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Brain
クロイツフェルト・ヤコブ病
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)とはプリオン病の一種で、感染性を有する異常型プリオンが脳に沈着した結果、脳神経細胞の機能が障害される致死性の疾患です。その発症機序から孤発性CJD (sCJD...
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脳

クロイツフェルト・ヤコブ病くろいつふぇるとやこぶびょう (別:CJD)

更新日時: 2017年04月25日【更新履歴
更新履歴
2017年04月25日
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概要

クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)とはプリオン病の一種で、感染性を有する異常型プリオンが脳に沈着した結果、脳神経細胞の機能が障害される致死性の疾患です。その発症機序から孤発性CJD (sCJD)、家族性CJD (fCJD)、医原性CJD (iCJD)、変異型CJD (vCJD)に分類されます。なかでも孤発性CJDは、プリオン病全体の約8割を占め、人口100万人あたり年間約1人の確率で発症するといわれています。発症率は世界的にみてもほぼ一定であり、地域分布に差はなく、性差も認められていません。

日本では、年間70~150名程度の発病が確認されています。孤発性CJDの多くは50歳以上で発症し、60歳代~70歳代に多くみられる傾向があります。一方、医原性および変異型CJDは、孤発性CJDに比べると若年で発症する傾向があります。

原因

クロイツフェルト・ヤコブ病が発症に至るメカニズムは、プリオン蛋白 (PrP) が関係していると考えられています。正常型プリオン蛋白 (PrPC) は健康な方でも発現が認められる蛋白ですが、その詳細な機能に関しては現在のところわかっていません。

クロイツフェルト・ヤコブ病の患者さんの脳では、この正常型とは異なった立体構造を示す「異常型プリオン蛋白 (PrPSC)」 が認められることがわかっています。この異常型プリオン蛋白は、正常型とは違って蛋白分解酵素で消化されにくいため、神経細胞に蓄積されてしまいます。その結果、神経細胞が障害され、発症に至ると考えられています。

この異常型プリオン蛋白の発生に関しては、孤発性CJDの場合、その原因はわかっていません。家族性CJDについては、プリオン蛋白遺伝子 (PRNP) の変異により引き起こされると考えられています。

また、異常型プリオン蛋白には感染性が確認されています。医原性CJDならびに変異型CJDのような獲得性のCJDに関しては、CJDに感染している方から硬膜などの提供を受けた場合におこるヒトからヒトへの感染、もしくは牛海綿状脳症 (BSE) に感染した牛からヒトへの感染によって、二次的に引き起こされるCJDであるといえます。

症状

孤発性CJDの場合、急速に進行する認知症症状、ふらつき、ミオクローヌスという不規則なふるえなどが特徴として挙げられます。ほとんどの症例において、発症から急速に進行し、3〜4か月で無動性無言の状態になります。その後、全身衰弱・呼吸麻痺・肺炎などが現れ、亡くなってしまう方も多いです。

家族性CJDの場合、遺伝子の変異部位によって症状が少しずつ異なりますが、孤発性CJDと類似した症状が現れます。

変異型CJDの場合、8~10年程度の潜伏期間を経た後、抑うつ、不安、自閉、異常行動などの精神症状を中心に発症します。進行すると、上・下肢の感覚障害やミオクローヌス、記憶障害などが出現します。孤発性CJDと比較するとその症状の進行は緩やかで、1年程度で無動性無言の状態に至るといわれています。

検査・診断

クロイツフェルト・ヤコブ病の診断時に実施される検査には、脳波検査、脳MRI検査、脳脊髄液検査、遺伝子検査などがあります。孤発性CJDの典型例では、脳波検査において周期性同期性放電 (PSD) という脳波異常が認められることが特徴のひとつに挙げられます。一方、家族性CJDでは全体の10パーセント程度、変異型CJDでは認められないことがほとんどです。

脳脊髄液検査では、髄液中のNSE、総タウ蛋白、14-3-3蛋白といった値が指標として用いられます。最近では、脳MRI検査において早期から異常が検出されることも報告されています。また、家族性CJDの場合には遺伝子検査が必須となります。遺伝子検査に関しては、プリオン蛋白遺伝子 (PRNP) に異常があるからといって全員が発病するわけではないため、注意が必要です。

クロイツフェルト・ヤコブ病の確定診断にあたっては、現在(2017年)のところ、患者さんが亡くなられた後に行われる病理解剖にて得られた検体を用いての解析が必要となります。具体的にはウエスタンブロット法、免疫染色などによる異常型プリオン蛋白の同定が行われます。

治療

クロイツフェルト・ヤコブ病の治療は、2017年時点では対症療法に限られており、進行を抑制することが証明された治療法はありません。正常型プリオン蛋白から異常型プリオン蛋白への構造変化や蓄積を阻害する薬剤、異常型プリオン蛋白の凝集性を抑制する薬剤、細胞変性を抑制する薬剤など、さまざまな研究開発が進められています。

しかし、これまでの実施された臨床試験において、いまだ明らかな有効性が確認されたものはありません。そのため、ふるえなどの症状を軽減する治療や支持的な治療が行われます。専門医による治療はもちろんですが、心理カウンセラーや医療ソーシャルワーカー、家族性CJDの場合には臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーなど、さまざまな専門家との連携をはかり、患者さんとそのご家族に対する社会的支援を行うことも大切です。

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