じかういるすかんせんしょう

ジカウイルス感染症

最終更新日:
2017年12月05日
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2017/12/05
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概要

ジカウイルス感染症とは、ジカウイルスに感染することで引き起こされる感染症のひとつです。

症状がないことも多く、発症すると、かゆみを伴う発疹(ほっしん)、関節痛、結膜炎などの症状が出現しますが、多くの場合は数日から1週間ほどの経過で治癒します。特に妊婦が感染した場合に胎児に先天性小頭症などをきたすことが大きな問題となっています。その他にも稀ですがギラン・バレー症候群などの神経疾患との関連性が高いことが知られています。

日本においては、現在(2018年3月時点)までのところ大きな流行の報告はありません。しかし、国際化が進む現代において、将来、ジカウイルスが日本に持ち込まれる可能性は否定できません。
 

原因

原因となるジカウイルスは、デングウイルスや黄熱ウイルス、ウエストナイルウイルスなどと同じ仲間に属するフラビウイルスです。

感染経路はいくつかありますが、ジカウイルスを保有している蚊に刺されることでヒトへの感染が成立する経路が代表的です。そのほか、血液や体液などにもジカウイルスが含まれることがあるため、性交渉や血液製剤の輸血、臓器移植などを通して感染が成立することもあります。また、妊娠期間中に感染すると胎盤を介して胎児にも感染することがあります。
 

症状

ジカウイルスに感染すると3~12日程の潜伏期間を経て症状が現れます。ただし、感染した方すべてが感染症状を示すわけではありません。感染症状を示すのは、およそ20%の方であるとされます。ジカウイルス感染症の典型的な症状として以下が挙げられます。

  • 37-38度程度の発熱
  • かゆみを伴う発疹(顔や体幹、手のひらや足の裏にもみられる)
  • 手足の関節痛
  • 結膜炎 など

そのほか、頭痛や眼球周囲の痛みなども現れることがあり、症状が軽快と再燃(おさまったり、再び悪化したりすること)の経過をとることもあります。また、下痢や腹痛などの消化器症状、目に起きるぶどう膜炎、出血斑、一過性の聴力低下、心筋炎などとの関連性も報告されています。

ジカウイルスは、神経系の合併症をきたす可能性もあります。
なかでも注意すべきなのが、胎盤感染によって発症する先天性小頭症です。発症する可能性は、妊娠初期の早い時期に感染するほど高いことが知られています。出生後は頭囲が正常範囲でも、進行性に小頭症を発症することもあります。発症すると、白内障などの眼球異常、聴力障害、筋力低下、けいれん、姿勢の異常などが現れる可能性があります。
 

検査・診断

ジカウイルス遺伝子(RNA)を検出することで、診断をおこないます。具体的には、血液や尿などを用いてPCRと呼ばれる検査を行います。そのほかには、ジカウイルスに対しての抗体を測定することで診断することもあります。

治療

治療は、対症療法(原因ではなく症状に対する治療)が中心になります。
通常は1週間ほどの経過で改善することが期待できる病気であるため、脱水にならないように水分を補給しながら、症状に合わせて解熱鎮痛剤などの薬剤を使用して対処します。

蚊に刺されることから感染するため、ジカウイルスが流行している地域への渡航を避けること(特に妊娠中)、渡航する場合でも、長袖長ズボンを着用して肌の露出を減らすこと、DEET入りの虫除け剤を使用することが重要です。

ジカウイルスは、性交渉を介しても感染することが知られています。そのためにジカウイルスによる症状を発症した、もしくは感染したことが疑われる場合には、性交渉の際にパートナーにうつさないように予防が必要です。感染の有無は、無症状のことがあるので、流行地域への渡航歴があれば、疑いがあるとします。男性は精液に、女性は膣分泌液にウイルスが検出されます。流行地域に赴いた後に日本に帰国した場合を例にとると、男性の場合、半年間はコンドームを着用して性交渉をおこなうことが勧められています。女性は、8週間のコンドームを使用しての性交渉が勧められます。またパートナーの女性が妊娠している場合、全妊娠期間でコンドームの使用をすることが勧められています。
 

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