手根管症候群とは、手首の近くにある手根管というトンネルのような部位の中で正中神経が圧迫されることで指のしびれや痛み、手のこわばりなどの症状が現れる病気です。
妊娠中や出産期の女性、更年期の女性、手を使いすぎている人、人工透析を行っている人などが発症しやすいとされていますが、多くは原因不明といわれています。ただ、発症しやすい人の特徴や原因として考えられることはいくつかあるため、ここでは手根管症候群の原因について詳しく解説します。
手根管とは手首あたりにあるトンネルのような部分で、手根骨と横手根靱帯(屈筋支帯)という部位に囲まれており、トンネルの中には正中神経と滑液腱鞘を伴う9本の腱が通っています。
手根管症候群の根本的な原因は正中神経が圧迫されることです。正中神経は親指から薬指の親指側半分までの手のひら側の感覚につながる神経で、親指の付け根の筋肉(母指球)につながっています。そのため、正中神経が圧迫されると親指から薬指の親指側半分までにしびれや痛みが生じたり、親指の付け根の筋肉が痩せて細かい作業ができなくなったりします。
手根管症候群の多くが原因不明(特発性)とされていますが、女性ホルモンの乱れや特定の病気が関連することもあるため詳しく解説します。
妊娠中や出産期の女性、更年期の女性に発症することが多いことから、女性ホルモンの乱れが原因の1つだと考えられています。この場合、女性ホルモンが乱れることで腱鞘がむくみ、手根管の内部からの圧力が上がって正中神経が圧迫され、扁平になって症状が現れるとされています。
先端巨大症(成長ホルモン産生下垂体腺腫)とは、ホルモンを分泌する下垂体という組織に腫瘍ができることで成長ホルモンの分泌に異常が起き、手足やあご、おでこなどが大きくなる病気です。
先端巨大症を発症すると手の骨や軟部組織が大きくなるため、手根管が狭くなって正中神経が圧迫されて手根管症候群につながることがあります。
アミロイドーシスとは、異常に集まったタンパク質からなる繊維(アミロイド)が、臓器や皮膚、神経といったさまざまな組織に蓄積することで起こる多様な病気を指します。アミロイドーシスにはいくつかのタイプがあり、遺伝が原因となる“AF(家族性)アミロイドーシス”の場合は、ほかの神経疾患が現れるより先に手根管症候群を発症することが一般的です。
また、長期間透析をしている患者さんは透析が原因となるアミロイドーシス“透析アミロイド症”を合併しやすく、その場合は骨関節組織にアミロイドが蓄積し、手根管症候群につながることがあります。
糖尿病の三大合併症は神経障害、網膜症、腎症であり、なかでも早期に発症しやすいものが神経障害です。神経障害には、広い範囲が障害される多発性神経障害と、ある末梢神経だけに生じる単神経障害があり、単神経障害はさらに突発性と慢性発症に分類されます。慢性発症の中でも多いのが絞扼性(狭くなって締まることで起きる)の神経障害であり、特に正中神経の障害が原因となって起こる手根管症候群の頻度が高いとされています。
骨折や関節リウマチなどによる骨の変形、仕事やスポーツなどで手を使いすぎることによる腱鞘のむくみなども正中神経が圧迫される原因となり、手根管症候群につながるといわれています。
親指から薬指にかけてしびれや痛みを感じる場合は手根管症候群の可能性があります。特に妊娠中や出産期、更年期の女性が発症する頻度が高いため、当てはまる人は注意が必要です。そのほか、仕事やスポーツで手をよく使う人や人工透析をしている人もなりやすいとされています。
手根管症候群は症状が進行すると細かな作業ができなくなったり、治療の際に手術が必要となったりするため、できるだけ早く治療を開始することで重症化や治療の際の負担を避けることができるでしょう。そのため、気になる症状がある場合は整形外科の受診を検討するとよいでしょう。
おおさかグローバル整形外科病院 院長
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右手中指の痺れ
半年以上痺れが続いていて薬を服用しても改善みられないなら手術をおすすめしますと言われました。痺れが有り曲げ伸ばしした時の痛みも有ります、実際に手術した人がいて手術後も腫れ、浮腫の出現を間近にみてるので手術する事に不安が有ります
手指を時々麻痺することがある
相談の対象者は友人の母親となります。マカオに在住します。 2018年10月26日 手術を受けました 2019年5月まで 手指を時々麻痺することがあります 2019年5月初香港に診断を受けたことがあります、手根管症候群「Carpal tunnel syndrome」だと報告しました。
身体のあちこちの痛みや身体の怠さ(疲れ)
自分の場合は、いろんな不調を持つ為、次から次に相談すみません。 ※もう1〜2年くらい経つと思いますが、身体のあちこちの痛みが気になります。 特に両手と両足の痛みが目立っています。 ここ最近は右手の痛みや痺れです。 これは携帯を触るとすぐにそうなります。 何と言いますか、私の場合は本当に少し触っただけでかなり痛むんです。 そして、ここ最近は痺れが出てきました。 携帯やパソコンの電波の影響があるとは思いますが、触り過ぎというか、本当に一瞬触る程度ですぐに痛みと痺れがでます。 その具合もかなりのものです。 最初は携帯やパソコンを触る手の指のみが痛かったのに、ここ最近は手の全体まで影響しています。 左手も右手よりはマシですが、痛いし痺れもあります。 ずっと前から特に手足の先?が痛くて、整形外科に行ったのですが、リウマチではありませんでした。 しかし、つい最近いきなり右足の太ももがズキーンと急に痛み出し、すぐにそれが治るも、また少しするとズキーンと痛む時が一瞬だけあり、時々左足の甲もそうなります。 太ももの方は前も似た症状が起こり、左足の甲も時々ズキズキというか、痛いというか、突然そうなるんです。 でも、歩けない!って程までの痛みではありません。 関節?が痛むと思うのですが、その原因がよくわからないんです。 身体も常に怠いし、疲れもとれないし、炭酸みたいに全身の中がジャワ〜とした感じがし、それがたまに胸の中に感じたりもあります。 これは内臓から来ることもあるのでしょうか。 後、次から次に大変失礼ながら、小学校時代、友達と公園で遊んでいたら、突然右足だったと思うのですか、歩くのが困難なくらい痛くなりました。 友達にも肩を借りてゆっくりと家まで送ってもらった状況で、その時は右足の甲が赤く腫れていました。 とはいえ、遊んでいた時に捻挫してしまった/高い所から落ちた/何処かにぶつけたなどの記憶が無くて、これも内臓からだったのでしょうか。 (※↑恐らく右足だったような…。昔のことなのでどちらの足だったかはうる覚えなのですが…。)
神経や骨の痛みと薬指の麻痺など
半年前に、3.4.5.の指を骨折した際のギブスの循環不全を起こしました。 未だ末梢神経症状、手根管神経症状、正中神経症状、尺骨神経症状と、手首の痛み、手が床に付けない、手首の骨が痛い、薬指だけが痛くて伸ばせない、手の中心や親指の奥が痛い、物がつまめない、中指を曲げると手首が痛いなどなど、左手に力も入らずさまざまな症状がずっと続いています。 が、手術はせず保存療法でと、メチコバールや葛根湯を処方してもらい、5か月目に入りリハビリを開始したところ、病状が悪化、痛み止めの注射(ステロイドではなくキシロカイン)を打ちました。 現在整形外科のみ受診していますが 不安でたまりません。 他の科や他の病院で診てもらいたいですがどんな所に行けば良いでしょうか? 大学病院とかが良いのでしょうか? ちなみに今は整形外科の手外科です。 よろしくお願いします。
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