あえんけつぼうしょう

亜鉛欠乏症

皮膚

目次

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概要

亜鉛欠乏症とは、体内における亜鉛の量が不足し、皮膚のかぶれや成長障害、脱毛などの症状がみられる病気を指します。

亜鉛欠乏症は、亜鉛の吸収不足、遺伝学的な異常、低出生など、さまざまな状況において発症する可能性があります。

亜鉛欠乏症の診断は、症状と血液検査からなされます。

しかし、必ずしも症状と亜鉛の不足を関連付けることが容易なものばかりではありません。正確な診断がなされた場合には、食事内容や治療薬などを利用しながら対応することがとても重要です。

原因

亜鉛欠乏症は、さまざまな状況をもとにして引き起こされる可能性があります。亜鉛は食事を通して体内に摂取されるため、亜鉛が不足した食べ物ばかり摂取することで亜鉛欠乏症の発症に至ることがあります。

具体的には、母乳中に亜鉛が不足しているとき、赤ちゃんに亜鉛欠乏症が引き起こされることもあれば、動物性タンパク質が少ない食事に偏ることで、この病気の発症に至ることがあります。また、食事からの摂取量は充分であっても吸収に異常がある場合にも亜鉛欠乏症の発症に至ることがあります。

たとえば、消化管に慢性的な炎症があると、亜鉛を始めとしたさまざまな栄養障害が引き起こされることがあります。また、手術によって腸の大部分を失った場合も、亜鉛欠乏症の発症リスクが高まります。

そのほか、生まれつきの遺伝子異常、肝疾患、腎疾患、ある種の薬物の内服(D-ペニシラミンなど)などを原因として亜鉛欠乏症の発症に至ることもあります。

症状

亜鉛欠乏症を発症すると、皮膚に症状がみられることがあります。

たとえば、小さい子どもの場合、おむつかぶれが酷くなりやすく、治りにくい状況に陥ることがあります。高齢の方の場合、床ずれができやすい、床ずれがなかなか治らないなどの症状がみられることもあります。

そのほかにも、口回りや鼻の周り、眼の周りなどに肌の荒れをみることがあります。亜鉛欠乏症では、口内炎を発症しやすくなります。

また、亜鉛欠乏症では脱毛をみることもあります。特に後頭部から始まりやすく、徐々に全体的に髪の毛が抜けるようになります。

そのほかにも、味覚の低下や味覚異常、低身長、食欲の低下、性欲の減退などといった症状につながることがあります。さらに、貧血が亜鉛欠乏症によって引き起こされることもあり、動悸や疲れやすさなどの症状につながる場合もあります。

検査・診断

亜鉛欠乏症は、皮膚症状や脱毛、味覚障害などの症状をもとにして疑われます。

症状から亜鉛欠乏症が疑われる際には、血液検査によって亜鉛が測定されます。また、貧血やALPといった項目も血液検査では評価されます。

原因の項目で記載したように、亜鉛欠乏症はさまざまな原因を基盤として引き起こされます。

何が原因として亜鉛欠乏に陥っているかを評価することを目的として、詳細な問診、身体診察、血液検査なども必要不可欠です。

治療

亜鉛欠乏症では、原因に対応した治療介入を行うことが求められます。

たとえば、亜鉛に乏しい食事を摂取することが亜鉛欠乏症の発症につながっていると想定される際には、食事内容を改善することが求められます。亜鉛に富んだ食品としては、カキや豚レバー、牛肉などを例に挙げることができます。

そのほかにも、炎症性腸疾患を基盤としていると想定される際には、消化管の炎症を抑えるための医療介入を受けることが大切です。また、治療薬として使用されている薬剤によっては、亜鉛欠乏を副作用として引き起こすものもあります。医薬品の関与が疑われる際には、治療薬の変更も検討されます。

また、亜鉛欠乏症では、不足する亜鉛を意識的に補充することも検討されます。治療薬として、酢酸亜鉛製剤と呼ばれる治療薬が用いられることもあります。

亜鉛欠乏症による症状は、必ずしも亜鉛の欠乏と結びつけるのが容易なものばかりではありません。

しかし、子どものおむつかぶれがなかなか治らない、身長が思ったほど伸びない、床ずれがうまく治らないなどの状況がある際には、亜鉛欠乏症の存在を疑い、専門の医療機関への受診を検討することも必要であるといえます。