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性交渉の回数が多いと子宮頸がんのリスクも高まるの?〜自分でできる予防策とは〜

性交渉の回数が多いと子宮頸がんのリスクも高まるの?〜自分でできる予防策とは〜
加藤 友康 先生

国立がん研究センター中央病院 婦人腫瘍科 科長

加藤 友康 先生

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子宮頸がんとは、子宮の入り口である子宮頸部と呼ばれる部分にできるがんのことで、主な原因はヒトパピローマウイルス(HPV)の子宮頸部への感染です。HPVは主に性交渉によって感染する非常にありふれたウイルスですが、たとえHPVに感染しても通常の場合は約1~2年以内に自然に体の外に排除されます。また、性交渉によって感染することから、性交渉の回数やパートナーが多い女性のほうが子宮頸がんの罹患リスクが高いと考える方も少なくありません。それでは、性交渉の頻度やパートナーの数によって、子宮頸がんの罹患リスクは異なるのでしょうか。

本記事では子宮頸がんの原因から性交渉の関係について詳しく解説します。

子宮頸がんの主な原因は、性交渉によるHPV感染で発症することです。しかし、HPVに感染してすぐに子宮頸がんを発症するわけではなく、数年以上の長い年月をかけて“異形成”と呼ばれる状態になり、そこからさらに数年以上かけて子宮頸がんに進行します。

すなわち、子宮頸がんの発症には、HPVウイルスへの感染に加えて感染が持続することが条件です。そのため、HPVの感染機会が多いことはHPV感染を持続させる原因の1つとなり、子宮頸がん発症のリスクを高めることになります。

前述の通り、子宮頸がんは主に性交渉によってHPVに感染し、さらにその感染が持続することで発症します。そのため、性交渉の回数やパートナーの数が多いほどHPVの感染機会が増え、子宮頸がんのリスクが増加する可能性は否定できません。

その一方で、パートナーが1人だけだとしても初回の性交渉から3年後のHPV感染陽性は46%に上るといわれており、経験人数が少なければHPVに感染しないというわけではありません。また、まれですが子宮頸がん、特に腺がんの中には、HPVが検出されずHPV感染以外の原因が疑われるものも報告されています。このことからも、性交渉の経験がなくても子宮頸がんを発症する可能性がまったくないと言い切ることはできません。つまり、子宮頸がんは性活動が活発でなければ発症しないわけではなく、女性に関わる問題であることを知っておくことが大切です。

子宮頸がんはさまざまながんの中でも予防方法とその効果がはっきり示されているがんだといわれています。子宮頸がんの予防策には、“ワクチン接種”と“子宮頸がん検診”の2つがあります。

HPVはおよそ200種類ありますが、子宮頸がんの発症リスクが高い型は約14種類あります。なかでも、子宮頸がんの原因となるHPV16と18型の感染を予防するワクチン(HPVワクチン)が開発されていました。国内の研究では、ワクチンを接種した90%以上の方で子宮頸がんの発症リスクが高い“HPV-16,18型”の90%以上の感染を予防したという報告が示されています。

しかし、発症リスクが高いHPVの全ての型に有効なわけではなく、接種したとしても全ての方に予防効果が見られるわけではありません。そのため、ワクチン接種に加えて定期的な子宮頸がん検診を受けることが非常に大切です。

子宮頸がんはがんの中でも進行がゆっくりであるといわれており、さらに“異形成”と呼ばれる段階を経て子宮頸がんに移行します。子宮頸がん検診は子宮頸がんに進行した状態だけではなく、がんの前段階を発見できる検査であり、子宮頸部の細胞を少量こすり取るだけで検査が可能です。子宮頸がん検診は、2年に一度検査を受けることで子宮頸がんによる死亡率を減らすことが証明されており、多くの自治体で公費助成による検査が受けられます。

ただし、日本は現時点では積極的な接種を推奨していない状況です。そのため、子宮頸がん検診を受けなくてもよいと考える方もいますが、定期接種である位置付けには変わりません。実際に接種する際には、ワクチンの有用性とリスクを正しく理解したうえで判断することが大切です。

厚生労働省ではHPVワクチンを含む予防接種についての情報の提供、または相談窓口を設置しているほか、各市区町村でも予防接種に関する相談を受け付けています。そのため、ワクチン接種にあたり分からないことや心配なことがある場合は、厚生労働省あるいはお住まいの各市区町村の相談窓口に相談するとよいでしょう。

【厚生労働省】予防接種情報
【厚生労働省】感染症・予防接種相談窓口

子宮頸がんは、HPVの持続感染によって引き起こされる病気です。HPVは1回でも性交渉の経験がある女性であれば誰もが感染する可能性がありますが、性交渉の経験が少なければ無関係な病気というわけではありません。しかし、子宮頸がんはHPVワクチンの接種や子宮頸がん検診によって予防できる病気でもあります。そのため、子宮頸がんの原因とリスクを知ったうえで、対策を心がけることが大切です。

日本では子宮頸がんの発症の若年化が顕著です。実際に2018年に子宮頸がんで亡くなった方のうち49歳以下は555人で、全体の約2割を占めていることが明らかになっています。このようなデータはがん情報サービスセンターのサイトで死亡率や罹患率、生存率などの数値をデータ化して一般向けに提供しているため、こういった情報も参考にするとよいでしょう。

【がん情報サービスセンター】 グラフデータベース

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