院長インタビュー

包括的医療を担い、メディカル・エコタウンの創出を目指す土浦協同病院

包括的医療を担い、メディカル・エコタウンの創出を目指す土浦協同病院
酒井 義法 先生

総合病院 土浦協同病院 病院長

酒井 義法 先生

目次
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茨城県厚生農業協同組合連合会 総合病院 土浦協同病院(以下、土浦協同病院)は、茨城県土浦市の東側、かすみがうら市との市境付近に位置する総合病院です。きめ細やかな診療に加えて、市民交流広場や展望レストラン、コーヒーショップなどを院内に備え、病院を中心とした街“メディカル・エコタウン”を目指しています。地域に根ざした病院として、各科で行われる患者さんに寄り添った医療や、近隣の医療施設などと連携を図りながら構築する包括的地域医療について、院長の酒井 義法(さかい よしのり)先生にお話を伺いました。

土浦協同病院外観
土浦協同病院外観

当院は1948年に新治協同病院として開院し、70年余り地域の方々と歩んでまいりました。1971年に総合病院 土浦協同病院に改称し、2016年には1970年の拡充整備移転以来46年ぶりに現在のおおつ野地区へと新築移転しました。

X線透視装置を備えたアンギオハイブリッド手術室、磁気による透視装置を配したMRIハイブリッド手術室、放射線治療機器リニアックなどを導入し、患者さんのケースごとに即した施術が行われています。

ハイブリッド手術室
ハイブリッド手術室

建物の最上階に眺望のよいレストラン、2階には講堂、敷地内には職員専用の附属保育所を備えるなど、地域と一体化し開かれた病院を目指しています。また、講堂は災害時に患者さんを受け入れる医療の現場となります。

屋上レストラン
屋上レストラン

さらに新病院では、太陽光発電をはじめとして省エネルギーと創エネルギーの手法を多数採用し、環境に優しく経済的な設備を実現しています。医療拠点のみならず、雇用促進による経済の活性化、エコロジーを兼ね備えた“メディカル・エコタウン”(医療環境経済都市)の創出を追求してまいります。

土浦協同病院・正面図
土浦協同病院・正面図
ヘリポート
ヘリポート

当院は、1990年に救命救急センターを開設しました。センター内には救急外来のほかに救急集中治療室、一般集中治療室、脳卒中集中治療室、冠疾患集中治療室を備え、一次救急から三次救急までの救急患者さんに対応しています。搬送するより早く医師による現場での適切な処置ができるよう、ドクターカーを整備。2016年にはヘリポートが新設され、ドクターヘリによる救急患者の受け入れも可能となりました。当院は茨城県の地域災害拠点病院に指定されており、ヘリポートは自衛隊機の離発着も可能です。24時間365日稼働する同センターは、災害時にも医療拠点となる役割を果たします。

当院は国から地域がん診療連携拠点病院に、県から地域がんセンターに指定され、がん診療はもちろんのこと、がん患者さんへのサポートにも注力しています。日本がん治療認定医機構が認めるがん治療認定医など、がんを専門に治療する医師たちが協議し、がん診療ガイドラインなどに準拠しつつ個々の患者さんに適した治療法を提供していきます。緩和ケア病棟が屋上庭園と隣接していたり、お悩み相談窓口としてがん相談支援センターを設けたりと、がん患者さんの不安を和らげるお手伝いもしています。

2005年に総合周産期母子医療センターに指定された当院は、県南地域および鹿行地域において、切迫早産妊娠高血圧症候群、合併症の発現などハイリスクな状態にある妊婦さんの集中管理や治療を行います。母子共に負担の少ない分娩を目指し、緊急で帝王切開が必要な場合は麻酔科医の管理下で手術を実施します。緊急時のさまざまなケースに対応できるよう、センターのある5階は分娩室とMFICU(母体胎児集中治療室)が隣接し、さらに手術室や救急外来ともエレベーターで直結させるなど、機能的な配置がなされています。

患者さんとご家族の方が期待と不安の入り混じった気持ちを抱える妊娠、出産そして育児について、いつでも適切なサポートができるよう心がけております。

MFICU内の様子
MFICU内の様子

当院では患者サポートセンターを中心に、看護部や薬剤部などの各部門が横断的に連携して「病気の経過が分かりづらい」「治療費が不安」などといった患者さんのさまざまなお悩みの解消に努めます。病床管理を細かく行うことでスムーズな入退院が可能になり、就労支援の相談窓口などの設置により退院後のサポートもいたします。急性期を中心に診療する当院は、治療を終えた患者さんを地域の活動に復帰させることが課題であり、ケアマネジャーとの連携窓口を担うなど、今後も課題解消に必要なサービスを強化してまいります。

当院では、地域連携の推進のため地域医療連携室を設置しました。ほかの医療機関を積極的に訪問し“顔の見える連携”を強化するほか、医師会の集まりにも多数参加しています。2018年には茨城県より地域医療支援病院の指定を受け、今後も地域の方々が充実した医療と保健、福祉を享受し、健康を維持・増進できる環境を整えていきたいと思います。

当院は茨城県地域リハビリテーション 広域支援センター、小児リハ・ ステーションに指定され、ほかの医療看護施設と連携をとりながら、身体機能回復、社会復帰を目的とした総合的なリハビリテーションを提供しています。2016年の新築移転に伴い、ロボットスーツHALや三次元動作解析を導入するなど設備の拡充を図り、スタッフも60名以上に増員しました(2020年2月時点)。院内には、屋上庭園やリハビリパークなど自然散策できるスペースも設置しているので、患者さんやご家族の憩いの場としてご活用ください。

リハビリテーションの様子
リハビリテーションの様子

酒井先生

当院のスタッフは、課題に対して一丸となって取り組む強い意識を持ち、チーム医療を実践しています。充実した医療設備で幅広い病態に応じた医療提供と、救急や災害対応からリハビリや退院後支援まで担う地域医療を経験してもらえればと思います。

おおつ野地区に建つ土浦協同病院
おおつ野地区に建つ土浦協同病院

“メディカル・エコタウン”の中心に建ち、地域の方々が笑顔で集うことのできる病院を目指してまいります。地域医療を担う病院として包括的地域医療を実践し、基本理念のひとつである「総合病院として、あらゆる患者の希望に応える総合的かつ全人的医療を常に実践します」を遂行してまいりますので、病気に関わる不安や問題について気軽にご相談ください。

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