症状
亜鉛はヒトの体内でさまざまなはたらきを担うため、亜鉛欠乏症では多彩な症状がみられます。なお、亜鉛不足によって現れる症状や程度は、亜鉛が不足する程度や期間、不足に耐えうる体質かどうかによって異なります。
代表的な症状としては、皮膚や粘膜構造の異常による皮膚炎や口内炎、脱毛、低身長などの発育障害、造精能の低下、勃起障害、味覚障害・嗅覚障害、免疫機能の低下、傷が治りにくい、貧血、血圧の上昇、耐糖能異常などの身体的な症状、情緒不安定などの精神的な症状が挙げられます。
特に皮膚炎や口内炎は、免疫機能の低下や傷の治りにくさと相まって重症化することが多く、乳幼児では重度のおむつかぶれを引き起こし、寝たきりの高齢者では褥瘡が発生しやすくなることが大きな問題となります。
一方で、低亜鉛血症は血清亜鉛値の低下が認められるものの、無症状であるためほとんどが健康診断などの血液検査で偶然発見されます。
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