院長インタビュー

済生会みすみ病院の取り組み─地域との交流を大切にした診療

済生会みすみ病院の取り組み─地域との交流を大切にした診療
庄野 弘幸 先生

済生会みすみ病院 院長

庄野 弘幸 先生

目次
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この記事の最終更新は2019年08月13日です。

済生会みすみ病院は熊本県宇城市三角町に位置しています。三角町は上天草市とも近いため、上天草市から来院される患者さんもいらっしゃいます。2003年から地域の中核病院としての歴史を刻み始めた同院は、回復期リハビリテーションを中心に、地域医療に貢献しています。同院の取り組みについて、院長の庄野弘幸先生にお話を伺いました。

自然に囲まれた場所に位置する済生会みすみ病院
自然に囲まれた場所に位置する済生会みすみ病院

当院は2003年に済生会みすみ病院として開院しました。もともとは国立療養所三角病院として地域医療に貢献していました。地域医療を提供していくなかで、国立療養所三角病院の統廃合が決まり、地域医療を守るために済生会が病院の運営を行うこととなりました。

開院当初は済生会熊本病院から来たスタッフも多いことから、三角町でも済生会熊本病院のような急性期医療で地域に貢献しようと考えていました。しかし、実際に地域に医療を提供していくなかで、地域から求められているのは超急性期医療のようなより専門性を求められる医療ではなく、地域に密着した回復期リハビリテーションを提供できる病院なのではないかと思い始めました。

そのため、2004年に病院機能を急性期から回復期リハビリテーションへ転換しました。地域に必要なニーズをくみ取り、柔軟に対応しています。

明るく清潔感あふれる外来待合室
明るく清潔感あふれる外来待合室

国立療養所から済生会へと変わり、まずは病院のことを知っていただこうと思いました。また開院の翌年には回復期リハビリテーション病棟を開設、地域のなかでも担う役割が変化したこともあり、近隣の先生方に当院を知っていただくことでスムーズな医療の提供を可能にしたいと思っています。

当院は2004年から出前・健康講座を実施しています。出前・健康講座では、三角町を中心に宇城市内や上天草市内の公民館などで講演し、2018年4月~2019年3月の1年間では71回開講いたしました。講師は医師や看護師に限らず、リハビリスタッフ、検査技師、管理栄養士、薬剤師がそれぞれのテーマについてお話ししています。なかでも「脳卒中認知症で寝たきりにならないために」の講師を務める藤岡先生は、名誉院長の一人であり現役の脳神経外科の医師でもあります。

地域の皆さんに病気やお薬、リハビリテーションなど自身の得意とする分野の情報をお届けし、健康で楽しい毎日を送ってほしいと思い取り組んでいます。

地域の皆さんへの日々の感謝の気持ちと当院について知っていただく機会のひとつとして、健康フェスタを開催しています。健康フェスタでは、栄養や薬について相談できるブースや、骨密度測定、アロマ足浴・ハンドマッサージなどの体験コーナーも用意しています。また、子どもたちに医療を身近な存在と感じていただけるように、内視鏡体験や職業疑似体験を実施しています。三角町や上天草市から多くの方々にご来場いただいています。健康フェスタを通じて、地域の皆さんに当院のことを知っていただくことはもちろん、子どもたちにとって医療に興味を持つきっかけになってほしいと思います。

健康フェスタ2018
健康フェスタ2018

循環器内科では、日々の外来診療で地域の健康を支えています。また、同じく循環器の病気を専門としている心臓血管外科の医師は済生会熊本病院から応援に来ていただいています。さらに、糖尿病外来でも第2週と第3週に、糖尿病の診療を専門とする医師がかかりつけ医と連携して診療しています。また、診療では三角町の方々だけでなく、上天草市にお住まいの方々も来院されています。当院が上天草市と近い位置にあるため、病院までの移動などのことを考えて当院を選んでくれているのだと思います。

三角町と上天草市から患者さんが来院されるため、上天草市の医療機関や行政とも密接な連携が重要になってきます。そのなかの取り組みのひとつとして、上天草市と連携した腎臓病の悪化予防を実施しています。三角町はもちろん、上天草市から来院される患者さんの健康もサポートしてまいります。

カンファレンスの様子
カンファレンスの様子

当院は回復期リハビリテーションに力を入れながら、地域の急性期医療の診療も行っています。転倒骨折、入院患者さんの誤嚥性肺炎などに対応しています。また、心筋梗塞脳卒中などの緊急を要する病気の疑いがある患者さんは、病状によって熊本市内の医療機関での診療をお願いすることがあります。熊本市内で超急性期の治療を受けていただき、病状が安定しリハビリテーションを受ける際に転院していただいています。熊本市内の急性期医療を担う医療機関とも密接に連携し、地域への充実した医療の提供に努めています。

庄野先生

地域の皆さんがこの三角町で元気に生活を送ることができるように尽力しています。医療の面では急性期医療や回復期リハビリテーションで支えていきます。また、出前・健康講座での予防医学を通じて地域の皆さんにも健康な生活を心がけていただきたいと思います。

職員の皆さんには、「ご自身の両親や祖父母など自分の身近な人が病気になった際に、済生会みすみ病院で治療を受けてもらいたいと思っていただけるような病院にしてほしい」ことを伝えています。ここは自分の病院なんだと思い、職員にも愛される病院を目指しています。そのために、まずは院内の働き方改革を始めました。当院の職員のなかには、子育て中のお母さんも多いことから産休・育休の制度を整えました。また、職員が産休・育休中に病院を支えてくれる職員のサポートもできるような制度も取り入れたいと考えています。理想の病院を目指し、職員一同で邁進してまいります。

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