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家族性高コレステロール血症
家族性高コレステロール血症とは、遺伝子異常を原因として発症する高コレステロール血症の一つを指します。コレステロールのなかでも、いわゆる悪玉コレステロールと称されることがある「LDLコレステロール...
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家族性高コレステロール血症かぞくせいこうこれすてろーるけっしょう

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

家族性高コレステロール血症とは、遺伝子異常を原因として発症する高コレステロール血症の一つを指します。コレステロールのなかでも、いわゆる悪玉コレステロールと称されることがある「LDLコレステロール」と呼ばれるものが血液中に大量に存在することになり、若い年齢のうちから動脈硬化が進行し、心筋梗塞を代表とする冠動脈性疾患を引き起こす病気です。

症状の出現の仕方は、原因となる異常遺伝子をどのように有しているかによって異なります。特に、「ホモ接合体」と呼ばれる遺伝子状態を保持している場合は、高コレステロール血症の程度が強く、小児期の間から心筋梗塞を発症することもあります。日本におけるホモ接合体の患者さんは100万人に1人程度であると推定されており、国の難病に指定されています。

原因

家族性高コレステロール血症は、コレステロール代謝に関わる遺伝子に異常が生じることから引き起こされる病気であり、中でもLDLコレステロールに関係する遺伝子異常に伴い病気が発症します。

体内に取り入れられた脂肪は、多くの処理を受けてさまざまな種類の脂肪へと変換されます。LDLコレステロールはこうして処理を受けた脂肪の形態の一つであり、肝臓や血液、全身の細胞に分布しています。 LDLコレステロールは血液を通して運ばれますが、肝臓や細胞に取り込まれる必要があります。

血液中にあるLDLコレステロールが全身臓器に正常に分布するためには、LDL受容体やアポリポプロテインB-100などと呼ばれる物質が存在することが必要不可欠です。 LDL受容体とは細胞の表面に存在するタンパク質ですが、LDL受容体はアポリポプロテインB-100を認識することでLDLコレステロールと結合し、肝臓を代表とする全身の細胞に取り込まれて代謝されます。

これらの機能が阻害されると、血液中に存在するLDLコレステロールが細胞に取り込まれなくなってしまい、結果として血液中に大量のLDLコレステロールが長期間滞ることになります。

家族性高コレステロール血症は、LDL受容体の異常が最も多い原因です。ほかにもアポリポプロテインB-100などタンパク質の異常やその他のコレステロール代謝にかかわる遺伝子異常が数多く報告されています。つまり、家族性高コレステロール血症はLDLコレステロールの代謝過程のどこかに異常がおきることで発症する疾患といえます。

人の細胞の中には両親から1本ずつ遺伝子を受け継いだ結果、同じ作用を有する遺伝子が合計2本存在しています。2本のうち1本が異常なはたらきを示す遺伝子の場合を「ヘテロ接合体」と呼び、2本ともが異常な遺伝子の場合を「ホモ接合体」と呼びます。

家族性高コレステロール血症ではこうした遺伝状態に応じて、「ヘテロ接合体の家族性高コレステロール血症」と「ホモ接合体の家族性高コレステロール血症」に分類することが可能です。 ヘテロ接合体の家族性高コレステロール血症では、原因遺伝子の1本が異常ですが、残りの1本は正常です。そのため高コレステロール血症は認めますが、それほど重症ではありません。しかしながら、ホモ接合体の家族性高コレステロール血症では2本ともが異常な遺伝子であることから、高コレステロール血症の程度はとても強くなります。

家族性高コレステロール血症の方がお子さんを有する場合、お子さんに病気が遺伝するかどうかも接合体のタイプによって異なります。もし両親ともヘテロ接合体の患者さんの間に子どもが生まれても、その子どもがヘテロ接合体の家族性高コレステロール血症を発症する確率は2分の1、ホモ接合体の家族性高コレステロール血症を発症する確率は4分の1です。すると残りの4分の1は正常な状態で生まれてきます。

また両親のどちらかがヘテロ接合体の患者さんの場合は、ホモ接合体の家族性高コレステロール血症の子どもが生まれる可能性はゼロですが、ヘテロ接合体の子どもが生まれる可能性は2分の1、正常な状態で生まれる可能性も2分の1です。

症状

家族性高コレステロール血症ではコレステロール値の上昇が認められます。ヘテロ接合体の患者さんでは平均320〜350mg/dL 、ホモ接合体の患者さんでは平均600〜1200mg/dLです。しかし、なかには単なる高コレステロール血症と診断されて治療を受け、それほどコレステロール値の上昇がみられないケースもあります。

家族性高コレステロール血症を治療せずに放置しておくと、高コレステロールにより動脈硬化が進行し、心筋梗塞、狭心症などの冠動脈疾患を起こします。ここまで進行してしまうと、ときに命にかかわる可能性があります。難病指定を受けているホモ接合体の場合は、より一層病状の進行は早く小児期から心筋梗塞を発症することがあります。

また、家族性高コレステロール血症では、「黄色腫」と呼ばれる黄色く扁平の隆起が見た目にも判る部位に生じます。黄色腫はひじやひざ、手の甲の関節など関節部に生じやすいです。特に皮膚黄色腫は目につきやすい部位に生じるため患者さんが気づくことができます。

黄色腫は、ホモ接合体の患者さんに高頻度でみられます。腱にも黄色腫が生じることがあります。特にアキレス腱に黄色腫が起きやすく、黄色腫が生じるとアキレス腱が太くなります。

検査・診断

家族性高コレステロール血症では、血液検査でコレステロールを測定することが重要です。ヘテロ接合体の患者さんでは平均320〜350mg/dL、 ホモ接合体の患者さんでは平均600〜1200mg/dLのコレステロールの上昇が認められます。

また、ホモ接合体が疑われる患者さんにおいては遺伝子検査が併用されます。遺伝子検査ではLDL受容体の遺伝子異常がないか、治療薬の適応となりうる遺伝子異常がないかなどを検索することになります。

治療

家族性高コレステロール血症では、コレステロールを低下させて将来発症しうる心筋梗塞などの冠動脈疾患を予防することが目的になります。そのため、食事療法や各種の内服薬などが使用されることになります。 食事療法では、低脂肪、減塩を心がけることが重要です。

高コレステロール血症に加えて、その他動脈硬化を促進しうる高血圧や糖尿病などを引き起こさないことも大切です。 治療薬としては、スタチン、エゼチミブ、レジンなど一般的に高脂血症で使用される薬を併用します。なかには、内服薬のみではLDLコレステロールがうまくコントロールできないことがあり、その場合にはLDLアフェレーシスと呼ばれる方法が選択されることもあります。

家族性高コレステロール血症では、さらにロミタピドやPSCK9阻害薬と呼ばれる薬が適応になることがあります。これらの薬はすべての家族性高コレステロール血症の方に適応になる訳ではありませんが、高い効果が期待できるため状況を見極めつつ使用が検討されます。

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