かぜ こども

かぜ(こども)

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

かぜとは、鼻やのどなどの上気道にウイルスが感染することで起こる病気です。主な症状には、鼻水や鼻詰まり、咳、喉の痛みがあります。

保育園や幼稚園などの集団生活では、ウイルスにさらされる機会も増えます。そのため、幼児期の子どもは年に何度もかぜをひくことがあります。年齢を経るにつれて免疫力が備わり、かぜにかかることは少なくなります。

原因

感染経路

かぜはウイルス性疾患であり、原因となるウイルスの種類は多様です。多くのウイルスが、飛沫感染や接触感染で周囲に広がります。飛沫感染とは、咳やくしゃみによって飛んだつばなどに含まれる病原体を吸い込むことです。

原因ウイルス

原因となる頻度が高いウイルスは「ライノウイルス」です。春と秋に流行しやすく、ほとんどの場合、自然に治ります。ライノウイルスは成人のかぜの原因としても知られています。続いて多い原因ウイルスは「コロナウイルス」で、冬に流行する傾向があります。

その他、インフルエンザやRSウイルス、パラインフルエンザウイルス、ヒトメタニューモウイルスなど、数多くの原因ウイルスがあります。乳児がRSウイルスや、パラインフルエンザウイルス、ヒトメタニューモウイルスに感染したときには重症化することもあるため注意が必要です。

症状

上気道(鼻やのどなど)に炎症を引き起こされ、鼻水、鼻詰まり、咳、のどの痛みといった症状が現れます。原因ウイルスによって症状が現れる頻度には差があります。子どもが感染した場合、鼻やのどといった上気道だけでなく、気管支を含めた下気道まで症状が広がりやすいウイルスもあります。

オットセイの鳴き声のような咳

たとえば、コロナウイルスやパラインフルエンザウイルスに感染すると、クループ症候群という病気が引き起こされることもあります。クループ症候群の典型的な症状は、オットセイが鳴いているように聞こえる特徴的な咳です。この咳は大吠様咳嗽(けんばいようがいそう)と呼ばれます。

ゼーゼーという喘鳴(ぜんめい)

また、乳児がRSウイルスや、パラインフルエンザウイルス、ヒトメタニューモウイルスに感染すると、急性気管支炎を引き起こすことがあります。急性気管支炎では、喘鳴(ぜんめい)と呼ばれる、ゼーゼーという呼吸音が現れます。RSウイルスは、冬に流行するウイルスですが、その他のウイルスはRSウイルスの流行時期と外れることもあります。そのため、1年を通して乳児に喘鳴をきたすこととなります。肺や心臓に病気をもつ子ども、早産児、1歳未満の子どもなどが感染すると、呼吸障害が強くなりやすいことも知られています。

インフルエンザウイルスが原因の場合は、急激な発熱、筋肉痛、惓怠感などの症状が現れます。

検査・診断

まず、かぜを発症するまでの経緯を明らかにすることがとても大切です。症状の出方、周囲の感染状況、既往歴(これまでにかかった病気)などからを総合的に、かぜかどうかを判定します。また、かぜらしくない症状の有無を確認し、裏に細菌感染症が隠れていないかどうかなどを判定することも大切です。たとえば、発熱期間が想定されるよりも長いなどが、かぜらしくない症状に該当します。

発症するまでの経緯からウイルスが想定される場合、ウイルスによっては迅速検査が行われることもあります。RSウイルスやヒトメタニューモウイルス、インフルエンザウイルスの可能性があるときには、鼻から採取された拭い液を利用した迅速検査が行われることもあります。

かぜが流行した場合、場所によっては原因ウイルスを特定する取り組みがなされることがあります。たとえば、免疫力が弱く重い病気を抱えた子どもが多数人院しているNICU(新生児集中治療室)で感染が流行したときには、ウイルス分離と呼ばれる方法がとられることがあります。また、細菌の合併感染が疑われる場合には培養検査が行われることもあります。細菌を特定することは、抗生物質を選択するために役立ちます。

治療

現れている症状に対する対症療法が行われます。発熱やのどの痛みに対しては、解熱鎮痛剤が使用されることがあります。子どもの場合、成人で広く使用される非ステロイド性消炎鎮痛剤は使用されず、非ピリン系解熱鎮痛薬に分類される薬剤が主に使用されます。また、鼻水や鼻詰まり、咳等に対しても治療薬が処方されることがあります。ただし、眠気などの副作用を伴うこともあるため、使用については慎重に判断することが大切です。

インフルエンザの場合は、抗インフルエンザ薬が使用されることもあります。かぜ症状(鼻水、咳、のどの痛み)のみがみられるケースでは必ずしも使用する必要はありませんが、インフルエンザが重篤化した肺炎や脳症などでは、積極的に使用されます。

細菌合併症に対する治療

細菌の合併感染が疑われる場合には、抗生物質が使用されることがあります。症状や経過、菌の培養結果などから抗生物質の種類が決定されます。 小児における細菌合併症の原因は、肺炎球菌やインフルエンザ菌が多く、ペニシリン系やセフェム系と呼ばれる抗生物質が選択されることが多いです。

その他、原因ウイルスごとに特別な治療や予防方法がとられることもあります。たとえば 心臓や肺に持病がある早産児などを対象に、RSウイルス感染を予防するための注射が行われることがあります。通常の予防接種と異なり、数回の接種で免疫が得られるというものではなく、毎月一回、RSウイルスが流行する冬場に接種を繰り返す必要があります。

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