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編集部記事

卵巣がんの検査~検査の種類や受けたほうがよい場合の目安~

卵巣がんの検査~検査の種類や受けたほうがよい場合の目安~
金尾 祐之 先生

がん研有明病院 婦人科 部長

金尾 祐之 先生

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卵巣がんとは卵巣にできた悪性の腫瘍のことです。卵巣腫瘍には“良性”、“悪性”、その中間の“境界悪性”の3種類があり、85%は良性といわれています。ただし、良性や境界悪性の腫瘍が時間とともに悪性化してがんになることもあるほか、もともと腫瘍がなかった人であっても悪性腫瘍が突然発生することもあります。卵巣がんは初期段階では自覚症状が出にくく、おなかの張りや食欲の低下などの症状が出たときには、すでにがんが進行していることもあるので注意が必要です。この記事では卵巣がんの検査の種類や、検査を受けることを検討するタイミングについてお伝えします。

卵巣がんの検査には以下のような種類があります。

内診

腟から指を入れて子宮や卵巣を触ることで状態を確認します。また、場合によっては肛門から指を入れて直腸付近の状態を確認することもあります。

エコー(超音波)検査

エコー検査とは超音波を当てて、その反射を映像化することによって臓器の様子を診る検査です。卵巣がんの検査の場合、腹部に超音波を当てる“腹部超音波検査”や腟の中から超音波を当てる“経腟超音波検査”が行われることがあります。エコー検査では腫瘍の状態や大きさなどが分かります。

CT・MRI検査

卵巣がんの検査ではCT検査とMRI検査を併用します。CT検査とは、X線を用いて体の断面を撮影する検査です。卵巣以外の場所やリンパ節への転移があるかを診ます。MRI検査とは磁気によって体の断面を撮影する検査です。がんの広がりや腫瘍の大きさ、性状などを診断します。

腫瘍マーカー検査

腫瘍マーカーとは、がんができたときに増える特別な物質のことをいいます。卵巣がんの場合CA125CA19-9と呼ばれる物質の値が上昇することがあり、治療前、治療後に検査をすることで診断や治療方針の参考にします。

細胞診・組織診

細胞診や組織診では細胞・組織にがん細胞があるかどうかを調べます。卵巣がんの場合、細胞診は胸水や腹水に対して行われ、皮膚から針を刺して胸水や腹水を採取したり手術中に採取したりして検査を行います。組織診は卵巣の細胞を採取する必要があるため手術時に行われ、術前に行われることはありません。

手術中に行う組織診検査のことを“術中迅速病理検査”といい、この結果をもとに手術で切除する範囲を定めます。また、手術で採取した組織から良性・悪性・境界悪性の最終的な判定も行いますが、検査結果が出るまでには2~3週間かかります。

卵巣がんはエコー検査やCT・MRI検査を行っただけでは確定診断できません。最終的にがんであるかどうか診断するには組織診をする必要があります。また、卵巣の組織の採取には手術をする必要があるため、結果として手術をしなければ診断は難しいということになります。

そこで卵巣がんの疑いがあったときはまず内診、エコー検査、CT・MRI検査、腫瘍マーカー検査などを活用して腫瘍の大きさや形状、ほかの臓器やリンパ節への転移の状態から良性・悪性の推定診断を行います。この推定診断をもとに手術方針を決定し、手術中に採取した組織から最終的な診断をします。

日本で1年間に卵巣がんにかかる人の数は10万人に14.3人といわれており、頻度の高いがんではありません。しかし、以下に該当する人は病院を受診して検査を受けることを検討しましょう。

卵巣がんは初期症状がほとんどありません。しかし、進行してくると腫瘍が大きくなることや腹水がたまることによりおなかが張り、急激な痛みが生じることがあります。また、おなかが張ってくると膀胱が刺激されることでトイレが近くなったり、胃や腸が圧迫されることで食欲がなくなったりすることがあります。これらの症状を感じたときは婦人科を受診することを検討しましょう。

卵巣がんのおよそ10%は遺伝性といわれています。BRCA1遺伝子、BRCA2遺伝子と呼ばれる遺伝子に変異がある場合、乳がん・卵巣がん(男性の場合、前立腺がん)・膵臓がんにかかるリスクが高まります。家系内に以下のような人がいる場合、婦人科の受診や遺伝カウンセリングを受けることを検討してもよいでしょう。

遺伝性乳がん・卵巣がん症候群の特徴

  • 家系の中に40歳未満の若い年齢で乳がんを発症した人がいる
  • 家系内に乳がん・卵巣がんを発症した人が複数いる
  • 家系内に片胸が乳がんにかかった後、もう片方も乳がんになったり卵巣がんを発症したりした人がいる

卵巣がんには指針として定められている検診はありません。ただし、子宮がん検診などの婦人科検診で偶然発見されることもあるため、まずは婦人科検診を定期的に受けることを心がけましょう。また、前述したような症状があるときや卵巣がんにかかるリスクが高いと考えられる場合には婦人科を受診し、医師の指示に従って検査を受けることを検討しましょう。

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