症状
感染後、4日〜14日くらいの潜伏期間を経て発症すると考えられています。主な症状は発熱や、せきなどの呼吸器症状であり、インフルエンザの初期症状に似ています。しかしインフルエンザと異なり、MERSでは下痢をはじめとした消化器症状をともなうことが多いです。そのため、糞便中にはウイルスが多く含まれており、周囲へ感染を拡大させないためにも患者さんの糞便の取り扱いには注意が必要です。
一部の患者さんでは呼吸器症状が重症化することもあり、急性呼吸窮迫症候群(きゅうせいこきゅうきゅうはくしょうこうぐん:重症の呼吸不全をきたす疾患)を発症することがあります。そのほか、腎不全を含む多臓器不全や敗血症ショックをともなう場合もあります。
特に重症化のリスクが高いのは、糖尿病、COPD、免疫不全などの疾患を持つ方と高齢者です。また、尿中にもウイルスが現れる可能性があり、慢性腎臓病を持つ方に関しても注意が必要であると考えられます。
この記事は参考になりましたか?
この記事や、メディカルノートのサイトについてご意見があればお書きください。今後の記事作りの参考にさせていただきます。
なお、こちらで頂いたご意見への返信はおこなっておりません。医療相談をご要望の方はこちらからどうぞ。
「MERS」を登録すると、新着の情報をお知らせします
「MERS」に関連する記事
- 国立国際医療研究センター病院の感染症病棟で大切にしていること国立国際医療研究センター病院 国際感染症...大曲 貴夫 先生
- 国立国際医療研究センター病院の感染症病棟の実際とは? 設備や現場で働くスタッフについて国立国際医療研究センター病院 国際感染症...大曲 貴夫 先生
- 国内の感染症対策を担う国立国際医療研究センター病院の感染症病棟――その特徴と取り組みとは?国立国際医療研究センター病院 国際感染症...大曲 貴夫 先生
- 新興感染症と再興感染症とは? その種類と問題点国立国際医療研究センター病院 国際感染症...大曲 貴夫 先生
- MERSとは(4)―SARSと韓国におけるMERS流行の経験から考えるべきこと国際医療福祉大学塩谷病院 教授/中央検査部部長倉田 毅 先生
「MERS」に関連する病院の紹介記事
特定の医療機関について紹介する情報が掲載されています。
- スポンサード国立国際医療研究センター病院の感染症病棟で大切にしていること国立国際医療研究センター病院 国際感染症センター センター長、AMR臨床リファレンスセンター センター長大曲 貴夫 先生
- スポンサード国立国際医療研究センター病院の感染症病棟の実際とは? 設備や現場で働くスタッフについて国立国際医療研究センター病院 国際感染症センター センター長、AMR臨床リファレンスセンター センター長大曲 貴夫 先生
- スポンサード国内の感染症対策を担う国立国際医療研究センター病院の感染症病棟――その特徴と取り組みとは?国立国際医療研究センター病院 国際感染症センター センター長、AMR臨床リファレンスセンター センター長大曲 貴夫 先生