抜け毛の原因って？〜毛染めやパーマ、ダイエットのほかにも病気が原因になっている可能性が〜

髪の毛は毎日50～100本程度であれば、頭皮から抜け落ちるのは自然なこととされています。しかし、髪の毛が成長しなくなってしまったり、1日に100本以上抜けたりする場合は、何らかの病気が関係している可能性があります。そのため、気になる症状がある場合は、原因を見つけるためにも医療機関への受診を検討しましょう。

本気記事では抜け毛が起きるメカニズムから原因までを詳しく解説します。

抜け毛のメカニズム

まず、髪の毛が生え変わる（成長する）メカニズムについて理解しましょう。

髪の毛は通常、一定の期間で自然に抜け、そこから新たに髪の毛が成長するといったサイクルを繰り返します。これを毛周期といい、正常な状態であれば一気に抜けたりすることはありません。

しかし、この周期が何らかの原因によって乱れて成長期が短くなったり、多くの髪の毛が休止期に入ったりすると、髪の毛が細くなったり抜け毛が多くなったりすることがあります。

• 成長期：約2～6年続く
• 退行期：約3週間続く
• 休止期：約2～3か月続く

抜け毛の原因

抜け毛（毛周期の乱れ）の原因は、毛染めやパーマなどのかぶれ、過度なダイエット、甲状腺の病気、膠原病(こうげんびょう)、出産後のホルモン変化、体質による頭皮の皮膚炎などによって引き起こされる場合があります。

たとえば、毛染めやパーマなどの刺激によって皮膚炎を起こした場合、休止期の毛が増えてしまうことで、2～3か月後に抜け毛が増えてくることがあります。また、抜け毛が生じる原因には病気が関係していることもあるため、自己判断はせず必要に応じて医療機関の受診を検討するとよいでしょう。

以下では、抜け毛の原因で考えられる病気について紹介します。

男性型脱毛症や女性型脱毛症

抜け毛の原因となる病気のなかでも代表的なのは男性型脱毛症（AGA）が挙げられます。これは男性ホルモンが変化したジヒドロテストステロンが増えることで、抜け毛が起こるものです。

また、女性にみられる女性型脱毛症（FAGA）は、男性ホルモンが増えることで抜け毛が起こるといわれていますが、近年は女性ホルモンの低下も原因となるのではないかと推測されています。

円形脱毛症

皮膚の病気や全身の病気などの明らかな原因がないにもかかわらず、円形に毛が抜ける症状は円形脱毛症と呼ばれます。これは、免疫が毛を作り出す部分を誤って攻撃することが原因だとされています。

ただし、円形脱毛症では抜け毛ではなく、丈夫な毛が成長しなくなるため毛が切れやすくなり、切れ毛が出てきます。抜け毛は回復期に生じることが多いです。

そのほかの病気や薬剤によるもの

慢性甲状腺炎（自己免疫疾患の1つで、甲状腺が正常に機能できなくなる）、クッシング症候群（コルチステロイドというホルモンが過剰な状態）、薬剤の副作用なども原因となることがあります。

また、膠原病でも抜け毛の増加がみられます。

抜け毛が起こることがある薬剤として、高血圧やにきび、けいれん発作、甲状腺疾患の治療薬などが挙げられます。

抜け毛が気になる場合は皮膚科などの受診を

抜け毛が多くなる原因にはさまざまなものがあります。このような原因を自身で判断することは難しく、万一病気が原因となっている場合は病気そのものの治療が必要になるため、まずは医療機関の受診を検討するとよいでしょう。そのうえで、抜け毛に関して不安や疑問がある場合は、医師に相談をして十分に説明を受けましょう。