日本医科大学多摩永山病院は東京都西部の多摩市にある、1977年に開設された医科大学附属の病院です。病床数405床、診療科24科を有し、救命救急センターを持つ三次救急病院であるほか高度急性期や災害時の活動拠点としての機能も有す、南多摩地域における拠点的な病院です。
また、当院は東京都がん拠点病院としても指定されており、がん治療の三本柱を中心とした総合的な医療を提供しています。
近年広がってきたロボット支援下手術においても、当院ではハイエンド機種のダビンチXiを採用しており、泌尿器科、消化器外科において治療が開始しています。
例えば前立腺がんのような体の深いところで行う手術では、ロボットの支援により自由度が高い施術が可能になり、侵襲性が少なく手術時間の短縮や合併症の減少につながることが多くなりました。体への負担が軽いと早期の社会復帰も可能となるため、患者さんにとってもメリットが大きいと考えています。
私自身は専門が食道でこの分野を専攻する医師が少ないのもあり、この南多摩地域で食道のロボット支援下手術をする病院は多くないのですが、当院がそこをカバーできるのも強みといえます。
他にも設備面では、2023年4月に血管造影室が増室されたことによりさらに多くのカテーテル治療が行える体制となりました。
また、特徴的な診療科のご紹介としては、呼吸器・腫瘍内科の部長である廣瀬敬先生が地域の先生方と連携をとり多くの患者さんを集めています。乳腺科では部長の柳原恵先生が大変パワフルな女性で、意欲的な診療をしていて驚かされています。柳原先生は女性ということもあり、女性の患者さんも安心して来院いただけるのではないでしょうか。
当院の強みの1つとして、専門分野の技術認定医が多いということがあげられます。専門医になるには認定された施設での研修が必要ですが、当院は専門医研修施設として複数認定を得ており、各分野の専門医・指導医が多く在籍しています。
また、当院は総合病院として幅広い分野の診療科を有しているため、その特性を生かし診療科同士で連携をしながら総合的に高度な医療を提供することが可能です。人の体は複雑であり、がんなどで長期間の治療の間にも他の病気が併発しておこることがありますが、そのような時でも当院の多彩な診療科で対応することが可能です。病気や治療で心身ともにつらい中アクセスしやすい病院で高度な治療が受けられることは、移動時間や経済面、ご家族の負担の面でも軽減となるでしょう。
当院は大学附属ということもあり、“愛と研究心を有する質の高い医師と医学者の育成”という教育理念のもと研究面にも力を入れています。
最近取り組んだ特徴的なものでは、多摩市の“多摩市健幸プロジェクト”の一環で行った地域密着型の臨床研究があります。この研究では多摩市医師会と当院の循環器内科と腎臓内科が連携し、多摩市内で研究参加に同意していただいた方の健康診断データを使って行いました。
多摩市という地域を限定した貴重なデータを活用し、結果はすでに論文などで発表しています。当院の循環器内科部長である小谷英太郎先生らが心房細動の発症に関する研究を、また腎臓内科の部長である金子朋広先生らは慢性腎臓病に関する研究を発表しました。この研究結果は保健指導などにも生かされ、目に見える形で地域に成果を還元できたよい取り組みだったと感じています。
そのほか、がん領域や呼吸器内科、循環器内科などの診療科でも他施設共同をはじめとした研究に積極的に取り組んでいます。
当院は地域に根付いた医療機関でありたいと思い、住民の方との交流を大切に考えています。
その中で、皆様がご自身の健康についてより知っていただく機会になればと、当院はがん市民公開講座と一般的な医療の公開講座を定期的に開催しています。最近行ったがん市民公開講座では主にロボット支援手術について、また一般の公開講座では脳梗塞の予防、骨粗しょう症やひざの痛みについて、詳しくお話をしました。診察室の外で直接お話することで、当院をより知っていただける場になればと考えています。
他にも最近行ったユニークな取り組みでは、院内にアートギャラリーを作るプロジェクトがあり、桜が見える場所であることから“さくらギャラリー”と名付けました。
私が近隣の多摩美術大学に連絡を取ってアートのコラボレーションを打診し、学生さんたちが約1年かけて院内で素敵な作品を制作してくださいました。また、形成外科部長の藪野 雄大医師のご家族が美術関係の方で、このプロジェクトにご賛同いただきたくさんの美しい絵を寄贈してくださいました。
また、敷地に庭を作る計画では近隣の恵泉女学園大学園芸療法科と共同で行いました。こちらの学科は園芸を高次機能障害の方のリハビリテーションとした活動を行っているということで、理念が医療にも親和性が高いと感じお願いをしました。できあがった庭は美しいだけでなく車いすのままでも入っていけるようなバリアフリーなものとなりました。
多くの方のお力により当院のプロジェクトを成し遂げることができて、大変うれしく思っています。このような取り組みが、病気と闘う患者さんやご家族、また地域住民の方にとって癒しの空間になればと願っています。
当院は、地域の方にとってよりよい医療が提供できるよう日々努力しています。住民の方が安心して治療できるために地域の中では医療機関ごとに役割があります。急性期や高度な医療が必要となったときに当院がその役割を務め、治療後に状態が落ち着いたら、ケアに特化したお近くの医療機関の先生にバトンタッチして日々のこまめなケアをしていただく、そしてまた何か当院の力が必要となった際はお越しいただく。当院はそういった地域の輪の1つとして質の高い医療を提供できるよう、スタッフ一同力を尽くしてまいります。
日本医科大学多摩永山病院 院長、消化器外科 部長・教授
日本医科大学多摩永山病院 院長、消化器外科 部長・教授
日本外科学会 専門医・指導医・代議員日本消化器外科学会 消化器外科専門医・消化器外科指導医・消化器がん外科治療認定医日本消化器病学会 消化器病専門医・消化器病指導医日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医・本部評議員・関東支部 評議員日本臨床外科学会 評議員日本食道学会 食道外科専門医・食道科認定医日本消化管学会 胃腸科認定医・胃腸科専門医・胃腸科指導医日本内視鏡外科学会 評議員日本癌学会 会員日本癌治療学会 会員日本消化器癌発生学会 会員日本胸部外科学会 会員日本肝胆膵外科学会 会員日本門脈圧亢進症学会 会員米国癌学会(AACR) active member米国消化器外科学会(SSAT) Active Member米国内視鏡外科学会(SAGES) international member国際食道疾患会議(ISDE) Active MemberAnnals of Esophagus(AOE) Editorial Board Member
牧野 浩司 先生の所属医療機関
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