クリップする
URLを入力して
記事をクリップしましょう
指定された URL のページが見つかりません
Noimage s500x350
アセトン血性嘔吐症
アセトン血性嘔吐症とは、激しい嘔吐が数時間もしくは数日間継続し、こうした嘔吐の症状を繰り返し呈する病気のことを指します。繰り返す間隔は人によってまちまちですが、1か月に何度も繰り返すこともあれば...
クリップに失敗しました
クリップ とは
記事にコメントをつけて保存することが出来ます。検索機能であとで検索しやすいキーワードをつけたり、読み返し用のメモを入れておくと便利です。
また、記事を読んで疑問に思ったこと、わからないことなどをコメントに書き、「医療チームのコメントを許可する」を選んで頂いた場合は、医師や看護師が解説をメールにてお送りする場合があります。
※ クリップ内容は外部に公開されません

アセトン血性嘔吐症あせとんけっしょうせいおうとしょう

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
掲載しました。
閉じる

概要

アセトン血性嘔吐症とは、激しい嘔吐が数時間もしくは数日間継続し、こうした嘔吐の症状を繰り返し呈する病気のことを指します。繰り返す間隔は人によってまちまちですが、1か月に何度も繰り返すこともあれば、年数回程度ということもあります。

嘔吐の症状がない間は、ほかに特別な症状はなく、日常生活にも支障はありません。別名「周期性嘔吐症」や「自家中毒」といった名前でも知られています。

アセトン血性嘔吐症は、しばしば胃腸炎や食中毒、摂食障害などと間違われることがあり、正確な診断が遅れることも多いです。以前は、幼児期から学童期にかけて(発症ピークは5歳前後)の病気の一種類と考えられていましたが、近年は大人でも発症する病気であるとの認識が広まりつつあります。

アセトン血性嘔吐症の頻度は、小児科領域では2%ほどと報告されていますが、成人においてのそれは不明です。 嘔吐の症状は非常に激しく、何度も繰り返すという性質から、本疾患を抱える患者さんにとっては嘔吐発作の度に日常生活に対して支障が出ることになります。アセトン血性嘔吐症では、早期の段階で適切に治療を施すことができないと脱水や低血糖を引き起こすこともあり、より重症化することもあります。

原因

消化管の働きは自律神経や内分泌で調節をされており、通常であれば脳からの指令により適切なタイミングで適切な消化活動が行われます。しかし、アセトン血性嘔吐症においては、脳と消化管の連絡体系に異常が生じており、嘔吐症状が引き起こされていると想定されています。

内分泌については、視床下部-下垂体-副腎系と呼ばれる経路に関与するホルモンが、アセトン血性嘔吐症では異常をきたしていると想像されています。また、アセトン血性嘔吐症を発症する方には、偏頭痛持ちの方が多いことも知られており、両者の発症の仕方に共通点があることも推定されています。

また家族歴があることもあり、この場合においては遺伝的な要因が関与することも示唆されます。さらに、ミトコンドリアの機能異常との関連性も提唱されています。

嘔吐症状をきたすきっかけには、さまざまなものがあり、感染症、精神的ストレス、食事(チョコレートなど)、月経、乗り物酔い、飢餓状態、身体の動かし過ぎなど多岐に渡ります。お子さんであれば、風邪やインフルエンザををきっかけとして、アセトン血性嘔吐症を発症することは多いです。また、不安や緊張をともなうようなイベントの前(例えば試験前や旅行、誕生日会など)に、突然嘔吐症状を呈することも多いです。

そのほか、お子さんの体内には糖分の蓄えが少なく、遊びに夢中になりご飯を食べない、もしくは胃腸炎などをきっかけとして糖分摂取が出来なかった場合などに、容易に糖分が不足します。体内の糖分が不足すると、脂肪がエネルギー源として使用されますが、これに関連して「ケトン体」と呼ばれる物質が体内で産生されます。ケトン体の一種類としてアセトンも血液中にみられるようになるため、「アセトン血性嘔吐症」の名称がついています。

症状

アセトン血性嘔吐症の症状は、吐き気や顔色不良など前兆の後に、数時間から数日持続する激しい嘔吐が特徴的です。嘔吐症状は噴水様になることも多く、胆汁や血液が少量混入することもあります。嘔吐をした後にも吐き気は持続します。

その他の消化管症状として、胃のむかつき、食欲不振、腹痛などもともなうことがあります。さらに自律神経症状として発汗や低体温、下痢、頭痛などを認めることもあります。 アセトン血性嘔吐症では、一度症状が治まった後も時間をあけて反復することも特徴です。

発作症状毎の間隔は、数日のこともあれば数か月のこともあります。人によって症状の出方は異なるのですが、個人個人を見ると、症状が出たきっかけ、嘔吐症状の強さ・持続時間などは、比較的似ることが多いです。

検査・診断

アセトン血性嘔吐症を特異的に診断できる検査はありません。診断をするには、数時間から数日持続する嘔吐症状が、半年の間に何度か認めることが必要です。また症状と症状の間は、ほかに特別な症状を呈することがないことを確認することも必要ですし、またほかの病気ではないということも求められます。

アセトン血性嘔吐症では、ケトン体が産生されていることを反映した尿・血液検査結果(ケトン尿、アシドーシスなど)を認めます。しかし、こうした検査結果はアセトン血性嘔吐症以外の代謝疾患でも認めることがあります。

また、アセトン血性嘔吐症が進行すると、低血糖をみることもあります。さらに脱水を反映した検査結果をみることもあります。

治療

アセトン血性嘔吐症の治療では、①前兆の段階での治療、②嘔吐発作時の治療、③症状がない時の治療、に大きく分けて考えることができます。 前兆段階では、吐き気や頭痛、腹痛などを感じることがあり、これらに早期介入することでその後引き続く嘔吐発作を予防することが期待できます。

そのため、吐き気止めや痛み止めが適応になります。また糖分が不足して発作が誘発されていることもあるため、糖分を摂取することが有効な場合もあります。 嘔吐発作が始まると、経口摂取がうまくいかないこともあります。胃腸炎の場合と同様に少量ずつ経口補液を行うことが必要であったり、症状が強い場合値には点滴での水分補給も必要になります。

症状が改善した時には、人によっては予防のための薬(偏頭痛やてんかんの際に用いられる薬)が適応になることもあります。また発作を引き起こすきっかけがわかることもあるため、それを避けるような生活スタイルも必要です。たとえば、夜食事を抜いたあと、翌日に発作を起こすことが多い場合には、しっかりと夕食を摂取するよう心がけることが必要です。一部の食品(例えばチョコレート)を食べることがきっかけになるときには、それを避ける努力も必要です。