原因
亜鉛が不足する原因には、亜鉛欠乏症と低亜鉛血症のいずれも共通して次のようなものが挙げられます。
亜鉛の摂取不足
通常、バランスの取れた食生活を送っている限り亜鉛の摂取量が不足することはありませんが、神経性食思不振症などによる極端な摂食量の低下や、菜食主義などによって亜鉛不足に陥ることがあります。また、その他にも経口摂取が困難で経管栄養や静脈栄養を行っている高齢者や、母乳のみで育つ乳幼児も亜鉛が不足しやすいとされています。
亜鉛の吸収障害
亜鉛の吸収障害は、クローン病や潰瘍性大腸炎など腸に慢性的な炎症を引き起こす病気や、肝機能障害を引き起こす病気などが原因で起こります。また、過剰な食物繊維の摂取も腸管内で亜鉛の吸収を抑制することがあります。
亜鉛の必要量増加
乳幼児期など体重増加が著しい時期や妊娠中は亜鉛の消費量が多くなり、必要量が増します。特に低出生体重児や母乳のみで育つ乳幼児は、亜鉛不足に陥りやすいといわれています。
亜鉛の排泄量増加
関節リウマチやパーキンソン病、うつ病、てんかん、甲状腺機能亢進症などに使用される薬剤の中には、亜鉛と結合して尿中への排泄を促す作用を持つものがあります。このため、これらの薬剤を長期間服用していると亜鉛欠乏に陥ることがあります。
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