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インタビュー

卵巣がんの原因-確立されているリスクと可能性のあるリスクとは

卵巣がんの原因-確立されているリスクと可能性のあるリスクとは
加藤 友康 先生

国立がん研究センター中央病院 婦人腫瘍科 医師

加藤 友康 先生

この記事の最終更新は2016年04月19日です。

卵巣は、子宮の両側にある親指の第一関節程度の大きさの臓器で、卵子を作り出す重要な役割を担っています。卵巣に発生する悪性腫瘍のことを卵巣がんといい、その原因として確立しているものに遺伝的要因があります。本記事では、卵巣がんとは何か、卵巣がんの原因やリスクについて国立がん研究センター中央病院 婦人腫瘍科科長 加藤友康先生にお話しいただきました。

卵巣に発生する悪性腫瘍のことを卵巣がんといいます。卵巣がんは、発生する場所によって上皮性・胚細胞性・性索間質性などの種類があります。卵巣がんの90%以上が上皮性がんであり、その次に多いのが胚細胞性腫がんです。

  • 上皮性がん:卵巣をおおう組織からがんが発生する
  • 胚細胞性がん:卵子のもとになる胚細胞からがんが発生する
  • 性索間質性がん:ホルモンを産生する細胞と周囲の組織から発生する

さらに上皮性腫瘍には4つのタイプがあります。

  • 漿液性がん
  • 明細胞がん
  • 類内膜がん
  • 粘液性がん

これらはそれぞれが異なった振る舞い(自然経過)をします。たとえば漿液性がんでは腫瘍が小さいうちから転移を起こしてしまい、腹水(腹腔内に異常に貯留した多量の液体)が貯まってきます。一方で粘液性がんは、囊胞(腺がふさがれて分泌液がたまり袋状になったもの)をつくり卵巣自体は腫れるものの、ある程度の大きさにならないと転移をしないがんです。このように、ひとくくりに卵巣がんといっても、組織型によってがんの特徴がかわってくるため、診断が非常に難しいといえます。(参考記事:「卵巣がんの診断と検査-なぜ卵巣がんは確定診断に時間がかかるのか」

また卵巣は親指の第一関節程度の大きさしかないため、腫瘍ができて卵巣が腫れていても、気づくことができないことも卵巣がんの難しさであるといえます。

子宮の構造
子宮の構造(素材提供:PIXTA)

卵巣がんの罹患(りかん)数は、組織型によって異なります。上皮性がんでは30歳代から増加し、50歳代から60歳代にピークを迎えます。一方胚細胞性がんは10歳代にも発生し、20歳代がピークとなります。「卵巣がんの治療-手術と抗がん剤治療がメインとなる」でも述べますが、胚細胞性がんは抗がん剤が比較的よく効くため、若い方では治療後に妊娠や出産が可能となるケースも多くあります。

・遺伝的要因

卵巣がんで遺伝的関与があるのは5〜10%といわれています。乳がんと同じく、BRCA1、BRCA2遺伝子の変異を持っている場合、卵巣がんを発症する危険性が一般の方よりも30〜40倍高いといわれています。また、近親者に卵巣がんにかかった人がいる場合は、いない人に比べて発症率が高いといわれていますので、血縁関係のある親戚に卵巣がんや乳がんの方がいるかどうかが非常に重要となります。

排卵の際に卵巣上皮が内部にめくり込み嚢胞(封入嚢胞)を作ります。その嚢胞から卵巣がんができると考えられています。つまり、排卵の回数が多い方=妊娠・出産歴がない方は卵巣がんになりやすいと考えられています。ピル(経口避妊薬)が卵巣がんの予防に期待ができるといわれている理由には、この排卵の回数と関係があります。ピルの服用中は排卵が起こりません。そのため排卵による封入嚢胞形成を防ぐことができ、結果的に卵巣がんの予防効果があるとされているのです。

  • 婦人科疾患

骨盤内炎症性疾患、多囊胞性卵巣症候群(無排卵)、子宮内膜症もリスクと考えられています。

  • 肥満
  • 排卵誘発剤の使用
  • ホルモン補充療法
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    加藤 友康 先生

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