治療
確定診断は右心カテーテル検査で行い、臨床分類や原因疾患に応じて治療方針を決定します。
第1群の肺動脈性肺高血圧症には、まず酸素療法や利尿薬投与を検討します。次に肺高血圧症の重症度(死亡リスク)を評価したうえで、肺血管拡張薬を投与します。
肺血管拡張薬には(1)プロスタサイクリン系製剤(プロスタグランジンI2誘導体製剤、選択的プロスタサイクリン受容体作動薬)、(2)エンドセリン系製剤(エンドセリン受容体拮抗薬)、(3)一酸化窒素系製剤(ホスホジエステラーゼ5阻害薬、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬)の大きく3つのグループがあります。各グループから1剤ずつ、2剤以上組み合わせる場合が多いですが、最大限の治療でも不十分であれば肺移植を考慮します。
第4群の場合には、必要に応じてまず酸素療法や抗凝固療法(血液を固まりにくくする治療)を行います。次に、治療選択肢として肺血管拡張薬、血栓で狭くなった動脈を内側から広げるカテーテル治療、血栓を取り除く外科手術があり、病変の分布や重症度により治療方法を判断します。
第2群、第3群、第5群の場合は、主として肺高血圧症の原因となっている病気の治療を行います。
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