ろっかんしんけいつう

肋間神経痛

最終更新日:
2023年01月26日
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2023/01/26
更新しました
2017/04/25
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治療

肋間神経痛の治療は続発性の場合と原発性の場合で異なります。

続発性肋間神経痛の治療

続発性の場合は、原因となっている病気に対処することが第一となり、それぞれに適した手術や患部の固定、服薬治療などの治療が優先して行われます。特に帯状疱疹は早期から抗ウイルス薬を投与しないと症状が長引くことがあるので注意が必要です。また、帯状疱疹の後遺症である帯状疱疹後神経痛が生じている場合、原因への対処は困難です。

原因疾患への対処が困難な場合や対処しても痛みが残る場合、あるいはその両方の場合には、原因疾患の病態に応じて、日本ペインクリニック学会の作成する“神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン”の指定する薬(医療用麻薬を含む)の使用や神経破壊ブロック注射(原因疾患の病態によっては適応とならない場合もある)などを行います。なお、急性帯状疱疹のような炎症性疾患への使用を除き、一般的な抗炎症薬(NSAIDs:Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)は効果がないため、注意が必要です。

帯状疱疹の予防

帯状疱疹やその後遺症である帯状疱疹後神経痛は、前述のとおり治療が困難なことから予防が重要です。特に帯状疱疹の好発年齢である50歳以上の人にはワクチン接種を推奨しています。

帯状疱疹のワクチンには不活化ワクチン*と生ワクチン**の2種類があり、昨今の研究では不活化ワクチンの方が生ワクチンよりも持続性・有効性が高いことが分かってきました。具体的には生ワクチンの有効性が60~70%程度、不活化ワクチンが90~95%程度とされています。また、生ワクチンの場合は、特に70歳以上の人が接種した場合の有効性が大幅に落ちるといわれています。

持続性に関しても、生ワクチンが3~5年程度持続するのに対して、不活化ワクチンが10年以上と、こちらも不活性ワクチンのほうが高いとされています。

また、生ワクチンはステロイドを使用中の人やがんの治療中の人など、一般的に帯状疱疹にかかりやすいとされる免疫に異常のある人は接種できません。

ワクチンは2種類とも保険適用外ですが、生ワクチンが7,000~9,000円程度、不活化ワクチンが40,000~50,000円程度(2~6か月間隔で2回接種)と価格や接種回数にも違いがあります。接種時は担当の医師とよく相談し、それぞれのワクチンの特徴を理解したうえで検討するとよいでしょう。

*不活化ワクチン:不活化(殺菌)されたウイルス・細菌を材料として作られたワクチン

**生ワクチン:生きたま弱らせたウイルス・細菌を材料として作られたワクチン

原発性肋間神経痛の治療

急性期の原発性肋間神経痛の場合、特に肋間神経ブロック注射によって症状の改善が期待できます。これは、肋間神経に局所麻酔薬を直接注入して痛みを麻痺させる治療です。ただし、施行できる医療機関が近隣にないなどの理由で対応が間に合わないこともあるため、場合によってはNSAIDsやその他鎮痛薬、湿布薬、漢方薬(芍薬甘草湯)などが併用されます。また、鍼灸も有効な場合があります。

痛みに対する予防としては、適度な運動を日常的に行うこと、十分な休息を取ること、呼吸法やヨガなどでストレス耐性を高めることなどがあります。なお、痛みが酷くなる場合には、ストレッチなどの運動は行わないほうがよいとされます。

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