治療
妊娠を希望されない場合は、定期的に月経を起こす治療が必要です。排卵がうまく起こらず月経周期が乱れ、子宮内膜が剥脱しないことによる子宮内膜増殖症や子宮体がんのリスクを減らすために、ホルモン剤を用いて月経を定期的に起こします。
妊娠を希望する場合は排卵誘発剤を内服して排卵を促す薬物療法が第1に行われます。しかし内服薬のみでは排卵を促すことができないケースもあり、そのような場合には排卵誘発剤の注射を行います。ただし、排卵誘発剤の注射は卵巣に過剰な刺激を与えてしまう可能性もあり、卵巣が腫れてお腹に水がたまる“卵巣過剰刺激症候群”を引き起こすことがあるため注意が必要です。
また卵巣を包む膜が過剰に厚くなっている場合は薬物療法を行っても排卵が起こりにくいため、腹腔鏡下手術で卵巣の膜に穴を開ける治療が行われることがあります。排卵誘発剤の内服、注射剤で自然妊娠が難しい場合は体外受精にステップアップすることもあります。また肥満がある場合は減量をすすめます。
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多嚢胞性卵巣症候群について
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