とくはつせいはいせんいしょう

特発性肺線維症

肺

目次

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概要

特発性肺線維症とは、肺の間質(かんしつ)と呼ばれる部分に傷が生じ、肺が固くなる病気のことを指します。

特発性肺線維症は、特発性間質性肺炎と呼ばれる病気に含まれるひとつのタイプです。息切れや疲れやすさなどの症状が現れます。

特発性肺線維症は、日本においては難病指定を受けた病気のひとつで、特発性間質性肺炎の中でも特発性肺線維症は頻度が高いタイプの病態です。

原因

特発性肺線維症は、明らかな原因がなく引き起こされる病気です。肺の組織を細かくみると、肺胞と間質に大きく分けることができます。中でも特発性肺線維症では、間質が傷害されて固くなる病気です。

正常な肺は呼吸に伴って、風船のように伸び縮みします。しかし、特発性肺線維症では肺が固くなるため、うまく肺が伸び縮みできず、空気の取り込みに支障が生じます。

間質性肺炎を起こす原因として、関節リウマチや強皮症、じん肺、過敏性肺炎、薬剤など数多くのものが知られていますが、特発性肺線維症はこうした原因を同定することができません。

直接的な原因を同定できませんが、遺伝的な要因や環境要因が関与していると想定されています。特に、習慣的な喫煙は、病気の発症に際して重要な危険因子であることが知られています。

症状

特発性肺線維症の初期段階では明らかな症状が現れないことがありますが、病気が進行すると咳が現れるようになります。特発性肺線維症で生じる咳は、(たん)が絡まないことが特徴のひとつです。

また、徐々に息苦しさが現れます。最初は、階段を上る、歩くなどの動作に伴って息苦しさが現れますが、病状が進行すると安静時にも症状が現れるようになります。

特発性肺線維症の呼吸症状が、インフルエンザをはじめとした呼吸器感染症によって急激に悪くなることもあります。

また、体内の酸素バランスが障害されることで、チアノーゼやバチ指と呼ばれる指の形の変化が現れることもあります。そのほか、肺がんや心不全の発症をみることもあります。

検査・診断

胸部単純レントゲン写真やCT検査といった画像検査に加え、呼吸機能検査によって肺の機能を確認します。肺での酸素化の状態を確認するために、指先に器具を装着したり、動脈血採血を行ったりします。

肺間質の損傷度合いを確認するための血液検査も行われます。そのほか、気管支鏡検査や肺生検などの検査が行われることもあります。

治療

特発性肺線維症では、患者さんの病状にあわせた治療が検討されます。

使用される可能性がある薬剤としては、抗線維化薬、ステロイドや免疫抑制剤などで、呼吸状態が安定しているのか、急性増悪をきたしているのかなどを確認したうえで治療方法を決定します。

経過によっては、呼吸リハビリテーションを行うことも検討されます。酸素の取り込み状態がままならず、日常生活に支障をきたす際には、在宅酸素療法も検討されます。

特発性肺線維症では、感染症をきっかけとして症状が悪化することも懸念されます。そのため、手洗いやうがい、マスクの着用、インフルエンザワクチンの接種などを行い、症状悪化の予防を図ることも大切です。

また、喫煙習慣と関連して呼吸機能の悪化も懸念されるため、禁煙を行うことも治療の一環として重要です。