文書などを持参していただくと治療もスムーズに進みます。特に医薬品の場合は、お薬手帳や処方箋に記載されている情報が分かれば理想的です。

 

「こどもの様子がおかしい」と思ったときは、日本小児科学会が運営する「こどもの救急(ONLINEQQ)」も参考にしてみてください。

 

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