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インタビュー

胎児水腫は原因により治療ができる―まずは詳しく検査を

胎児水腫は原因により治療ができる―まずは詳しく検査を
和田 誠司 先生

国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター 胎児診療科 医長

和田 誠司 先生

目次
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胎児水腫とは、お母さんのお腹のなかで赤ちゃんにむくみが出ている状態を指します。妊娠週数にかかわらず起こりうる状態です。

赤ちゃんの命にかかわることがある重大な病気である一方で、原因により治療ができることがあります。今回は胎児水腫の治療について、国立成育医療研究センターの和田誠司先生にお話を伺いました。

胎児水腫の原因や妊娠の週数によって変わりますが、胎児水腫がわかった時点で治療を行えることのほうが少ないです。一概にはいえませんが、妊娠初期に赤ちゃんにむくみが出ると治療が困難な傾向にあります。

なお、通常お母さんは自分で赤ちゃんのむくみに気づくことはできません。定期的な妊婦健診が重要です。

エコーを受けている妊婦さん

胎児水腫の原因を知るために行う検査は、主に超音波検査(エコー検査)と染色体検査の2つ*1です。超音波検査では、胎児水腫の原因が見てわかることがあります。

超音波検査で染色体*2異常が疑われる場合は、希望すれば染色体検査を受けることができます。また、原因は必ずわかるわけではなく、検査をしても胎児水腫の原因は不明ということもあります。

1 ウイルス感染が疑われる場合は血液検査を行う

2 染色体…生物の遺伝情報を伝える遺伝子を含む物質

確率は多くはないですが、一過性の胎児水腫の場合もあります。特に妊娠初期の場合は、治療せずともむくみが自然に消えることがあります。

胎児水腫の原因やその状態によっては、治療ができる場合があります。

ただし、治療をするにあたってはさまざまな条件があり、必ずしも赤ちゃんの治療ができるわけではないことを念頭においておきましょう。

以下は、治療ができる可能性のある胎児水腫の原因や条件です。

  • ウイルス感染による赤ちゃんの貧血(ヒトパルボウイルスB19(りんご病)など)
  • 血液型不適合妊娠(2人目以降)による赤ちゃんの貧血
  • 赤ちゃんの不整脈
  • 赤ちゃんの胸に水が溜まっている(胎児胸水)

胎児水腫の治療法は主に以下の3つです。

  • 胎児輸血
  • 胎児胸腔・羊水腔シャント術
  • 母体薬物療法

※ 分娩可能な妊娠週数の場合は、赤ちゃんに早く出てきてもらい出生後に治療をすることがあります。

胎児輸血は、胎児水腫の原因が赤ちゃんの貧血という場合に行う治療法です。お母さんのお腹に局所麻酔をして針をさし、臍帯静脈や腹腔内に輸血します。

赤ちゃんがよく動いている場合は、治療に差し支えが出るため赤ちゃんに直接麻酔を注射することがあります。

胎児輸血中の合併症としては、一時的に起こる赤ちゃんの徐脈(脈が遅くなる)がもっとも多くみられます。この徐脈は、基本的に自然に改善していきます。

以下、胎児輸血後に起こりうる合併症です。

合併症…ある病気や、手術や検査が原因となって起こる別の症状

「胎児胸腔・羊水腔シャント術」は、赤ちゃんの胸に水が溜まっている場合に行う治療方法です。お母さんのお腹に針をさし、赤ちゃんの胸のなかにチューブを入れ、胸に溜まった水を羊水へと流します。

以下のチューブの膨らみの一方を、赤ちゃんの胸のなかにいれます。もう片方の膨らみは赤ちゃんの体の外に出ている状態です。

シャントのチューブ

麻酔は、お母さんに点滴で静脈麻酔を行います。赤ちゃんがよく動いている場合は、赤ちゃん自身にも麻酔を注射することがあります。

  • 羊水腔内カテーテル脱落(羊水内にチューブが落ちてしまうこと)
  • 胎児胸腔内カテーテル脱落(赤ちゃんの胸のなかにチューブがすべて入り込んでしまうこと)
  • 胎児穿刺部出血
  • 胎児機能不全
  • 前期破水
  • 早産
  • 子宮内感染

赤ちゃんが不整脈になっていることが原因で胎児水腫になっている場合は、お母さんに薬物療法を行い不整脈の治療をします。

不整脈は、大きく分けて頻脈(脈が早くなっている)の場合と徐脈(脈が遅くなっている)の場合があります。赤ちゃんが頻脈性不整脈の場合は、母体薬物療法により8割以上で改善が見込まれます。

赤ちゃんが徐脈性不整脈の場合は、薬物療法が困難な場合があるため主治医の先生に確認しましょう。

医師と真剣に話し合う夫婦

お母さんは不整脈でないのに薬を飲まなければなりません。薬の成分を、胎盤を通過させて赤ちゃんまで届けなければならないため、服用する薬の量は少なくありません。そのため、薬による副作用が出ることがあります。使用する薬により副作用は異なるため、事前に医師や薬剤師に確認しましょう。

真剣に話し合う夫婦

胎児水腫の原因によっては、治療できることがあります。まず周産期母子医療センターなどの施設で、詳しい検査をして診断してもらいましょう。

夫婦間でよく話し合い、お父さんはお母さんの気持ちをじっくりと聞いてあげることが大切です。

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  • 国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター 胎児診療科 医長

    和田 誠司 先生

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