去る2018年5月16日(水)〜18日(金)、国立京都国際会館(京都市左京区)にて第26回日本乳癌学会学術総会が開催されました。本学会では、連日プレスリリースが実施され、注目演題の概要や乳がん領域におけるトピックが発表されました。座長は大会長である戸井雅和先生(京都大学大学院医学研究科外科学講座 乳腺外科学教授)が務められました。本記事では、Lisa Curcio先生(Breastlink Center, Laguna Hills,California,USA)の発表をお伝えいたします。
腫瘍径が1.5cm以下の小さな乳がんに対する凍結切除の有効性は、ACOSOGZ1072試験で明らかとなっています。そこでICE3試験では、凍結切除の効果と安全性を評価するために、局所再発や局所・遠隔転移、生存率などを評価しました。
ICE3試験の対象となるのは、60歳以上の女性で、腫瘍径が1.5cm以下のER陽性HER2陰性の原発性乳がんです。
凍結切除は超音波ガイド下で行われ、局所麻酔のみを行っています。また、凍結切除は約20〜40分で、縫合の必要性はありません。
152人の患者さんが凍結切除を行い、100%の成功率であり、145人の患者さんが現在もフォローアップを行っています。フォローアップの期間はこのようになっています。
また、安全性に関する評価として、針生検後にみられるような軽度な有害事象は発生しているものの、重症な合併症は報告されていません。また、2人の患者さんが皮膚に中等度のやけどが生じたため、処置を行っています。
これらの結果から、凍結切除は早期の低リスク乳がんに対し、手術に代わる低侵襲治療として有効であると考えられます。
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