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インタビュー

放射線治療中の日常生活―注意すべきこと

放射線治療中の日常生活―注意すべきこと
永野 尚登 先生

湘南藤沢徳洲会病院 放射線科 主任部長

永野 尚登 先生

放射線治療中には身体にさまざまな変化が起こるときがあります。
前の記事では放射線治療による副作用についてお話ししましたが、日常生活においてはどのようなことに注意していけば良いのでしょうか? 湘南藤沢徳州会病院の永野尚登先生にお聞きしました。

前の記事でも述べたように、私はよく「乙女食」を摂りましょうと言います。具体的には女性がデザートなどを楽しく食べるイメージです。同じように患者さん自身が「楽しく」食べられるものを摂ります。楽しく摂れればあめ玉のような軽いものでもいいでしょう。

それを踏まえて、少しずつ消化がよいもの、無理なく食べられるものを摂るようにしていきます。食べきれないときは少量ずつ何回かに分けて食べることもあります。食欲が落ちることが多いため、カロリーの高い食事をとる必要もありますが、それにとらわれて無理をしすぎないことが大切です。それよりも食べられるものを食べて、軽い運動をすることのほうが重要です。

当然のことながら休息や睡眠は十分にとりましょう。放射線治療を受けはじめたころには特に体に疲労感が出やすくなるため、この疲労を取っていくことが大切です。
ただし、一日中眠りっぱなしというのはよくありません。散歩などの軽く適度な運動をするよう心がけましょう。放射線治療が終わり、家に帰って30分ほど横になったあとは、普通に生活をして差し支えありません。

治療中でも一般的には入浴することは可能です。しかし、その際は皮膚に負担がかからないよう、ぬるめの温度のお湯にしましょう。
ちなみに真水がいちばん肌にしみるため、どうしても肌がしみる場合には食塩水を使いましょう。食塩水は500mlのペットボトルに食塩を5g入れて作ります。また、入浴剤を使うこともとても有効です。入浴中には皮膚をこすりすぎないようにしましょう。

入浴の際は、治療範囲のためにつけたマーキングが消えてしまわないように注意をします。しかし現在、湘南藤沢徳州会病院では一部、皮膚にマーキングする必要なく定位照射ができる、マーキングレスの放射線治療機器を使っています。マーキングがいらなくなると、肌を見せずに治療をできるようになります。

特に乳がん治療の女性の場合(40代がピーク)などは、マーキングなしで肌を見せずに治療できるようになれば精神的な負担を減らすことになります。また、マーキングが見えることを気にせずに好きな洋服も着られるようになります。このように、放射線治療は現代において、徐々に

  • 書かない
  • さわらない
  • 脱がない

治療になりつつあります。

きつい服装ではなく、ゆるめの服装を心がけましょう。特に、治療する部分を締め付けないようにすることが重要なポイントです。また、外出するときには治療する部分を日光に当ててしまうと皮膚に悪い影響が起きることがあるため、患部が直接日光に当たらないような、露出度があまり高くない服装を心がけましょう。頸部周辺に放射線を当てている方は、こすれないように、えりのない洋服がお勧めです。

治療する部位により毛を処理する注意点は異なってきます。たとえば、乳がんの治療をする場合には治療する側のわき毛処理は控えましょう。また、カミソリは皮膚を傷付けてしまいます。そのため、ひげそりをするときには、電気シェーバーを用います。どちらの場合も、皮膚に傷をつけないことが大切です。

最近はシェーバー用のクリームもシェーバー自体も質が高くなってきたので、傷つけずに毛の処理をできている人もいます。しかし、それでも注意しておくに越したことはありません。

記事1:放射線治療とは―目的、メカニズム、準備
記事2:放射線治療の方法―外部照射について
記事3:放射線治療の方法―内部照射について
記事4:放射線治療のメリットと効果
記事5:少なくなりつつある放射線治療の副作用と有害事象
記事6:放射線治療の副作用―急性期の具体的な副作用
記事7:放射線治療中の日常生活―注意すべきこと
記事8:放射線治療中の日常生活―皮膚の副作用と皮膚ケアについて

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  • 湘南藤沢徳洲会病院 放射線科 主任部長

    永野 尚登 先生

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