医療法人社団武蔵野会 新座志木中央総合病院(以下、新座志木中央総合病院)は、埼玉県新座市に構える総合病院です。
同院では、救急医療をはじめ、地域完結型医療の提供を目指し、診療内容の充実や連携体制の強化に取り組んでいます。また、医師教育にも尽力し、地域医療の拡充にも力を入れています。
地域の方のニーズに応える医療提供を目指す同院の取り組みについて、院長である林淳慈先生にお話を伺いました。
当院は、1967年に志木中央病院として開設され、1981年には現在の病院名である新座志木中央総合病院に改称しました。その後、増床や診療科の拡充を経たことで、地域の中核を担う病院となりました。
また当院は戸田中央医科グループ(TMG:Toda Medical Group)として、地域連携や大学病院との連携にも力を入れています。地域の医療機関との連携強化によって、住み慣れた地域で、地域の方が求める医療を受けることができる地域づくりに邁進いたします。
循環器内科は、心筋梗塞や狭心症など緊急性の高い病気が多くみられます。そこで循環器内科では、心臓カテーテル治療に力を入れています。
心臓カテーテル治療は、カテーテルを用いて、狭くなっている心臓の血管を広げることで血流を改善する治療です。心臓カテーテル治療は、手首や足の付け根からカテーテルを挿入する治療です。このため、治療による痛みが少なく患者さんの体の負担を減らすことが可能です。
循環器内科では、地域の方の幅広い緊急の症状に対応するために、スタッフ一人ひとりが技術を磨いてまいります。
呼吸器外科の強みのひとつに、外科的手術、胸腔鏡手術、レーザー治療など、多岐にわたる肺がん治療を提供していることが挙げられます。
呼吸器外科で特に力を入れているのが、早期の肺がんに対する胸腔鏡手術です。胸腔鏡手術は皮膚の切開部が小さいため、開胸手術に比べて痛みや出血を軽減することができます。これらのことから、胸腔鏡手術は患者さんの早期回復が望める治療といえます。
呼吸器外科では、患者さんの早期回復を目指し、患者さんの体の負担の少ない治療を提供していきます。
当院は、人工関節手術と関節リウマチなど関節疾患の診療に特化した人工関節リウマチセンターを設置しています。
人工関節リウマチセンターでの人工関節手術の特徴は、手術からリハビリテーションまで一貫して患者さんをサポートする点です。また、合併症を持つ患者さんに対しては、各診療科と連携体制を取り、チーム医療で治療を行っています。
関節リウマチの治療においても、膠原病・アレルギー内科と整形外科が連携しており、薬物治療から手術まで当センターで行うことが可能です。
2019年4月に、胃・大腸などの消化管や、肝臓・胆のう・すい臓などの消化器の治療を幅広く行えるように、大学病院から医師を4名派遣していただきました。
これによって、大腸がんなどの内視鏡的切除などの患者さんへの体の負担を軽減する低侵襲治療や、肝動脈化学塞栓療法などの医師の高い技術が求められる治療を積極的に行える体制となりました。
救急医療は、命に直結する緊急の症状を扱うため、迅速で適切な治療が求められます。当院は、二次救急医療機関として、夜間と休日の救急診療を行っています。「断らない救急」をモットーに、救急医療体制の整備に努めています。
内科、循環器内科、脳神経外科、整形外科、外科では、平日・土日問わず患者さんを受け入れられるよう、当直体制を整備しています(2019年5月時点)。今後は、小児科も同様の当直体制を整備していきたいと考えています。
当院は、戸田中央医科グループ(TMG)に所属する病院のひとつです。TMGは、医療・介護・福祉などさまざまな側面から地域の方を支えるために、戸田中央総合病院を中心に医療機関や介護施設によって構成されています。
地域の方が望まれる生き方をサポートすることが、TMGの使命です。グループの複数の医療機関や介護施設などと連携を取ることで、地域の方が持つ医療に対する多様なニーズに切れ目なく応えていきます。
当院は、大学病院との連携体制を取ることによって、地域の方が求める医療にたどり着くことができる病院を目指しています。
その一例として、ハイリスクリウマチ膠原病ネットワークに参加しています。このネットワークの目的は、埼玉県南部と東京都のリウマチをはじめとする膠原病が専門の医師が、情報共有や病診連携を行うことです。
リウマチを含め膠原病は、免疫異常による全身の病気であるため、悪化してしまうと合併症を引き起こす場合があります。当院では、合併症を有するリウマチ患者さんに対しては、ハイリスクリウマチ膠原病ネットワークを通じて、大学病院などに引き継いで治療を行います。
これにより、当院での治療が難しい患者さんに関してもスムーズに引き継ぐことが可能になっています。大学病院で治療を行い症状が落ち着いた患者さんに関しては、当院で診療を引き継ぐ体制が整えられています。
当院は、積極的に地域のクリニックの先生方と連携を取っており、役割分担を行っています。入院が必要な患者さんは当院へ紹介していただき、退院後はクリニックの先生方に逆紹介することを基本としています。
また、所属医師会や行政の仕事も一部担わせていただき、地域医療の中核となれるよう今後も広く展開してまいります。
当院は戸田中央医科グループに所属し、さらに地域の医療機関とも緊密な連携体制を取っています。加えて、大学病院との連携も積極的に行っています。具体的には、先ほど紹介したハイリスクリウマチ膠原病ネットワークを介した連携のほか、整形外科、呼吸器外科、外科、脳神経外科、消化器内科、循環器内科、皮膚科において大学病院と医師の派遣を含めた連携体制を取っています。このようないくつもの連携体制によって、当院では多くの医師から知識や技術を学び、研究に活かすことができます。
若手医師の皆さんには、たくさんの可能性があります。若手医師の皆さんには、ご自身が取り組みたい課題を見つけて研究し続ける熱意を持ち続けていただきたいです。
当院は、皆さんが研究や仕事に取り組みやすい環境を整備して全力でサポートしてきます。
医師が成長し続けるためには、経験にばかり頼るような医療を行うことは患者さんに対してだけでなく、医師にとってもよいことではありません。若手医師の皆さんは、新たな知識や技術に対するアンテナを常に張り、情報を取り入れ続けることによって、日夜進歩する医療の現場で活躍する医師となってください。
地域の皆さんが安心して生活できる地域をつくることが、当院の使命であると考えています。そこで当院は、地域の皆さんの医療ニーズにお応えしていくために、診療内容の充実や、戸田中央医科グループ内および地域の医療機関、さらには大学病院との緊密な医療連携を実践しています。
また、地域の皆さんに向けた医療情報の発信にも積極的に取り組んでいます。当院では、定期的に市民公開講座を開催し、医師をはじめさまざまな職種の医療スタッフが講師を務め身近な病気について情報発信をしています。
これからも、当院は地域の皆さんが住み慣れた地域で医療を受けることができる、地域完結型医療の実現に尽力いたします。
昭和大学藤が丘病院 整形外科 兼任講師、新座志木中央総合病院 院長/人工関節・リウマチセンター長
昭和大学藤が丘病院 整形外科 兼任講師、新座志木中央総合病院 院長/人工関節・リウマチセンター長
日本整形外科学会 整形外科専門医・認定リウマチ医・認定脊椎脊髄病医・指導医日本リウマチ学会 リウマチ指導医・リウマチ専門医 ICD制度協議会 インフェクションコントロールドクター日本骨折治療学会 会員日本脊椎脊髄病学会 会員日本人工関節学会 認定医
1986年より整形外科医師としてキャリアをはじめる。1999年には医療法人社団武蔵野会新座志木中央総合病院整形外科部長、昭和大学藤が丘病院兼任講師に就任。2003年には、医療法人社団武蔵野会 新座志木中央総合病院副院長と人工関節リウマチセンター長を兼任し、2013年から同院の病院長を務める。
整形外科医師として第一線に立ち続けるだけでなく、地域完結型医療の実現を目指し医療連携にも尽力している。
林 淳慈 先生の所属医療機関
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。