治療
現れている症状に対する対症療法が行われます。発熱やのどの痛みに対しては、解熱鎮痛剤が使用されることがあります。子どもの場合、成人で広く使用される非ステロイド性消炎鎮痛剤は使用されず、非ピリン系解熱鎮痛薬に分類される薬剤が主に使用されます。また、鼻水や鼻詰まり、咳等に対しても治療薬が処方されることがあります。ただし、眠気などの副作用を伴うこともあるため、使用については慎重に判断することが大切です。
インフルエンザの場合は、抗インフルエンザ薬が使用されることもあります。かぜ症状(鼻水、咳、のどの痛み)のみがみられるケースでは必ずしも使用する必要はありませんが、インフルエンザが重篤化した肺炎や脳症などでは、積極的に使用されます。
細菌合併症に対する治療
細菌の合併感染が疑われる場合には、抗生物質が使用されることがあります。症状や経過、菌の培養結果などから抗生物質の種類が決定されます。 小児における細菌合併症の原因は、肺炎球菌やインフルエンザ菌が多く、ペニシリン系やセフェム系と呼ばれる抗生物質が選択されることが多いです。
その他、原因ウイルスごとに特別な治療や予防方法がとられることもあります。たとえば 心臓や肺に持病がある早産児などを対象に、RSウイルス感染を予防するための注射が行われることがあります。通常の予防接種と異なり、数回の接種で免疫が得られるというものではなく、毎月一回、RSウイルスが流行する冬場に接種を繰り返す必要があります。
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