院長インタビュー

消化器疾患に注力した診療体制の構築を図る広島記念病院

消化器疾患に注力した診療体制の構築を図る広島記念病院
宮本 勝也 先生

国家公務員共済組合連合会 広島記念病院 院長

宮本 勝也 先生

目次
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この記事の最終更新は2019年04月17日です。

国家公務員共済組合連合会 広島記念病院(以下、広島記念病院)は、広島県広島市の中区に位置しています。同院は、地域の医療機関や介護・福祉施設などと深い連携を図りながら、地域完結型の医療を目指しています。「地域の方が困ったときに頼っていただける病院」をモットーに地域のニーズに応えられるよう尽力する、広島記念病院病院長の宮本勝也先生にお話を伺いました。

広島記念病院の外観
広島記念病院の外観

当院は、第二次世界大戦後、満州からの帰国者などを対象に診療する病院として、1947年に開院しました。当初は国家公務員のための医療を提供する病院でしたが、1961年に国から総合病院の許可を得て、地域の方々のための病院として生まれ変わりました。その頃から、地域に根ざした病院として、地域に貢献できる医療の提供に努めています。

近年の日本では、高齢者が住み慣れた地域で自分らしい生活を送れるように地域全体で支え合う「地域包括ケアシステム」という考え方が重要視されています。その地域包括ケアシステムの一役を担うために、2015年に地域包括ケア病棟を開設しました。その後、当院の中でも特に注力している消化器疾患に対して、2016年に消化器センターを設立しました。当院は、時代に合わせた地域のニーズにお応えし、地域の方々や患者さんに信頼していただける医療の提供を目指しています。

消化器センターでは、内科や外科などの各診療科の垣根を超えて、消化器の臓器および病気別の診療を行っています。消化器の臓器を、食道、胃、大腸、肛門、肝臓・胆道・すい臓、その他の6つの臓器ごとに分類し、それぞれの臓器・病気に関する知識と技術を習得した医師が、質の高い医療を目指しています。食道がん胃がん大腸がん・すい臓がんなどの悪性腫瘍から、胆のう結石や逆流性食道炎、急性肝炎などの一般的な消化器疾患にも対応しています。

消化器センターには、日本消化器外科学会や日本消化器病学会により専門医や指導医と認定された医師が在籍しており、患者さん一人ひとりに適した治療を提案しています。

腹腔鏡手術の様子
腹腔鏡手術の様子

当院では中規模病院としての特色を活かした、フレキシブルな診療を提供しています。

中規模病院だからこそ展開できる取り組みとして、一人ひとりに適した治療の選択と、初回の診療から手術までを約2週間程度の期間で行える診療体制を整えています。内視鏡を使用した検査やCT検査が必要な場合は、初回の診療時にそのまま検査を受けていただくことも可能です。検査結果についても、可能な限り早くお渡しすることを心がけています。

当院では、スピーディーな対応とともに、患者さんに適した医療の提供も心がけています。消化器センターでは、治療予定の患者さんの診断や治療方針に対して、それぞれの専門領域を持つ医師たちが集まり、消化器センター全体の合同カンファレンスを行っています。それぞれに専門領域を持つ医師たちが意見交換し、患者さんにとって最適な医療とはなにかを議論します。合同カンファレンスは、医師にとって専門領域外の診断アプローチや治療について学ぶ機会にもなり、消化器センター全体のレベル向上につながっています。

リハビリテーション室の様子

リハビリテーション室の様子

当院では、手術に伴う合併症を予防し、後遺症を最小限に抑え、スムーズな術後の回復を図ることを目的としたリハビリテーションを手術翌日から、また必要な場合は手術前から実施しています。また、患者さんの体への負担を減らすことを第一に考え、開腹を行う手術に比べて負担の少ない腹腔鏡手術を取り入れています。患者さんの体への負担が少ないことにより、手術後は早い段階からリハビリテーションを開始できるため、可能な限り早く日常生活に戻ることにもつながります。また、合併症の予防にもつながります。

患者さんのより早い社会復帰を目指して、患者さんやご家族に「笑顔」で「うれしい」と喜んでいただけるリハビリテーションを提供したいと考えています。

当院では、地域の方々の高齢化や地域の医療ニーズに応えるため、日本リハビリテーション医学会から認定されているリハビリテーション科の専門医の採用と総合診療医の充実を図る必要性を感じています。

当院のリハビリテーション科では、理学療法士や作業療法士などのスタッフと密に連携が取れるリハビリテーション科の専門医を配置することが、患者さんの早期回復につながると考えています。また、高齢化の影響により、肺炎尿路感染症などの病気の患者さんや、複数の病気を併せ持つ患者さんが増えることが予想されます。そのため、内科では総合診療医を増やすことが重要だと考えています。

当院は、地域医療に貢献できることは何かということを常に考えて、実践しています。2009年には、地域の医療機関や介護・福祉サービスなどとの連携を密に取ってきたことが認められ、地域医療支援病院として承認されました。また、2015年には地域包括ケア病棟を開設し、退院後の患者さんの療養支援や在宅患者さんの再入院などのサポートを行ってきました。そして、かかりつけ医の先生とともに、地域のニーズである在宅医療に力を注いでいます。これからも、地域に根ざした病院となることを目指して、地域包括ケアシステムの一翼を担っていきたいと思います。

総合案内の様子
総合案内の様子

当院は、地域の皆さんや患者さんに困ったことがあったときに、頼っていただける病院を目指しています。そのために、これからも地域のニーズに耳を傾け、受診してよかったと言ってもらえるような医療が提供できるように努めてまいります。また、地域の方へ向けた市民公開講座などにも積極的に取り組んでいきたいと思いますので、お時間の許す場合には、ぜひ講座へ足を運んでみてください。

当院では、これからも地域の皆さんから信頼していただける病院を目指すと共に、地域に根ざした地域完結型医療を提供していきます。

若手の医師の皆さんには、医師を目指し始めたころの志を成し遂げることができるように、精力的に頑張ってほしいと思います。

以前、私は尊敬している先生から「自分の患者さんのことは、自分の親だと思って診なさい」と教えていただいたことがあります。私は、その言葉を座右の銘として、日々診療に励んできました。若手の医師の皆さんも自分なりのポリシーを持って励んでください。

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