新型コロナウイルス感染症特設サイトはこちら
院長インタビュー

釧路の地で専門的な医療提供を─釧路三慈会病院の診療

釧路の地で専門的な医療提供を─釧路三慈会病院の診療
西池 淳 先生

医療法人社団 三慈会 釧路三慈会病院 理事長・院長

西池 淳 先生

目次
項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

釧路三慈会病院は、広大な北海道の中でも道東地区の医療を担う病院のひとつとして日々の診療に尽力されています。1次産業に従事する方の多い釧路医療圏で、整形外科と循環器内科、ペインクリニック外科で地域医療を支えていく釧路三慈会病院について、院長の西池淳先生にお話を伺いました。

釧路三慈会病院がこの釧路の地に開院したのは2009年のことです。当時は、釧路市の医師不足が顕在化し、前身にあたる医師会病院の存続が難しくなっていました。医師会病院の存続をどのような形で行うか検討した結果、私の父が釧路三慈会病院として新たに開院することで、地域の医療を守っていくことを選択しました。

開院当初は、整形外科と循環器内科を主体として治療を提供していました。2018年11月現在は、整形外科と循環器内科に加えペインクリニック外科を開設し、手術後の痛みの緩和や慢性疼痛などに対してのさまざまな治療を提供できるようになっています。

 

釧路三慈会病院外観(釧路三慈会病院よりご提供)

当院が位置する釧路市は道東地区の医療の拠点とされています。そのため、患者さんの中には根室市や羅臼町など、釧路市から100キロ以上離れた地域から、長時間の移動をして通院してくれている方もいます。仮に釧路市内での医療提供が難しくなれば、地域の患者さんは300キロ以上離れた札幌市などの基幹病院へ向かうことになります。

道東地区に位置する病院として、整形外科や循環器内科、ペインクリニック外科で地域に根差した医療提供をしていきたいと考えています。地域には、自宅から医療機関までが遠いことや、ご家族の付き添いが難しいことから、まだ診断を受けていない患者さんも多くいるのではないかと予想しています。地域に密着した医療を提供することで、そういった患者さんに対して治療を受けていただく機会が増えていくことを目指しています。

 

手術中の西池淳院長(釧路三慈会病院よりご提供)

当院では、整形外科、循環器内科、ペインクリニック外科でそれぞれ得意分野をいかした治療を提供しています。開院当初から開設している循環器内科では、カテーテル治療を主に行い、狭心症不整脈など循環器疾患の治療にあたっています。また、循環器内科の医師は内科全般の治療に携わってきた経験もあり、循環器分野だけでなく内科疾患に対しても幅広く対応してくれています。

整形外科とペインクリニック外科について、以下でご紹介いたします。

骨折脱臼、靭帯損傷などの外傷や、加齢などを原因とする変性疾患に対して治療を行っています。膝の変性疾患に関しては人工関節置換術やヒト(自己)軟骨由来組織を用いた治療を行い、患者さんの求めるニーズに可能な限り応えていけるように努めています。

当院の位置する釧路医療圏は1次産業に就いている方が多く、ご高齢になっても農業や漁業、酪農などに従事されている方が多くいらっしゃいます。そのため、長く働くことを望まれ、85歳以上でも膝の人工関節置換術をご希望される患者さんも少なくありません。地域に根差した病院となるために、また、患者さんのニーズに応えられるように患者さんの体の状態を十分考慮したうえで可能な限り人工関節置換術を実施しています。

2018年8月現在では、患者さんの状態にあわせて、靭帯温存型人工膝関節置換術を行います。以下では、当院で提供している靭帯温存型人工膝関節手術について簡単にご紹介いたします。

 

西池修先生が執刀する靭帯温存型人工関節置換術─見学コース(釧路三慈会病院よりご提供)

当院では前後の十字靭帯を温存し、より解剖学的に近い形状の人工膝関節(BCR-TKA)を、道内で初めて提供しています。全ての靭帯を温存して、悪くなった軟骨の部分のみを置換し、患者さん本来の膝の感覚と動きを取り戻す事で、術後の満足度向上にもつながる新たな治療法です。この術式の実施には高度な技術を要するため、国内での実施施設はまだ少なく、当院には国内外から多くの医師が技術の習得に訪れています。全ての患者さんに対して行えるものではないですが、軟骨が減っていても靭帯が正常に機能している場合には、今までの人工関節にない、より正常に近い膝に戻すことが可能です。

 

大阪にて開催された医師向けセミナーの様子(釧路三慈会病院よりご提供)

当院で実施する手術では、麻酔科医師(注)が患者さんの全身管理を行ってくれているほかに、ペインクリニック外科として外来を担当してくれています。

当科では、手術をした後も痛みが残っている方や、腰が長期間痛み、日常生活に支障をきたしてしまっている方に対して痛みをやわらげる治療を行っています。地域の皆さまには、痛みをとる外来としてご説明しています。

そのため、ペインクリニック外科では服薬治療や神経ブロックを行っています。しかし、中にはこれらの治療でも痛みがやわらがないこともあります。そういった患者さんに対しては、脊髄刺激療法(SCS)を提供しています。

麻酔科標榜医…西池 聡 (麻酔科部長)

 

西池聡先生が執刀するSCS手術─見学コース(釧路三慈会病院よりご提供)

脊髄刺激療法は、脊髄に微弱な電気刺激を流すことにより慢性の痛みを和らげる治療法で、手、足、腰、背中などの部分的な痛みや、3カ月以上痛みが継続し薬物療法などで難渋する慢性難治性疼痛の人に有効とされる治療法として注目を集めています。脊髄に微弱な電気が流れることで得られる刺激が痛みのある部分に重なることで痛みを和らげられ、日常生活の活動の幅を広げることができます。痛みには体の異常事態を教えてくれる大切な働きがありますが「不必要な痛み」もあります。痛みが続く場合は、お気軽にご相談ください。痛みがどんなタイプかを診断し適切な治療法を見つけ痛みを解消できるよう努めます。

地域の皆さまには、何か困ったことがあったらお気軽に相談していただければと思います。間違った情報をご自身の中で昇華してしまい、治療が遅れてしまうこともあるからです。当院は、地域の皆さまが適切な医療を受けることができるように医療情報の発信もしています。地域に根差し、この道東地区で専門的な治療を提供する病院となれるように、今後も尽力してまいります。

また、教育施設としての一面を持つ当院では、毎年へき地医療の研修に来る船橋市立医療センターの研修医の指導にも力を入れています。さらに、各地から多くの医師が靭帯温存型人工膝関節置換術や脊髄刺激療法(SCS)の手術見学を目的として来院してくれています。医師の自己研鑽を重ねる施設としても、力を入れています。

 

2018年11月に開催された痛み治療の市民公開講座の様子(釧路三慈会病院よりご提供)
受診について相談する
「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。

    「受診について相談する」とは?

    まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
    現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

    • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
    • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。