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卵巣がんの検査と治療選択―がんの種類によって治療を組み合わせる

疾患啓発(スポンサード)

最終更新

2019/08/15

2019 年 08 月 15 日
更新しました
2019 年 07 月 01 日
掲載しました
卵巣がんの検査と治療選択―がんの種類によって治療を組み合わせる
奥 正孝 先生

地方独立行政法人市立東大阪医療センター 産婦人科 部長

奥 正孝 先生

目次
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卵巣がんの検査では、内診や経膣超音波検査、画像診断、病理検査などが行われます。さまざまな検査結果を総合的に評価したうえで腫瘍の悪性度を推定し、最終診断のためには手術中または手術後に行われる病理検査が必要になります。検査から分かった病期やがんの組織型などから、一人ひとりの患者さんに適切な治療方針を検討していきます。記事1に引き続き、本記事では卵巣がんの検査方法と診断までの一般的な流れを踏まえ、市立東大阪医療センターでの治療方針についてお話しいただきます。市立東大阪医療センター産婦人科部長の奥正孝先生にお伺いしました。

組織型を推定するための卵巣がんの検査

内診(直腸診)

内診では、子宮や卵巣に直接触れて、周辺臓器との癒着の状態を確認します。子宮や卵巣に触れてみて、これらの臓器が可動性を保っている(動く)ようであれば、骨盤や骨、腸などの他臓器に癒着していないため、手術による卵巣の摘出が可能だと判断できます。

カラードプラを用いた経腟超音波検査

経膣超音波検査では、カラードプラ法を用いて、腫瘍の構造および腫瘍内血管の血流速度を測定することにより、良性・悪性を推定します。

悪性腫瘍は、自分自身が発達するために腫瘍への栄養血管を作成しようとします。しかし、悪性腫瘍への栄養血管は短期間で作られた血管であるため、良性腫瘍が栄養血管を作った場合に比べて脆く、破れやすいという特徴があります。また、血液の流れが遅いことも特徴です。これらの特徴を有している場合は、悪性腫瘍である可能性が高いと考えられます。

カラードプラ法…血流のある部分を色付けして表示する方法。プローブに近づく方向の血流と、遠ざかる方向の血流を表す色を変えることで、血液の流れる方向を把握できる。

画像診断(CT、MRI)

CTや造影MRIなどの画像診断で、遠隔転移やリンパ節転移を起こしていないかを確認します。肺などの胸部に転移していると疑われる場合は、脳にも転移していないか検査します。

腫瘍マーカー

術前には、卵巣がんの発症に関連する数種類の腫瘍マーカーを検査し、高値を示す腫瘍マーカーを確認します。

手術後、もう一度腫瘍マーカーを検査します。術前に高値を示したマーカーのうち、数値が低下したマーカーがあれば、それを「フォローアップマーカー」に置いて定期的に検査します。

ただし、一部の腫瘍マーカーは、術前で高値を示していない場合も定期的な検査を実施することがあります。術前に正常値を示しても、リンパ節転移や消化管転移が原因で上昇することがあるからです。

卵巣がんの診断の流れ―組織型の推定から確定診断まで

さまざまな検査結果から総合的に腫瘍の全体像と組織型を推定する

当院では、前項でご説明してきた検査を全て行い、検査結果を総合的に評価することで、卵巣腫瘍の悪性度や組織型を推定しています。

手術後は、がんの組織型や進行期に応じて、内診、超音波検査、腫瘍マーカー、CTを定期的に行うことでがんの再発の早期発見に努めます。

卵巣がんの診断は病理組織検査で確定する

前項でご説明した検査では、組織型やがんの構造を推定することが可能ですが、確定診断をすることは原則的にできません。卵巣がんの最終診断は、手術で採取した組織の病理検査の結果に委ねられます。体力的な面やご本人の意志などの理由で手術による病理検査が実施できない場合は、最終診断に至らないこともあります。