
新型コロナウイルス感染症流行により電話・オンライン診療に関心を持つ方、実際に利用する方が増加しつつあります。AGA(男性型脱毛症)などの自由診療の領域においては従来からオンライン診療が行われており、多忙で病院に足を運ぶことが難しい方を中心にオンライン診療を利用する方もいます。
今回はAGA治療におけるオンライン診療受診の流れやメリット・デメリット、薬の受け取り方などについて浜松医科大学 皮膚科学講座 准教授 伊藤 泰介先生にお話を伺いました。
※本記事は、2020年6月17日時点の医師個人の知見に基づくものです。
オンライン診療を希望する患者さんでも、初回診療(初診)は病院に足を運んでいただき対面診療を受けていただきます。これは抜け毛の原因を明確にして治療を行うために、初回の診察・診断が重要だからです。初診でAGAによる抜け毛であると診断された場合、2回目以降の診療ではオンライン診療を利用することが可能になります。オンライン診療では、情報通信デバイスを利用して映像・音声によるテレビ電話形式での診療が行われた後、治療薬が処方されます。
AGA治療でのオンライン診療とは異なると認識しています。現在新型コロナウイルス感染症流行中の特別措置として行われている電話・オンライン診療は主に保険診療に対する規定であるほか、あくまで時限的なもので新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着けば解除されます。この特別措置では病状によっては初診から電話・オンライン診療の受診が可能なケースがあるほか、テレビ電話ではなく音声のみの電話でも受診が可能な場合があります。また元来オンライン診療を実施するために、医師は厚生労働省の指定する研修を受ける必要がありますが、この特別措置の期間中は研修を受けていない医師であっても電話・オンライン診療を行うことが可能です。そのため、日頃オンライン診療を実施していない医療機関でも、時限的に電話・オンライン診療を実施している可能性があります。
一方AGA治療などで行われてきた従来のオンライン診療は、前述のとおり初診は原則対面診療が必要です。また、情報通信デバイスを利用して映像・音声込みのテレビ電話形式で受診する必要があります。さらに、オンライン診療を実施できるのは研修を受けた医師のみなので、実施できる医療機関は限られます。
AGA治療におけるオンライン診療の患者さん側のメリットとしては、やはり利便性が高いことが挙げられます。病院に足を運ぶ手間が省けるので、忙しくて病院に通えないうちに薬を切らしてしまうようなことが避けられます。
一方デメリットとしては、細かいメンテナンスが受けられないことが考えられます。対面診療の際、医師は患者さんの話や実際の様子、検査結果などから薬の効果が出ているか、副作用が生じていないかなどさまざまなことを確認しています。しかし、オンライン診療だとどうしても細かい様子の変化は汲み取れないため、よりよい治療薬の提案などがしにくい側面があります。そのため、オンライン診療を希望する方でも数回に一度は対面診療を受診し、医師と直接コミュニケーションを取ることを検討してもよいのではないでしょうか。
AGA治療の場合、院内で処方された薬を郵送で患者さんの自宅に届けることが一般的です。支払いはカード決済が一般的であるため、多くは薬局や病院に足を運ぶことなく薬の受け取り・料金の支払いが可能です。
AGA治療は自由診療のため、対面診療でもオンライン診療でも料金の設定は医療機関によってさまざまです。現段階では、対面診療よりオンライン診療のほうが料金を安く設定している医療機関が多いようです。
まずは、オンライン診療を受けるために必要な情報通信デバイスが必要です。スマートフォン、タブレット端末、パソコンなどに加えインターネット環境を用意しましょう。オンライン診療専用のアプリなどを活用している医療機関もありますので、詳しくは受診する医療機関にご確認ください。
また、オンライン診療を受ける際も対面診療を受ける際と同様、前回の診療時から変化があったことを説明できるようにしておいていただきたいです。たとえば、体重や食事内容、AGA治療以外で服用している薬などに変化があれば、担当医に必ず伝えるようにしてください。AGAの治療薬がほかの薬と飲み合わせが悪いということはほとんどありませんが、薬の服用によって抜け毛が増えるケースもあるからです。さらに抜け毛が生じている場合には、抜けた毛の長さや細さ、毛先がカットされているのか、自然に終わっているのかなども伝えられるとよいでしょう。
AGA治療に関するオンライン診療実施医療機関のリストというものは今のところありません。
厚生労働省の以下サイトはオンライン診療についての手順や対応医療機関リストなど、正しい情報を掲載しています。
【厚生労働省】
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライン診療について
AGA治療でもっとも大切なことは、治療の継続です。これはAGAが病気というより一種の生理現象であり、治療薬を服用することをやめてしまえば本来の姿に戻ってしまうためです。忙しくて病院に通える自信がない方、すでに病院の受診ができずに薬を切らしてしまっている方などは、オンライン診療をうまく活用して治療が継続できるような環境を作っていただきたいです。
とはいえ、治療の効果や副作用の状態を確認するためには、オンライン診療だけでは不十分な点があります。そのため基本的にはオンライン診療を受診し、数回に一度は病院に足を運んで対面診療を受けるなど、オンライン診療と対面診療を併用することも検討しましょう。
浜松医科大学 皮膚科学講座 准教授
関連の医療相談が11件あります
薄毛治療の相談
10年前にモヤモヤ病と診断されました。経過観察として一年に一度MRI .MRA をしています。薬はいただいていません。 薄毛治療を検討しています。治療しても大丈夫でしょうか?
腎生検をしたほうが良いのでしょうか
2ヶ月前から、吐き気がし食欲なく体重減少(10キロ)。現在は熱っぽく(37度弱),たんがよく出て食欲不振だったので、 かかりつけ医で血液検査したら腎臓数値高く入院することとなりました。入院し急性進行生腎炎でということでCTやMRI等で原因探したがわからず、最初年齢危険度(78歳)からあり得ないと言われていた腎生検をすると言われました。100のうち10位しか腎臓が機能してないらしく(✳︎)、急ぐということなのですが、これ以外の方法やまたこれで良いのか悩んでます。 ✳︎ BUN77 クレアチニン5 eGFR9と非常に高い
中性脂肪の激増
半年前の検査では中性脂肪220程度でしたが先月の検査では540まで上がってしまいました。すぐに内科に通院すべきでしょうか。それとも運動や食事である程度改善できる症状なのでしょうか。現在は週に2回程度60分の速足の散歩、魚中心の食事、EPA・DHAサプリメントの摂取は実行しています。
人間ドックの結果 尿酸値 腫瘍マークCEA
主人の人間ドックの検診結果が帰ってきました。 その中で尿酸値について今回はお伺いしたいです。 尿酸値の数値が人間ドックを始めて以来去年を除いてほとんどひっかかります。 ですが、主人はお酒も嗜む程度(チューハイ1日1本ほど)、173センチ62キロと、細身です。 今年の数値は7.1で、去年はコロナの影響で外食がストップし、とても体重が落ちた(19年に68キロあった体重が59キロまで落ちました)こと嗜む程度もお酒を飲まなかった?こともあり6.4でひっかかりませんでした。 因みに19年は7.6でした。 お酒といえば私の方がよほど飲みますが、尿酸値は引っかかったこともなく、なぜだろうと言う感じです。 どうすれば改善できるのかいまいち分かりません。ストレスや運動不足からも尿酸値は影響をうけますか? 食事方法などアドバイスいただけると嬉しいです。 普段の主人の生活で言うと、会社経営のためストレスは多く、食事管理はしっかりしてるつもりですが、お菓子はよくたべているようです。 あと、ずっと車の生活で運動は一切してません。 後、過去の質問にもありますが、今年の腫瘍マークCEAは3.3でした。 19年 2.9 20年 2.9 21年 3.3 と、少し上がっていますが、基準内なので気にしなくて大丈夫でしょうか? 腹部エコー、胸部腹部CTは人間ドックの検査にすでに含まれており問題なしとのことでした。 よろしくお願いします。
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。
「AGA」を登録すると、新着の情報をお知らせします
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。