幅広い対応とグループ連携で地域医療に貢献する横浜鶴ヶ峰病院

1982年の開設以来40年以上の歴史を刻んできた医療法人順正会 横浜鶴ヶ峰病院は、幅広い診療科を有して総合病院として地域の方に医療を提供しているほか、二次救急（手術や入院が必要な重症患者に対する医療）にも対応しています。医療法人 順正会グループの主軸的存在でもある同院は 、地域の人たちにとって“何でも相談できるかかりつけ医であり、いざというときも頼れる救急病院” となっています。そんな横浜鶴ヶ峰病院の特徴や強み、順正会グループ間の連携などについて、同院の院長である武藤 治(むとう おさむ)先生にお話を伺いました。

1982年6月に鶴ヶ峰病院として開設された医療法人順正会 横浜鶴ヶ峰病院は、順天堂大学病院の関連病院です。当院でも順天堂大学の精神である“名医たらずとも良医であれ”という言葉を信念とし、各科のドクターも地域の皆さんの主治医として信頼していただけるよう、患者さま本位の診療をすることを常に心がけています。

さまざまな疾患・症例の患者さんに適切に対応できるよう、当院は整形外科・眼科・歯科・泌尿器科など複数の診療科やセンター機能を有し、さらに訪問看護の実施、介護療養型医療施設（※現在は介護医療院）の併設など、“65歳以上の高齢者の方が多い”という横浜市旭区の現状に合わせた医療提供を実現するため努力を続けてきました。

また当院は、こうしたかかりつけ医的な対応だけでなく、横浜市の二次救急指定病院として救急医療にも携わっております。

“地域の皆さんに気軽に頼ってもらえるかかりつけ医としての機能＋急性期医療などを手掛ける基幹病院的な機能”の両方を備えていること、これこそが当院最大の特徴といえるでしょう。

当院は数多くの診療科を有しておりますが、その中でも特に大きな強みと言えるのが整形外科です。

当院の整形外科は開設以来ずっと順天堂大学医学部整形外科学教室の関連病院であり、この交流を生かして非常勤医の応援などを受けています。私自身、同科を卒業後は2010年から当院での非常勤勤務を開始し、2018年に念願の常勤医師になったという経緯があります。

このような交流を通じて、1936年から長い歴史を紡いできた順天堂大学整形外科教室のノウハウをうまく引き継いでいるからこそ、当科では大学病院レベルの整形外科医療の提供が可能となっているのです。

2021年7月からは当科内に脊椎センターと人工関節センターを新設、スタッフや設備も充実し、より多くの患者さんに人工膝関節・人工股関節・脊椎手術の提供ができるようになりました。2023年には人工膝関節置換術が57件、人工股関節置換術は83件と、地域でも多くの手術を行っています。また、当院は紹介状がなくてもご来院いただける上、診察から、場合によっては手術まで対応させていただくことが可能です。“かかりつけレベルから、脊椎や人工関節に関する高度医療まで広くカバーできる”という点が、当科最大の強みといえるでしょう。

さらに2024年12月には、肩・膝・スポーツ・関節鏡センターを新設しました。当センターでは、肩・膝・肘・手・足関節などの疾患に対し、関節鏡を用いた低侵襲(ていしんしゅう)（体への負担が少ない）な手術を実施しており、小さなお子さんからご高齢の方まで、幅広い世代の診療に対応しています。一人ひとりの状態に合わせた診療を行えるよう、専任の医師･看護師･理学療法士･放射線技師などをそろえ体制を整えていますので、年齢問わずスポーツ外傷・傷害のある方や、日常生活動作で肩・肘・膝・足の違和感や痛みが取れない方など、当センターにご相談いただければと思います。

地域の高齢化進行とともに、運動器に不調や疾患を抱える方も増えてきています。そうした状況の中、当科がこの地域で果たすべき役割は今後ますます大きくなっていくはずですので、そのニーズに応えるための体制づくりを今後も続けていきたいと考えています。

当院は、医療法人 順正会グループの主軸となる医療機関です。

当院は数多くの診療科だけでなく、総合健診センターや介護医療院、さらには訪問看護や居宅介護支援を行う“アネックス地域医療”も有しており、幅広い医療に対応できる点が強みですが、それでも当院だけで万全の対応ができるわけではありません。地域の皆さんにより良い医療提供ができるよう当院が重視しているのが、順正会グループ全体の強い連携です。当院をはじめとした順正会グループの各施設は、グループ全体での意識共有・情報共有を図った連携を常に心がけております。そしてこの連携により、当院だけでは不足しがちな部分を補えるだけでなく、グループ全体で地域医療をより広くカバーできるという強みも生まれているのです。

ここで、当院以外の順正会グループの施設について、それぞれ簡単にご紹介しましょう。

予防医療クリニック

予防医療クリニックは当院の付属施設であり、鶴ケ峰駅のすぐ近くという好立地が魅力です。

人間ドックや健診業務対応だけでなく、糖尿病内科・婦人科・乳腺外科・免疫療法室も併設することで本格的な予防医療にも対応しております。“疾病の未然防止・進行防止・再発防止”という3つの予防医療を軸に、患者さんの健やかな暮らしを生涯にわたりサポートいたします。

まいた整形外科クリニック

整形外科とリハビリテーション科を有するまいた整形外科クリニックは、当院に遠方からお越しくださる整形外科患者さんのニーズに少しでも応えられるよう、横浜市南区の蒔田駅近くという立地を選び2023年4月に開設しました。

このクリニックは当院の分院であるため、手術や入院が必要となった患者さんに対する診療引き継ぎがとてもスムーズです。

他にも“横浜鶴ヶ峰病院のMRI検査枠を直接確保できる”“PRP療法（患者さんの血液を利用した再生医療）”においても、横浜鶴ヶ峰病院が所有する細胞培養加工施設を利用して患者さんの金銭的負担を抑えられるなど、分院ならではのメリットを最大限に生かせるという強みもあります。

当院は“患者さんにとって身近で優しく、頼りになる存在”でありたいと考え、健康診断やかかりつけ対応、救急対応、介護医療対応など、幅広い対応をするための体制をこれまでも可能なかぎり整えてきましたが、それでも当院の発展はまだまだ道半ばです。

現状に満足せず、地域の皆さんにもっと当院のことを知ってもらえるよう、皆さんの期待により応えられるよう、体制改善や積極的な情報発信を心がけていきたいと考えております。

地域に根づいた医療機関として “真の意味で地域に開かれた病院になる”ことを目指し努力を続ける所存ですので、今後も当院の運営に対するご理解・ご協力を賜れれば幸いです。