編集部記事

自分でできる“抜け毛”の予防法とは?〜生活習慣や食事、シャンプーなどの注意点〜

自分でできる“抜け毛”の予防法とは?〜生活習慣や食事、シャンプーなどの注意点〜
齊藤 典充 先生

なごみ皮ふ科 院長、神奈川県皮膚科医会 副幹事長

齊藤 典充 先生

目次
項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

髪の毛の成長には周期が存在し、成長期・退行期・休止期の3つの時期に分けられます。休止期の間に髪の毛は通常1日に50〜100本程度が抜け落ちるとされているため、その範囲であれば特に気にする必要はないでしょう。しかし、それ以上髪の毛が抜ける場合は治療や対処が必要なこともあります。また、抜け毛の原因には日常生活における習慣的な要因や、病気による脱毛症などさまざまな可能性があり、抜け毛を予防するにはそれぞれの原因に合わせた対処が重要となります。

この記事では、過剰な抜け毛の主な原因や特徴を踏まえて、予防法について詳しく解説します。

過剰な抜け毛の主な原因としては、日常生活によるものと病気によるものの2種類があります。考えられる病気は数多くありますが、その中で代表的なものを挙げて解説します。

日常生活による原因の例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ドライヤーの過度な使用
  • パーマやヘアカラーによる薬剤での刺激
  • 三つ編みやポニーテールなどで髪を引っ張る行為
  • 栄養不足や生理的、精神的ストレス
  • 髪をねじったり、引っ張ったりする行為

男性ホルモンの影響により脱毛が進行するもので、男性の場合は前頭部もしくは頭頂部から脱毛の症状が現れます。また、女性の場合はFAGA(女性型脱毛症)と呼ばれることもあり、前頭部と頭頂部の間が薄くなるといった症状が現れます。ただし、原因は男性と異なり、よく分かっていません。

頭部に円形の脱毛斑が現れ、重症の場合には円形の範囲が拡大もしくは複数の脱毛斑が現れることもある病気です。頭部だけでなく体毛がある場所であれば、どこにでも発症することがあります。主に体内の免疫(リンパ球)が誤って毛包(髪を作り出す組織)を攻撃してしまうことで発症すると考えられています。

また、円形脱毛症の半数は自然に治るとされていますが、一度治ったように見えても再発する可能性もあります。さらに、アトピー性皮膚炎などの合併症として発症する可能性もあるため、その場合はアトピー性皮膚炎自体の治療法も重要となります。

脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は男性に多く見られる皮膚炎で、頭皮にふけが発生する、かゆみが生じるといった症状が徐々に現れることが特徴です。原因は不明ですが、家族内での遺伝やストレスによって悪化するといわれています。

このほかにも、先天性脱毛症や抜毛症(抜毛癖)と呼ばれる自分で毛髪を抜いてしまう病気もあります。

抜け毛の予防法は、抜け毛の原因となるような病気の治療、生活習慣の見直しなどが挙げられます。

抜け毛の原因となるような病気を抱えている場合は、皮膚科などでその病気にあう適切な治療を受けるとよいでしょう。

たとえば、円形脱毛症の場合にはステロイドのぬり薬や内服薬、局部注射による治療が行われます。また、脂漏性皮膚炎の場合にはステロイドや抗菌薬などの外用薬で治療が行われます。

抜け毛予防のためには生活習慣の見直しも大切です。抜け毛は体の調子やストレスと関係性があると考えられているため、できる限り規則正しい生活を心がけましょう。特に、睡眠不足やたばこの吸い過ぎ、過剰なアルコール摂取は避けるとよいでしょう。

また、髪の毛を作り出すための成分である亜鉛や鉄分などを含め、たんぱく質や糖質、脂質、ビタミンもバランスよく摂取するために食生活を見直すことも重要です。

そのほか、頭皮を綺麗な状態に保つためにシャンプーによる洗髪は2日に1回程度は行いましょう。ただし、頭皮を傷つけてしまうことがあるため、強くこすったり過剰な頭皮マッサージなどは避けてください。

抜け毛の原因には病気や生活習慣のほかにも、遺伝やストレスなどさまざまなものが考えられます。まず自身でできる抜け毛予防策としては、生活習慣の見直しを行うことが挙げられます。できる限りストレスをためないように睡眠時間の確保やバランスの取れた食事を心がけ、たばこの吸い過ぎやアルコールの過剰摂取も避けるようにしましょう。そのほか、過剰なヘアケアや髪の毛を傷めるようなパーマやカラーリングにも注意が必要です。

しかし、病気が原因となっている可能性もあるので、気になる症状がある場合は医師に相談するとよいでしょう。

受診について相談する
  • なごみ皮ふ科 院長、神奈川県皮膚科医会 副幹事長

    齊藤 典充 先生

「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。

    関連記事

  • もっと見る

    関連の医療相談が10件あります

    ※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。

    「抜け毛」を登録すると、新着の情報をお知らせします

    処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

    「受診について相談する」とは?

    まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
    現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

    • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
    • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。
    実績のある医師をチェック

    抜け毛

    Icon unfold more