あえんけつぼうしょう

亜鉛欠乏症

最終更新日:
2024年05月22日
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2024/05/22
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2020/03/26
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2019/07/02
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概要

亜鉛欠乏症とは、体内の亜鉛が不足することで皮膚炎口内炎、脱毛、発育障害、味覚障害嗅覚障害などさまざまな症状を引き起こす病気です。亜鉛のはたらきは、皮膚や粘膜の状態を正常に保つ、骨格の発育、味覚や嗅覚、生殖機能、免疫機能の維持など多岐にわたるため、亜鉛が不足するとさまざまな症状を引き起こします。

体内の亜鉛量を示す指標としては、血液中に含まれる亜鉛濃度(血清亜鉛値)が用いられますが、亜鉛欠乏症は血清亜鉛値の低下とそれに伴う症状が見られるものを指します。一方、血清亜鉛値は低いものの、臨床的な症状がないものは“低亜鉛血症”と呼ばれることもあります。

亜鉛は体の中で作り出すことができず、飲食物から摂取しなければならないため、食事療法と薬物療法を行って症状の改善を図ります。

原因

亜鉛が不足する原因には、亜鉛欠乏症と低亜鉛血症のいずれも共通して次のようなものが挙げられます。

亜鉛の摂取不足

通常、バランスの取れた食生活を送っている限り亜鉛の摂取量が不足することはありませんが、神経性食思不振症などによる極端な摂食量の低下や、菜食主義などによって亜鉛不足に陥ることがあります。また、その他にも経口摂取が困難で経管栄養や静脈栄養を行っている高齢者や、母乳のみで育つ乳幼児も亜鉛が不足しやすいとされています。

亜鉛の吸収障害

亜鉛の吸収障害は、クローン病潰瘍性大腸炎など腸に慢性的な炎症を引き起こす病気や、肝機能障害を引き起こす病気などが原因で起こります。また、過剰な食物繊維の摂取も腸管内で亜鉛の吸収を抑制することがあります。

亜鉛の必要量増加

乳幼児期など体重増加が著しい時期や妊娠中は亜鉛の消費量が多くなり、必要量が増します。特に低出生体重児や母乳のみで育つ乳幼児は、亜鉛不足に陥りやすいといわれています。

亜鉛の排泄量増加

関節リウマチパーキンソン病うつ病てんかん甲状腺機能亢進症などに使用される薬剤の中には、亜鉛と結合して尿中への排泄を促す作用を持つものがあります。このため、これらの薬剤を長期間服用していると亜鉛欠乏に陥ることがあります。

また、糖尿病ネフローゼ症候群腎不全など、腎機能に障害を及ぼす病気も亜鉛の排泄を促すとされています。

症状

亜鉛はヒトの体内でさまざまなはたらきを担うため、亜鉛欠乏症では多彩な症状がみられます。なお、亜鉛不足によって現れる症状や程度は、亜鉛が不足する程度や期間、不足に耐えうる体質かどうかによって異なります。

代表的な症状としては、皮膚や粘膜構造の異常による皮膚炎口内炎、脱毛、低身長などの発育障害、造精能の低下、勃起障害味覚障害嗅覚障害、免疫機能の低下、傷が治りにくい、貧血、血圧の上昇、耐糖能異常などの身体的な症状、情緒不安定などの精神的な症状が挙げられます。

特に皮膚炎や口内炎は、免疫機能の低下や傷の治りにくさと相まって重症化することが多く、乳幼児では重度のおむつかぶれを引き起こし、寝たきりの高齢者では褥瘡(じょくそう)が発生しやすくなることが大きな問題となります。

一方で、低亜鉛血症は血清亜鉛値の低下が認められるものの、無症状であるためほとんどが健康診断などの血液検査で偶然発見されます。

検査・診断

亜鉛欠乏症は以下の基準を満たすことで診断されます。

(1)亜鉛が不足することによる症状があること

(2)早朝空腹時の血清亜鉛値が80㎍/dL未満であること

(3)その他の病気が否定できること

(4)亜鉛を補充すると症状が改善すること

特に(4)は亜鉛欠乏症を診断するうえでもっとも重要な所見です。また、血清アルカリフォスファターゼ(ALP)の低値は診断の参考になります。なお、低亜鉛血症は(2)のみが当てはまるものを指します。

亜鉛欠乏症が疑われた際にもっとも重要な検査は血液検査であり、血清亜鉛値やアルカリフォスファターゼ値の測定が行われます。また、場合によっては、そのほかの病気を否定するために、ほかの血液検査やCT、MRIなどの画像検査が必要となることもあります。

治療

亜鉛欠乏症や低亜鉛血症に対する根本的な治療は、主に食事療法と薬物療法です。低亜鉛血症は症状がなくとも、今後何らかの症状を引き起こす可能性があるため、亜鉛欠乏症と同様の治療を行うことが望ましいと考えられます。

食事療法としては、カキや煮干し、レバー、肉類など亜鉛を多く含む食品を積極的に摂取するよう食事指導が行われます。

一方で、食事療法による亜鉛の補充のみでは亜鉛の不足が改善しない場合は、薬物療法として亜鉛製剤による亜鉛の補充が行われます。投与量は臨床的な症状とその重症度によって異なるため、専門医への相談が必要です。

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