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インタビュー

間質性肺炎は病名ではない!間質性肺炎の分類や原因

間質性肺炎は病名ではない!間質性肺炎の分類や原因
服部 登 先生

広島大学大学院 分子内科学 教授

服部 登 先生

間質性肺炎とは、肺胞の間の組織(間質)に炎症が起きた状態を指します。間質性肺炎を引き起こす原因や疾患は多岐にわたり、そのなかには軽症にとどまるものもあれば重症化するものも含まれます。原因が多彩なことから、治療法もさまざまです。今回は間質性肺炎の原因や分類について、広島大学病院 呼吸器内科 教授・診療科長の服部 登 先生にうかがいました。

間質性肺炎

はじめに、間質性肺炎は間質と呼ばれる肺胞の間の組織が何かしらの炎症を起こした状態を指します。間質性肺炎は原因や病態も多様で、治療アプローチも異なります。よく、間質性肺炎は必ず死に至る病気であると認識している方がいらっしゃいますが、間質性肺炎のなかでも命にかかわるおそれが高いものは特発性肺線維症などの一部に限られます。ですから、何が原因で間質性肺炎が生じているのかをしっかりと見極め、それに応じた治療を行えば病状が軽快することも多くあります。

アレルギー反応

前述のとおり、間質性肺炎の原因は多様です。代表的なものとして,膠原病(こうげんびょう)などの自己免疫疾患に伴うもの、アスベストなどの粉塵を吸い込んだことによるもの、羽毛やカビなどを吸い込んでアレルギーを起こしたもの、抗がん剤などの薬剤や放射線照射に由来するもの、などが挙げられますが、原因や関連疾患を特定できないこともしばしばあります。

このように間質性肺炎を引き起こす疾患や原因は多くあるため、原因や関連疾患の有無をしっかりと調べて特定していくことが、間質性肺炎の治方針を立てるうえでの鍵となります。

間質性肺炎のなかには血液検査や胸部X線、CT検査、肺生検など各種検査を実施してもはっきりと原因や関連疾患を特定できないものがあります。このような原因不明の間質性肺炎は、特発性間質性肺炎と呼ばれます。特発性間質性肺炎は、臨床的特徴と病態により下記の6種類に分類されます。

  • 特発性肺線維症(IPF)
  • 特発性非特異性間質性肺炎(特発性NSIP)
  • 特発性器質化肺炎(COP)
  • 剥離性間質性肺炎(DIP)
  • 呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患(RB-ILD)
  • 急性間質性肺炎(AIP)

特発性間質性肺炎のなかで患者数の最も多いものが特発性肺線維症です。特発性肺線維症は間質性肺炎のなかでも最も重症な疾患であり、繰り返し傷ついた肺胞を修復する際に発生する大量のコラーゲン線維が間質に蓄積することで肺が硬くなる、肺線維化疾患の代表です。肺の線維化は時間の経過とともに必ず進行し、咳や呼吸困難などの症状が現れます。急激に症状が進行して呼吸不全に陥る急性増悪をきたすことがあり、命にかかわるような場合もあります。

咳き込むひと

間質性肺炎に特徴的な症状はありませんが、乾性咳嗽(かんせいがいそう・痰のからまない咳)や労作時の息切れを呈する患者さんが多いようです。特発性肺線維症など肺の線維化が発生する間質性肺炎では、進行すると安静時でも呼吸困難を呈するようになり最終的に呼吸不全を起こします。

間質性肺炎はその原因によって治すことができます。たとえば鳥やカビなどへのアレルギーや薬剤が原因となり発症しているものでは、アレルゲン物質や薬剤を遠ざけることで病状が回復します。薬を使う場合でも、肺の炎症が強いものにはステロイドや免疫抑制剤、線維化が生じているものには抗線維化薬を用いることで病状の回復や安定化が望めます。

最近、間質性肺炎が原因で亡くなる著名な方が増えているような印象を私は持っていますが,その訃報に接して間質性肺炎が死に直結する病気であると思われている方も多くおられるようです。そのような方々には、間質性肺炎は単一の疾患を示す病名ではなく単に「間質が炎症を起こした状態」を指している用語にすぎないこと、そしてその原因や種類もさまざまであることを思い出していただきたいです。原因や種類によっては十分に治療可能であり、治療によって普通の日常生活を送ることができるまでに回復される方もいます。ですから、間質性肺炎と診断された患者さんはぜひ、原因をしっかりと専門医に調べてもらい、適切な治療を受けられることをおすすめします。

記事2『間質性肺炎の診断と治療―確かな診断と治療で治すことも可能』では、間質性肺炎の検査・診断と治療についてお伝えします。

 
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