大腸ポリープとは、大腸の最表面にある“大腸粘膜”にできるいぼのような病変の総称です。
大腸ポリープの中には、がんや将来がん化するもの(腫瘍性ポリープ)があります。では、どのようにこれらのポリープを発見すればいいのでしょうか。また、症状は出るのでしょうか。
大腸ポリープのほとんどは、目立った自覚症状がありません。大腸ポリープは数mm単位の小さなものから数cmを超える大きなものまでさまざまですが、小さいポリープの場合はその種類によらず、無症状であることがほとんどです。肛門付近にポリープができている場合は、ポリープが小さくても血液の混じった便が出るなどの症状が現れることがありますが、このようなケースは多くありません。
大腸ポリープの一部は、悪性化して大腸がんになります。しかし、がんであっても早期の段階では多くは目立った自覚症状がありません。進行して大きくなってくるとともに便やお腹の症状が見られるようになり、血便、便秘、便が細い、残便感、腹部膨満感などの症状が出たときには、すでに進行した大腸がんになっていることもあります。そのため、自覚症状が出る前の段階で大腸ポリープを発見することが重要です。
大腸ポリープを早期に発見するためには、大腸がん検診が極めて重要です。大腸がんのスクリーニング検査として用いられている便潜血検査は、体の負担がなく受けられる検査であるため積極的に検査を受けるようにしましょう。
大腸ポリープや大腸がんの検査では、スクリーニング検査として便潜血検査を行います。便潜血検査では目では見えない微量の大腸の出血も検知でき、2日間の便を調べて1日でも便潜血が見られれば大腸ポリープや大腸がんがある可能性があると判断されます。
便潜血検査が陽性であった場合は、内視鏡(大腸カメラ)による精密検査を行います。ポリープは大腸のもっとも表面にできるため、内視鏡検査により病変を直接観察することが可能です。
大腸ポリープや大腸がんは30歳代頃から増え始めるとされており、40歳以上の人は毎年がん検診を受けることがすすめられます。また、大腸がんや大腸ポリープになりやすい家系の人もいるため、家族に大腸がんや大腸ポリープと診断された人がいる場合は、小まめに検査を受けることが大切です。
家族歴のほか、食生活(赤身肉や高カロリー食)、肥満、過度なアルコール摂取、喫煙などが大腸がんのリスク因子とされています。このような生活習慣がある場合は定期的ながん検診を受けるとともに、生活習慣を見直すことも大切です。
大腸ポリープの多くは自覚症状がありません。しかし、放っておくとがん化するものがあるため、早期発見するために定期的ながん検診を受けることが大切です。
また、下血や血便といった症状があるときは、大腸がんが進行した状態になっている場合もあるため、なるべく早く医療機関を受診するようにしましょう。
大圃先生に直接相談
NTT東日本関東病院 消化管内科・内視鏡部 部長
こんなお悩みありませんか?
関連の医療相談が29件あります
大腸ポリープ切除後、出血が有ります。
5時間ほど前に、大腸ポリープを6個程切除しましたが、トイレに行ったところ水溶性の便に混ざって出血が有りました。どの程度の出血があった場合、病院に行った方が良いのでしょうか?切除を受けた病院では、便器が真っ赤になるほど、との事でしたが、そこまでで無ければ行かなくても問題無いのでしょうか?
大腸ポリープ
友人ですが50歳です。大腸ポリープをとったところ一つが陽性と出て再検査です。心配ですが今後はどうなりますか?
直腸のポリープ1~2mm
人間ドックの大腸内視鏡検査で直腸に1~2mmのポリープを指摘されました。 1年後の再検査で様子見との説明でした。 母親を大腸がんで亡くしています。 大きさに関わらず切除して欲しいのですが、クリニックによっては切除してもらえるのでしょうか? また食生活や生活習慣で気を付けることはありますか?
大腸がんの手術
一年ほど、下痢が続いたため、大腸の内視鏡検査をしました。 11月30日に、大腸の内視鏡検査で7cm大のポリープと出血性のポリープが見つかりました。 検査の結果、大きな方のポリープに癌が見つかりました。 その医師の話によると、患部を切り取って腸をつなぎ合わせる手術が必要とのことでしたが、ネットで検索すると内視鏡によるポリープの切除と書いてあります。 どのような手術になるのでしょうか? また、福島市でお勧めいただける病院をご存じなら、教えていただきたいです。
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。
「大腸ポリープ」を登録すると、新着の情報をお知らせします
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。