せんいきんつうしょう

線維筋痛症

最終更新日
2021年10月11日
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2021/10/11
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

線維筋痛症(せんいきんつうしょう)とは、関節や筋肉、腱など全身の広い範囲に、3か月以上も激しい痛みが続く病気のことです。痛みに関連して、不眠やストレス、抑うつ状態を引き起こすこともあります。

原因はいまだ分かっていないことから、一般的に病院で行われる検査では異常が見られず正しい診断をすることが難しい病気です。そのため、多くの患者は診断がつくまでに複数の病院を受診し続けるといわれ、潜在(診断がつかない)患者を含めると、日本ではおよそ200万人の患者がいると考えられています。このうち80〜90%は女性で、特に30〜60歳の人によくみられることが特徴です。

線維筋痛症の治療では、線維筋痛症の主な症状である痛みを軽くし、日常生活に支障が出ない程度までコントロールするために行われます。患者の症状に合わせて主に薬物療法や非薬物療法が検討されます。

原因

確実な原因はこれまでのところ特定されていなく、今後のさらなる研究が必要とされています(2021年10月時点)。ただし、今までの研究から遺伝的な要因や心理・身体的なストレスのほか、手術やけがなどが発症に関与する可能性があることが指摘されています。

また、脳における痛みの情報処理の過程に何かしらの障害が存在する可能性もあるといわれています。痛みは、問題が生じている部位からの信号を脳が受け取り、それに脳が呼応する形で“痛み”として危険信号を発信することで発生します。線維筋痛症では、この情報伝達の間で何らかのトラブルが生じていると考えられています。

症状

全身の痛み

線維筋痛症の主な症状は、慢性的に持続または断続する全身性の痛みです。関節や筋肉、腱など広範囲で生じることもあれば、一部のみに生じることもあります。痛みの程度には個人差があるほか、日によって波があります。特に睡眠不足や精神的なストレス、過度の運動、天候によって左右される傾向があるとされています。

また、本来であれば痛みを誘発しないような軽い刺激(髪が触れた程度)であっても、激烈な痛みが生じることがあります。このような痛みによって仕事や家事などが手につかなくなったり、寝ても目が覚めてしまったりするなど、時に日常生活や社会生活が困難になることもあります。また、痛みの症状以外にも、関節リウマチに類似した朝方のこわばりを感じることもあります。

痛みに伴う症状

慢性的な痛みからストレスが蓄積して抑うつ状態や不眠、慢性的な疲労などを引き起こすこともあります。そのほかに報告されている症状としては、口や目の渇き、手指の腫れ、寝汗、腹痛、下痢、便秘、動悸、呼吸苦、嚥下障害(えんげしょうがい)頭痛、ふるえ、めまい、浮遊感、耳鳴り、難聴、筋力低下、まぶしさなどがあります。

線維筋痛症は持病を元に発症することもあります。そのため、上記に挙げた痛みに伴う症状の中には、以下の病気に伴った症状を表現しているものもあります。

など

検査・診断

線維筋痛症では、血液検査や尿検査、画像検査など一般的に病院で行われる検査からは異常を見つけることはできないとされています。したがって、診断のためには問診と身体診察がとても重要です。

具体的には、痛みの期間や部位、痛みの程度などを基に評価します。このほか線維筋痛症は別の病気が原因となって起こっていることもあるため、各種原因疾患に対応した検査が行われることもあります。

治療

線維筋痛症に対する治療は、患者の症状に合わせて主に薬物療法や非薬物療法が検討されます。

薬物療法

薬物療法ではさまざまな治療薬の処方が検討され、治療薬単独で処方されることもあれば、複数の治療薬が処方されることもあります。ただし、治療薬を服用しても痛みが完全に消失しない傾向にあり、あくまで痛みを緩和する目的で用いられることが一般的です。

痛みの症状に対して検討される主な治療薬は、抗けいれん薬の“プレガバリン”や“ガバペンチン”、抗うつ薬(セロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬)の “デュロキセチン” “ミルナシプラン”などがあります。ただしガバペンチンやミルナシプランは、日本においては保険適用ではありません。

さらに、臨床では慢性疼痛(とうつう)の適応を取得している抗うつ薬も使用されています。

非薬物療法

非薬物療法では、鍼治療や運動療法、リハビリテーション、疼痛に対する認知行動療法などが検討されます。医師と相談しながら、自分に合ったものを取り入れることが大切です。

運動療法としては、ヨガや太極拳などが検討されるほか、リハビリテーションでは理学療法士が体に触れて動かす徒手治療や柔軟訓練、バランス訓練などが検討されます。

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