病気は、ご自身の今後を左右する重大な問題です。ですから、「患者さんにはご自身の病気について徹底的に調べてほしい」とがん研有明病院 婦人科医長の金尾祐之先生はおっしゃいます。信用できる施設や医師を見つけることの重要性と、婦人科における腹腔鏡手術の今後の展望についてお話しいただきました。
すべてのがんに共通していえることは、治療法を選択する際に重要なことは、どの治療法ががんの根治に繋がるのかを考えて選択することです。婦人科腫瘍においては、腹腔鏡手術が有用である場合とそうでない場合があります。(参考記事「婦人科領域の腹腔鏡手術の適応-卵巣がん、子宮肉腫では使えるのか」)また、開腹手術と腹腔鏡手術にはそれぞれメリットがあるため、どちらがよい治療法かという戦いは必要ありません。ひとつの手術において、あるところまでは開腹手術を行い、そのあとは腹腔鏡手術を行うというように、それぞれのメリットが活きる部分をうまく融合させた手術を行っていきたいと考えています。
腹腔鏡手術が婦人科から始まったことからもわかるように、婦人科は腹腔鏡手術を用いるメリットが多い領域といえます。これまでは骨盤の奥深くにできた再発腫瘍には用いられていませんでしたが、積極的に進めていきたいと考えていますし、今後も腹腔鏡手術で行える手術が広がっていくことが期待されます。
患者さんには、信用できる施設・医師から治療を受けてほしいと考えています。多くの方が、旅行に行くとなれば観光地を調べるでしょうし、食事に行く際はレストランを探すのではないでしょうか。それと同様に、病気にかかった場合も施設や医師をしっかり調べて、ご自身が納得する施設で受けてほしいのです。レストランや観光地と異なり、医療は正しい情報とは何かを判断しにくい分野といえます。しかし、できる限り調べていただきたいと思います。
また、ご自身の病気について勉強するということも、自分に合った医師や施設を見つける手助けとなります。病気の知識がなければ、その医師の言うとおりを信じることになりますが、病気に対しての知識があれば、医師としっかり話したり相談することができます。自分の知りたいことに対して的確に答えてくれる医師なのかを判断することが可能となります。日本料理、フランス料理を専門とする料理人のように、医師にも専門があります。ですから、自分の病気を知ること、その病気を専門とする医師や施設を調べるということも、患者さんができる治療のひとつなのではないかと考えています。
がん研有明病院 婦人科 部長
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