甲状腺機能亢進症(バセドウ病)は女性に頻度の高い、甲状腺ホルモンが出すぎてしまう病気です。バセドウ病ではどのような症状が出るのでしょうか? 気をつけなければいけない合併症はどのようなものでしょうか? 横浜労災病院内分泌代謝科部長の齋藤淳先生にお話を伺いました。
バセドウ病の代表的な症状13点を以下にまとめました。これは、バセドウ病だけではなく甲状腺機能亢進症一般に言えることです。
バセドウ病には、これといった初期症状はありません。あえて言うのであれば、最初に自覚することとしては、「食欲が上がってたくさん食べているわりには体重が増えない」というところでしょうか。
不整脈の1つです。症状としては脈のリズムが不規則になり、頻脈(脈が速くなること)になります。
前述した心房細動などが原因となり、心不全を起こしてしまうことがあります
前述したように、甲状腺機能亢進症では眼が前に突き出て大きくなる「眼球突出(がんきゅうとっしゅつ)」を起こすことがあります。これを「バセドウ病眼症」といいます。バセドウ病眼症は、タバコが悪化のリスクになります。なお、甲状腺機能亢進症の改善と共に眼球突出は改善されます。
激しい運動や過食のあとしばらくしてから手足に力が入りにくくなることを繰り返すことが特徴です。まれな合併症ではありますが、比較的男性に多くみられます。
具体的なシーンとしては、一人暮らしの若い男性がカップ麺などで炭水化物をたくさん食べているなど栄養の偏りが見られると、周期性四肢麻痺を引き起こしやすいことがわかっています。
周期性四肢麻痺を2~3回程度発症してしまうケースはありますが、何回か起こしてしまうと自覚して注意するようになるので、それ以上は繰り返さなくなります。
バセドウ病などの甲状腺機能亢進症に対して治療が行われていない場合や、甲状腺機能のコントロールがよくない時などに起こります。具体的な症状としては発熱・けいれん・意識障害・心不全などがあり、大変危険な状態です。
甲状腺クリーゼのリスクとして最も危険なのは自分で勝手に治療を中断して、抗甲状腺薬の服用をやめてしまうことです。また、甲状腺機能亢進症に気づかずに未治療・未服薬でいる方が甲状腺クリーゼを引き起こしてしまうケースもあります。
医師の処方通りに薬を内服し、きちんと自己コントロールができていれば、甲状腺クリーゼはほとんど起こりません。ですから、治療中の方は決して、治療を勝手に中断してはいけません。そして、まだ治療をしていなくても前述したような症状が出ている方の場合は、早めに医師に相談することをお勧めします。
また、別記事「甲状腺機能亢進症の治療―RI治療、手術、日常生活の注意点」で説明するラジオアイソトープ治療をしたときも、甲状腺が一過性に破壊されます。特に治療後2~6週間あたりに多く甲状腺ホルモンが出てくるので、注意が必要です。
元々女性に多く、かなりの頻度で発生します。女性は閉経後、骨粗しょう症を起こしやすくなりますが、バセドウ病が絡むとさらに輪をかけて骨の状態が悪くなります。特に、若いうちからバセドウ病のコントロールがうまく出来ていない方は骨粗しょう症が進行している方が多いです。
横浜労災病院 内分泌代謝内科部長、 千葉大学医学部 臨床教授
関連の医療相談が28件あります
甲状腺機能亢進症
質問よろしくお願いします。 最近頻脈と体重減少が気になり検査してもらって甲状腺機能亢進症と診断されました。今産後3ヶ月で、一人目の出産の時も一時的に甲状腺のホルモンが過剰分泌しました。3ヶ月程度で薬も飲まなくて良くなりました。今回も同じかな?と思ったのですが、昨日の診断から顎から首にかけてのところが痛いまではいかなくても違和感?があります。口が大きくあきにくいような、、あと、右耳下のあたりが風船を膨らました時のような感じがします。甲状腺と関係あるのでしょうか??違和感が気になります。よろしくお願いします。
3か月前から胸の痛み
こんばんは。20歳です。 3か月前に健康診断を受け甲状腺が腫れていると言われ病院に行き、バセドウ病と診断されました。 今、通院しています。 最近アイソトープ治療を受けました。 健康診断を受けた後ぐらいから右の胸の方が深呼吸(息を吸う)や仕事をしていて疲れてくると圧迫感や息苦しさ動悸があります。 それが、1か月前ぐらいから左の胸の方が深呼吸(息を吐く)や疲れてくると圧迫感や息苦しさ、動悸、腕の付け根の痛みがあります。 主治医に相談したのですがバセドウ病とは関係ないと言われました。 レントゲンも何回かとったのですが異常はなかったです。 毎日痛くなるのでとても辛く原因がわからないので不安です。 何かの病気なのでしょうか。 可能性のある病気や何科にかかるのが良いのか知りたいです。 よろしくお願いします。
バセドウ病 アイソトープの2回目をするか全摘出をするか
16歳の娘は3年程前バセドウ病と診断され薬物療法を開始しましたがすぐに蕁麻疹が出てしまい他のお薬に。 3年間投薬しましたが副作用が出てしまいこのまま投薬は無理とゆうことで全摘出かアイソトープかとゆうことになりアイソトープを選びました。 しかしアイソトープ後半年で数値が上がってしまい再度アイソトープをするか全摘出をするかと担当医師から言われました。 知り合いの方は同じバセドウ病で投薬治療していましたが橋本病に反転してしまいとても辛いと聞いたのでどうしようかと家族で何度も話し合いましたがまだ結果が出ず…。 主人のいとこもバセドウ病で全摘出ではなく少量残したと聞きました。 良いアドバイスがあれば宜しくお願いいたします。
16歳の娘がバセドウ病と診断
娘が昨日 エコーと血液検査の結果 バセドウ病と診断され、メルカゾールの服用を始めました。まだ 16歳なので 副作用の出る可能性のある薬の服用が心配です。 まだまだ先の事ですが、服用中は妊娠も出来ないと聞いた事があります。(それまでに治れば良いのですが…) 若年層のバセドウ病に対しての最適な治療方法と どのような事に注意していったらいいのか 教えてください。
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。
「甲状腺機能亢進症」を登録すると、新着の情報をお知らせします
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。