原因
毛髪にはヘアサイクルという周期があります。通常の毛髪は、(1)成長期、(2)退行期、(3)休止期の3期を繰り返しており、このうち毛髪が大きく成長する成長期は2年から6年ほどあります 。
AGAでは、髪の毛が伸長するべき成長期の期間が正常よりも短くなってしまい、しっかりと髪の毛が伸びる前に伸張反応を止めてしまいます。その後、退行期、休止期へとうつることから、髪の毛が抜け落ちてしまいます。
AGAの発症には、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)が関与しています。DHTの働きが強い状態では、毛髪の伸張反応が抑制されてしまい、結果として脱毛症の発症につながります。DHTは、男性ホルモン受容体と呼ばれる部位にはたらきかけることがわかっており、男性ホルモン受容体は、頭頂部や前頭部の毛髪に多く存在していることから、AGAによる脱毛症状は同部位に起こりやすいです。
AGAと遺伝的素因の関係
AGAには遺伝的素因も関係していると考えられています。AR受容体とも呼ばれる男性ホルモン受容体の感受性の高さは、AR遺伝子という遺伝子により決まります。AR遺伝子の中にはCAG塩基配列が繰り返される部分が存在しており、この繰り返し配列が短い人ほどAGAになりやすいと考えられています。
AGAの診断では遺伝子診断を行うことがありますが、この繰り返し配列の回数を確認することでAGAを発症しやすいかどうかを調べます。
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