治療
にきびは炎症の有無によって治療方法が異なります。以下では、それぞれの治療方法についてご紹介します。
炎症のないにきび
面ぽうのような炎症のないにきびでは、薬物療法や処置による改善、日頃の洗浄、保湿などスキンケアによる改善を検討します。
薬物療法としては、アダパレン、過酸化ベンゾイルといった塗り薬が検討されることが一般的です。また、面ぽうを改善する処置としては、清潔な器具で毛穴に詰まった皮脂を押し出す“面ぽう圧出療法”や、古い角質・汚れを取り除く“ケミカルピーリング”などが挙げられます。ただし、ケミカルピーリングは保険診療では行えず自費診療となります。皮膚質により刺激症状で悪化する場合もあるため、専門医の適切な判断で行われます。
日頃のスキンケアとしては、1日2回程度の洗顔を行い、化粧をしている場合には必ずよく洗い落とすようにしますが、擦り過ぎはいけません。洗顔料やクレンジング剤をしっかり洗い流すことも大切です。
また、乾燥を防ぐために保湿剤を使用するとよいでしょう。使用する洗顔料・クレンジング剤・保湿剤などに不安がある場合は“ノンコメドジェンニックテスト済み”と記載されたにきび肌用の製品の使用が推奨されます。
炎症のあるにきび
炎症のあるにきびの場合、炎症のないにきびに対する治療方法に加えて、より多様な薬物療法や手術療法も組み合わせて検討されます。
薬物療法としては、前述の治療に加えて抗菌薬(塗り薬・飲み薬)の処方が検討されることがあるほか、皮脂の分泌に関与するビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCなどの飲み薬も処方されることがあります。生理不順や生理痛がひどい場合は漢方治療、胃腸環境をよくする目的では整腸剤を使用するなど、体質を考慮した薬物の選択がなされます。
また、嚢腫や結節を伴う場合、にきび跡やケロイドが生じた場合にはステロイドの局所注射も検討されます。にきび跡やケロイドにはトラニラスト(飲み薬)や手術療法も検討されますが、実際治療は難しいため炎症を重症化しないような早期対処が望まれます。
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