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インタビュー

千葉大学病院の魅力と特色―「ここへ来てよかった」と思える病院を目指す

千葉大学病院の魅力と特色―「ここへ来てよかった」と思える病院を目指す
山本 修一 先生

千葉大学医学部附属病院 病院長

山本 修一 先生

千葉大学病院は、大学病院としては珍しく病院からその歴史をスタートさせており、2014年に創立150年を迎えました。病院として「人」を第一に考え、患者さん・スタッフ双方が満足できるような環境を整えることを目標に、地域医療・グローバル医療といった多角的な観点から歩みを進めています。千葉大学病院のこれまでの歩みとこれからの展望について、千葉大学病院病院長の山本修一先生にお伺いします。

航空から見た千葉大学病院の全体図

千葉大学の歴史は病院から始まります。もちろん、医学部としての歴史も古くから続いていますが、千葉大学の原点は臨床の現場からスタートしているのです。

千葉大学病院は千葉県でもっとも古くからある病院であり、創設は1874年に遡ります。千葉、寒川、登戸の3つの地域が「千葉県に病院をつくりたい」という思いのもと、有志で寄付を行い、当時の千葉町に共立病院が設立されたのが始まりです。 その後、1876年に公立千葉病院と改称し、医学教場を附設します。さらに1882年には、県立千葉医学校及び附属病院となりました。現在の呼び名である千葉大学医学部附属病院としてスタートしたのは1949年であり、このときに新制国立総合大学として千葉大学が発足します。これによって現在の千葉大学病院となりました。現在の病床数は850床です。

●千葉大学病院の沿革

年月

病院の歩み

1874年(明治7年)7月

千葉、登戸、寒川の有志の拠金により共立病院を設立

1876年(明治9年)10月

公立(県立)千葉病院と改称、医学教場を附設

1882年(明治15年)7月

公立千葉病院を改組し、県立千葉医学校及び附属病院設置

1888年(明治21年)3月

県立千葉病院と改称

1922年(大正11年)4月

県立千葉病院を医学専門学校附属医院と改称

1923年(大正12年)4月

官制改正により官立千葉医科大学附属医院と改称

1949年(昭和24年)5月

千葉大学医学部附属病院と改称

1977年(昭和52年)12月

新病院竣工(1978年3月開院)

2004年(平成16年)4月

国立大学法人法の施行により国立大学法人へ移行

2007年(平成19年)9月

新病棟(ひがし棟)竣工(2008年5月開院)

2009年(平成21年)6月

病棟(みなみ棟)改修(7月開院)

2011年(平成23年)4月

病棟(にし棟)改修(4月開院)

2014年(平成26年)5月

新外来診療棟竣工(7月開院)

2016年(平成28年)4月

病棟(みなみ棟)改修(4月開院)

(千葉大学のHPより引用)

千葉大学病院のホスピタルストリート

千葉大学病院は「世界一の大学病院」を目指しています。

元来、大学病院は横並びになっている状況にありましたが、今後はすべての大学病院が一列に並んでいる時代ではないと考えます。千葉大学病院は、「大学病院は重苦しく敷居が高い」という既成概念を脱却すべく、「患者さんに明るく・前向きな気持ちで受診していただく」という思いのもと、職員が一丸になって取り組んでいます。

千葉大学病院の理念は「人間の尊厳と先進医療の調和を目指し、臨床医学の発展と次世代を担う医療人の育成に努める」というものです。つまり「人」ありきの病院を目指し、臨床・研究・教育の3つの柱をバランスよく行っているのです。私は、大学病院の使命とはこの3つであると考えます。

臨床・研究・教育の中でも筆頭になるのが「臨床」です。千葉大学病院の歴史が臨床から始まったこともあり、我々は患者さんへの治療を第一に考えており、質の高い臨床を提供することを常に意識します。

しかし、現在の医療ではどうしても根治治療ができない(治療法が見つかっていない)疾患があります。それらの疾患を治療する先進医療を発見するため重要なのが「研究」です。

また、研究が進んで、数年後にはこれまで治せなかった疾患を治療できる新しい方法が見つかったとしても、それを将来的に実践する医療の担い手がいなければ、患者さんには届きません。そのため、次世代の医療を担うスタッフの「教育」も非常に重要となります。千葉大学病院は、この3つの柱に力を入れています。

医療の現場は人が主体でなければ成り立ちません。私は、千葉大学病院へ来院される患者さんも、千葉大学病院で働く職員も、関わる人がみなさん「ここに来てよかった」といえる病院を作ることを目指しています。先ほど世界一の病院を目指すとお話ししましたが、患者さんも職員も満足できる環境があって、初めて大学病院は世界一を目指せるのだと考えます。

千葉大学病院は歴史が長いため、それぞれの診療科に関しては各々が世界一と呼べるほどの分野や技術を持っています。

今後はすべての診療科を支えるため、それぞれの診療科を横断するような横ぐしを刺し(註:表現を変更するとニュアンスが変わってしまうかと思い、【横ぐし】という先生のお言葉をそのまま使用しております)、土台を形成することが大事だと考えます。横断的な仕組みを作ることで、多職種による多角的な診療の実現が期待できるでしょう。意外にも国立病院において、ワンストップで患者さんの支援ができるような施設はまだ少ないのです。

土台を形成するために患者支援センターや周術期緩和ケアセンターなど、サポート体制を強化する様々なセンターを設立させました。

千葉大学病院臨床研究センター

たとえば患者支援センターは、千葉大学病院を利用される患者さんがスムーズな診療を受けられるようサポートする部門です。ここでは入院が決定した患者さんが心から安心して医療を受けられるように支える取り組みがなされています。具体的には、患者さんは入院から退院後まで継続的に診療・ケアを受けていただき、治療中にもその方らしい生活が送れるようなサポートです。ここでは医師・薬剤師・看護師・ソーシャルワーカーなど多職種が連携して、患者さんに寄り添ったサポートを行います。

●千葉大学病院にある患者さんのためのセンター

認知症疾患医療センター

アレルギーセンター

・周術期管理センター

・患者支援センター

・高齢者医療センター

糖尿病コンプリケーションセンター

・緩和ケアセンター

・包括的脳卒中センター

・周産母子センター

など

千葉大学病院では大学病院の発展以外にも裾野を拡げています。

千葉大学柏の葉キャンパスという緑の多い環境を活用して、2014年10月、柏の葉に自由診療オンリーの診療所「千葉大学柏の葉診療所」を設けました。千葉大学柏の葉診療所では、漢方診療や鍼灸治療、カウンセリングを行っており、特に漢方治療においては、隣接する薬草園で採れる生薬を煎じた薬を処方しています。

現在の保険診療体制では、生薬のエキスをもとにした薬しか提供できません。そのため、処方範囲が広くとれる自由診療体制をとっています。

柏の葉診療所は未病対策を目的として設立した診療所ではありますが需要も高く、これからさらに発展していくと考えています。

千葉大学病院では糖尿病の治療にも非常に力を注いでいます。糖尿病・代謝・内分泌内科による先進医療を中心に、糖尿病コンプリケーションセンターが予防や管理を行い、患者さんをサポートします。

なかでも特徴的なのが運動療法の取り入れです。糖尿病の方には運動が必要だとはよくいわれますが、これまで具体的にどのような運動をすればよいのかは、どの病院でもあまり教えられてきませんでした。

病院に入院した糖尿病の患者さんは、多くの場合ベッドで寝たままの状態にされ、食事制限は行われても運動は指導されない傾向にあったのです。千葉大学病院はここに着目して、2014年12月よりセントラルスポーツ株式会社と提携し、運動教室を開催して、糖尿病の患者さんを中心とした運動療法の指導を行っています。

セントラルスポーツと提携し、患者さんに運動療法を行う

上記は一例ですが、これまでなかなか実現できなかった様々な支援部分に手を伸ばしており、医療の裾野を拡げています。

この他、世界一の大学病院を目指すために大切なのが国際的な取り組みです。2014年10月、千葉大学病院では国際医療センターを設置しました。ここでは、海外からいらした患者さんの受診を支援したり、外国の医師や研究者を積極的に受け入れたり、海外の医療機関へスタッフを派遣するなど、様々な取り組みを行って医療のグローバル化を推進しています。国際医療センターは国際的な取り組みを支援するために作られたセンターであり、海外からの視察、来訪にも対応し、ロシアの医療関係者の来訪時には要望のあった和漢診療科(並木先生の記事にリンクします)等をご案内しました。

現在は、さらに国際部門を発展させるべく国際健診センターの設立準備に取り掛かっています。

 

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