症状
感染後、4日〜14日くらいの潜伏期間を経て発症すると考えられています。主な症状は発熱や、せきなどの呼吸器症状であり、インフルエンザの初期症状に似ています。しかしインフルエンザと異なり、MERSでは下痢をはじめとした消化器症状をともなうことが多いです。そのため、糞便中にはウイルスが多く含まれており、周囲へ感染を拡大させないためにも患者さんの糞便の取り扱いには注意が必要です。
一部の患者さんでは呼吸器症状が重症化することもあり、急性呼吸窮迫症候群(きゅうせいこきゅうきゅうはくしょうこうぐん:重症の呼吸不全をきたす疾患)を発症することがあります。そのほか、腎不全を含む多臓器不全や敗血症ショックをともなう場合もあります。
特に重症化のリスクが高いのは、糖尿病、COPD、免疫不全などの疾患を持つ方と高齢者です。また、尿中にもウイルスが現れる可能性があり、慢性腎臓病を持つ方に関しても注意が必要であると考えられます。
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