インフルエンザは、日本では主に冬場に流行する急性感染症です。インフルエンザに感染し、学校や仕事を休まなければならない経験をした方もいらっしゃるのではないでしょうか。インフルエンザの発症や重症化を防ぐためには、予防接種が大切です。
本記事では、インフルエンザの予防接種の効果や受けるべき時期について解説します。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスにより引き起こされる急性感染症の1つです。インフルエンザウイルスが口や鼻などから体内に入ると、細胞に侵入し増殖していきます。
ウイルスが増殖すると、数日の潜伏期間を経てインフルエンザを発症し、発熱や喉の痛みなどの症状が現れます。また、筋肉痛や関節痛などが現れることもあります。さらに、気管支炎や肺炎などの合併症によって重症化する可能性もあるため、注意が必要です。
インフルエンザを予防するためには、流行前の予防接種が大切です。インフルエンザの予防接種では、インフルエンザワクチンが使用されます。インフルエンザには、A型やB型などいくつかのタイプがあり、毎年流行するタイプが異なります。そのため、予防接種に使用されるワクチンは、その年に流行するタイプを予測したうえでつくられます。
インフルエンザワクチンを接種すると、2週間程度で抗体(ウイルスなどの異物が体内に入り込んだとき、体から追い出すためにできる対抗物質)が完成します。この抗体の効果は、5か月程度であると考えられています。
インフルエンザの予防接種には、インフルエンザの発症を抑える効果があります。インフルエンザワクチンを接種することによって、感染したとしても発症する可能性が低くなるといわれているのです。
インフルエンザワクチンを接種したとしても、発症を完全に抑えることはできません。しかし、ワクチンを接種していれば、感染し発症したとしても軽症で済む可能性が高いことが分かっています。たとえば、肺炎や脳症など重い合併症を防ぐことができるのです。
このように、インフルエンザの予防接種には、重症化を防ぐ効果があることが分かっています。特に、基礎疾患*をもつ方や高齢の方は重症化する可能性が高いといわれているため、予防接種が推奨されています。
*糖尿病など他の病気や症状の原因となる病気
日本では、インフルエンザは例年12~4月ごろに流行し、1~3月ごろに流行のピークを迎えることがほとんどです。
インフルエンザワクチンの接種後、2週間程度で抗体が完成するといわれています。そのため、毎年12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいと考えられています。
インフルエンザの予防接種は、希望すれば誰でも受けられるわけではありません。中には、予防接種を受けないほうがよいと判断される場合もあります。たとえば、発熱していたり、緊急の治療を要する病気にかかっていたりする場合は、接種をしないほうがよいとされています。
また、インフルエンザの予防接種によってアナフィラキシー(アレルギー反応のうち、呼吸困難などの症状が急速に全身に生じ命に関わる状態)を起こしたことがある方も予防接種に適さないと考えられています。
日本では、不活化ワクチン(ウイルスの感染能力をなくしたものを原材料としてつくられたワクチン)の妊娠中の接種が認められています。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンの1つであるため、妊娠中であっても接種することができます。
妊娠中にインフルエンザの予防接種を受けても、赤ちゃんに異常が生じるリスクは上がらないという報告もあります。また、妊婦さんが感染したとしても、お腹の中の赤ちゃんにインフルエンザウイルスが感染することはありません。
一方、妊娠中はインフルエンザウイルスに感染しやすく、発症した場合には重症化しやすいと考えられています。そのため、医師と相談のうえで、インフルエンザの予防接種を受けることを検討してほしいと思います。
日本では、子どもであってもインフルエンザの予防接種を受けることが推奨されています。生後6か月を過ぎていれば、予防接種を受けることが可能です。原則として、13歳未満の場合には2回接種、13歳以上の場合には1回接種が推奨されています。
インフルエンザの予防接種は、病気の治療ではないため健康保険が適用されません*。原則として全額自己負担となり、費用は医療機関によって異なります。
*予防接種法に基づき市区町村から公費負担される場合や、助成金が出る場合があります。
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