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肺がんの放射線療法の適応と起こり得る副作用・合併症について

肺がんの放射線療法の適応と起こり得る副作用・合併症について
メディカルノート編集部 [医師監修]

メディカルノート編集部 [医師監修]

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肺がんの放射線療法は、で根治を目指すことのできる治療法の1つです。本記事では肺がんに対する放射線療法の適応と、放射線療法で起こり得る副作用・合併症について解説します。

放射線療法は、照射の程度と治療目的により根治照射と緩和照射の2種類に大きく分かれます。根治照射とは、標準手術*ができない場合の代用手段として、がんの根治を目的に行われる照射です。進行がんの患者さんに薬物療法と併用して照射する場合や、手術前後に照射する場合もあります。一方、緩和照射は、骨転移による痛みや脳転移による意識障害などの苦痛を伴う症状を予防・緩和する目的で行われます。

*当疾患を扱う医学会内で編成された委員会の検討を経てエビデンスが証明された、第一選択としてもっとも推奨される治療法のこと。

放射線療法では体に放射線をあてるため、皮膚や内臓にやけどのような症状がみられる場合があります。副作用や合併症として主にみられる症状は、皮膚炎食道炎・放射線肺臓炎などです。

照射した部分の皮膚が赤く変色します。皮膚症状は治療終了後2週間~1か月前後で軽快しますが、色素沈着がみられることもあります。

食道粘膜が障害され、食事の際に痛みや喉のつかえを感じます。照射終了後に自然治癒するため、通常は食道炎が起きた場合でも粘膜保護薬を処方して経過観察をしながら照射を続けます。炎症がひどく液体の嚥下も困難になった場合は、放射線治療を一時休止します。

放射線肺臓炎は多くの場合、治療終了後から半年くらいまでの間に起こる遅発性の合併症で、肺機能の低下や呼吸困難、咳といった症状がみられます。中でも放射線を直接照射した部分以外にも肺臓炎が広がるほど重篤な場合は、入院治療が必要です。

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