院長インタビュー

医療人を育て、急性期病院として東京都北区の救急医療を担う東京北医療センター

医療人を育て、急性期病院として東京都北区の救急医療を担う東京北医療センター
メディカルノート編集部  [取材]

メディカルノート編集部 [取材]

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東京都北区赤羽台にある東京北医療センターは、年間6,000台以上の救急車を受け入れる急性期病院です。開設当初から力を入れている小児救急のほか、高齢化が進む地域の医療需要に合わせて高齢者向けの心血管疾患や脳血管疾患の治療も力を入れており、現在28もの診療科をもつ総合病院となっています。

地域振興医療協会の病院として医療人材の育成にも注力し、研修医からの人気も高い同院が提供する医療について、同センターの管理者である宮崎(みやざき) 国久(くにひさ)先生にお話を伺いました。

当院は2004年に東京都北区赤羽台に開設された東京北社会保険病院を母体とし、2014年に地域振興医療協会の病院「東京北医療センター」となりました。現在は北区の急性期病院(緊急かつ重症な患者さんに高度な医療を提供する病院)として、北区だけでなく周辺の豊島区、板橋区、足立区などからも救急の患者さんを受け入れており、年間での救急車搬入数は6,000台を超える病院です。

救急だけでなく、さまざまな疾患に総合的に対応できることも当院の特長です。この地域は年々高齢化が進んでいるため、心血管疾患や脳血管疾患、がん糖尿病といった高齢の方に多い病気に対応した診療科が必要です。一方でお子さんも多い地域であることから、開院以来、24時間体制の小児救急を始めとした小児医療にも注力してきました。その結果として、当院は28もの診療科を揃える総合病院となっています。

なかでも当院の一番の特長は、総合診療科を重視している点です。

現在はますます各診療科の専門化が進んでいますが、実際の治療の現場ではとくに高齢の方は複数の病気を持っていることが多い状況があります。それなのに、単独の病気でしか受診できない場合は他の病気への対応が遅れてしまうことになります。
そこで当院では複数の病気をもつ患者さんへの対応に力を入れています。外来でいらっしゃる患者さんや当院の内科に入院する患者さんの大部分はまず総合診療科が診察や治療を行い、必要に応じて他の専門科に紹介することで、より精度の高い医療を提供しています。
救急の患者さんの場合も、緊急な初期診療は救急科が行い、その他の初期診療は総合診療科と他科が連携して行うことで、より効率的により安全な救急医療を行うことができます。
また、当院の総合診療科は入院されているときだけでなくより包括的な医療サービスを行っており、必要があれば医師や看護師が訪問診療や在宅医療にも関わっています。

耳鼻咽喉科には飯野ゆき子先生がいます。先生は鼓室形成術で6,000を超える症例数を持っており、他県からも患者さんがいらっしゃっています。
今後はますます進む高齢化を見据え、高齢の方に多い病気に対応していきます。例えばがんについては新たな放射線療法を2026.1~開始し、化学療法や手術と合わせたがんの集学的な治療を当院で実施できるようになりました。増加を続ける救急の患者をもっと当院で受け入れることができるようICUの拡充も図り、地域の医療ニーズに対応していく予定です。

当院は地域医療支援病院であり、地域のかかりつけ医と連携して患者さんに最適な治療を提供することが求められています。
そこで我々は、紹介いただいた患者さんへ適切な治療を行う一方、当院を退院された患者さんは地域の医療機関やかかりつけ医の先生方を支援して患者さんを診させていただいています。また、もしも患者さんに何かあった場合は必ず引き受けることとしており、必要とあればドクターカーでお迎えに上がっています。
特にご高齢の方への医療は、我々だけではできません。「基本在宅、ときどき入院」を目指し、今後も地域の先生方と役割を分担しつつ、いざというときに頼りにされる病院であり続けます。

当院が所属している地域振興医療協会は、医師不足であるへき地への医師の派遣を目的の1つとして掲げています。我々は地域振興医療協会で基幹的な役割を担っており、特に医師の育成と派遣には特に力を入れ、研修プログラムの充実を図ってきました。その結果2022年は研修の募集枠に対する希望者数の割合が全国7位になり、優秀な若い医師が救急から在宅までを現場で学べる当院で働いています。

また、地域振興医療協会は社会への貢献を重視しています。当院は東京都から災害拠点病院に指定されているこもとあり日頃から地域で突発的な災害が起きたときに皆さんの健康を守る体制を整えていますが、全国で災害が起きたときはこの経験を生かして被災地に医療スタッフを派遣しています。東日本大震災では地域振興医療協会の病院である福島県の女川町地域医療センターに医療スタッフを派遣し、被災地での医療をサポートしました。新型コロナウイルス感染症の初期段階にはダイヤモンド・プリンセス号の患者さんを迅速に受け入れましたが、これも社会貢献を重視する協会や当院にとっては自然なことだったと思います。

社会への貢献という理念は、SDGsへの取り組みにも繋がっています。当院では環境に配慮するため、紙の使用を減らしています。例えば当院では、他の病院さんで見られるような壁への紙による掲示は一切ありません。院内の情報は各所に設置したデジタルサイネージで伝えています。

私は長崎県の島で生まれ育ち、地元の病院で働いていた経験があります。そこではその病院がまさに最後の砦であり、救急の患者さんを1人でも多く受け入れることを大切にしていました。私は当院でも、その病院と同様、救急の患者さんをなるべく断らない方針を続けています。
 

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