症状
Q熱の病態は、大まかに急性型(急性Q熱)と慢性型(慢性Q熱)に分けられます。発症直後からしばらくの間が急性型でほとんどがこの期間に治りますが、適切な治療を行わないと感染が持続し慢性型に移行することがあります。
急性Q熱
一般的に原因菌に感染してもすぐには症状が現れず、2~3週間程度の潜伏期間を経てから症状が出てくるようになります。
無症状のまま経過することも多いですが、発症した場合には高熱や頭痛、悪心、倦怠感、筋肉痛などのインフルエンザ様の症状が現れます。軽度であれば風邪様の症状にとどまります。
多くの場合、このような症状は7~10日程度で自然に回復します。しかし、中には肺に影響が及んで肺炎が生じたり、肝炎が生じたりと重症化することもあります。
肺に影響が及んだ場合には、乾いた咳、胸痛、息切れなどがみられ、肝臓が障害されると右上腹部痛や、しばしば黄疸(皮膚や白眼が黄色く変色した状態)が生じます。また、妊娠中に感染した場合には流産や早産のリスクが高くなります。
慢性Q熱
急性Q熱から慢性Q熱に移行する割合は2~10%とされ、急性Q熱の回復後しばらくしてから倦怠感、不眠、関節痛などの症状が現れ、長期間持続することがあります。
また、慢性Q熱では心臓の内膜と弁が侵されて心内膜炎が起こることやそのほか骨、人工関節、肝臓が障害されることもあり、一般的に慢性Q熱になると難治性となります。
この病気によって死亡することは極めてまれですが、心臓は生命維持に重要な役割を担っているため、心臓が障害されていると死亡率が上がります。
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