症状
甲状腺ホルモンは全身の活動性や新陳代謝の上昇を引き起こすはたらきがあります。そのため、甲状腺機能亢進症を発症すると、心拍数の増加や血圧の上昇、発汗、手の震え、不眠などの自律神経失調症状が目立つようになります。また、疲労感などを感じるものの活動性は異常に高まり、基礎代謝も上がることで食欲が増えて過食傾向になる一方で、体重は減少していきます。さらに、消化管機能が高まることで腸の運動が過剰になり、頻回な下痢を引き起こすことも少なくありません。そのほかにも、不安感が強まったり、些細なことにイライラしたりするなど精神的な不調が現れることもあります。
甲状腺機能亢進症の原因にもよりますが、多くは甲状腺が腫れたり、甲状腺にしこりを触れたりするようになることも少なくありません。
甲状腺機能亢進症は適切な治療を行っていない状態が続くと、感染症やけが、手術、妊娠など心身に強いストレスがかかることをきっかけに急激に悪化することがあります。甲状腺ホルモンの産生量が急激に上昇すると、不整脈や意識消失などを引き起こし、死に至る危険もある状態に陥る“甲状腺クリーゼ”に至ることがあるため注意が必要です。
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