りんびょう

淋病

(淋菌感染症)

最終更新日:
2021年12月03日
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2021/12/03
更新しました
2017/04/25
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概要

淋病とは、淋菌(りんきん)という細菌が引き起こす感染症のことです。医学的には淋菌感染症と呼ばれます。

主に性交や性交類似行為で感染する性感染症の1つであり、男性では淋菌性尿道炎を、女性では子宮頚管炎(しきゅうけいかんえん)を引き起こします。男性では感染から2~9日後に尿道からのような分泌物や排尿時の痛みがみられるようになりますが、女性は自覚症状に乏しく、無症状のまま不妊などを引き起こす原因となります。

淋菌感染症は20歳代の性活動が活発な年代に多く、患者数は年々増加傾向にあります。診断される人の割合は男性が多いですが、これは女性に自覚症状が乏しいことが一因であると考えられています。

原因

淋菌感染症の原因は淋菌と呼ばれる細菌です。感染者の粘膜に存在し、主に性交やオーラルセックスなどの性交類似行為によって感染します。淋菌は感染者から離れた状態では簡単に死滅するため、そのほかの経路で感染することはほとんどありません。

症状

淋菌感染症は男性と女性で症状が異なり、男性では淋菌性尿道炎を、女性では子宮頚管炎を引き起こします。また、咽頭(いんとう)や直腸への感染がみられることもあります。

淋菌性尿道炎

男性の尿道に感染した場合、2~9日の潜伏期間ののちにのような分泌物や排尿時の痛みがみられます。症状は人によって異なり、分泌物が粘液性である場合や、症状がほとんど現れないこともあります。

子宮頚管炎

女性の子宮頚管に感染した場合、分泌物がみられることもありますが、無症状であることがほとんどです。症状がある場合は、おりものの量が増える、おりものの色が変わる(黄緑色、膿のような色)、不正出血などの症状が出てきます。骨盤内部に炎症が広がり、子宮内膜炎、卵管炎、卵巣炎、骨盤腹膜炎などの骨盤内炎症性疾患を引き起こすと、発熱や腹痛を生じることがあります。

また、これらが原因となって卵管不妊症異所性妊娠子宮外妊娠)、慢性骨盤痛など不妊の原因となる病気を引き起こすこともあります。

その他の部位での感染

咽頭や直腸にも感染しますが、ほとんどが無症状です。咽頭に感染した場合、喉の痛みや声のかすれがみられることもあります。

検査・診断

尿や分泌物などの検体から病原体を検出することで診断されます。検査方法には、酵素免疫法、液相ハイブリダイゼーション法、PCR法、LCR法などがあります。

また、淋菌感染が疑われる場合、性器クラミジア感染症などのほかの性感染症に感染していることも多いため、同時に検査を行うこともあります。

治療

淋菌感染症の治療では、抗菌薬による治療が行われます。用いられる抗菌薬の種類は淋菌の感染部位によって異なり、経口薬や注射薬などがあります。

また、近年では耐性菌と呼ばれる抗菌薬に効果を示さない淋菌が増えており、抗菌薬の使用後に再検査を行って効果が現れているかを確認し、効果がみられなければ必要に応じて抗菌薬の種類を変えながら治療を続けます。

淋菌感染症では、治療によって自覚症状が消失した後でも淋菌が残っていることがあるため、治療終了後は数日置いたのちに検査を行い、淋菌感染がみられないことを確認する必要があります。

また、淋菌感染症の患者の20~30%は性器クラミジア感染症を合併しているといわれており、合併症がある場合は合併症の治療も同時に行います。

予防

淋菌感染症は性感染症の1つであるため、性的接触を持つ際は予防のために必ずコンドームを使用するようにします。また、淋菌感染症は放置することで尿道狭窄(にょうどうきょうさく)や菌血症(血液中に細菌がいる状態)などを引き起こすこともあるため、早期診断・早期治療を行うことが大切です。

特に女性は自覚症状に乏しく、自覚のないまま異所性妊娠不妊症、母子感染などを引き起こすことがあるため、男性の淋菌感染が明らかになった場合は、女性パートナーも検査を行い、早期診断・早期治療につなげることが大切です。

また、淋菌は一度治癒しても再感染することがあるため、一度かかったからといって予防を怠ることのないようにしましょう。

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